
1 2026/04/20(月) 16:00:11.29 実質賃金が伸び悩む中で進む値上げの多くは、「原材料高」や「他社も上げているから」といった“便乗”によるものだ。さらに政府は、補助金や負担の先送りで現実を覆い隠そうとしている。そんな状況のなか、経済学者の竹中平蔵氏は「強いリーダーシップを持つ政府であれば、価格高騰はある程度受け入れざるを得ないと国民に率直に語るべき」と指摘する。 (略) ◼物価高で最もダメージを受ける低所得者層 デフレ時代が長かったため「日本の物価は安すぎた」という側面があるのも事実ですが、基本としてインフレは通貨供給量などによるマネタリーな現象です。クオリティの裏打ちがないまま、あまりにも安易に様々なものの値段が上がりすぎています。 そして、この無軌道な物価高で最も深刻なダメージを受け、生活に困窮しているのは、実質賃金が一向に上がらない低所得者層なのです。 さらに本質的なことを言えば、日本国民は今「生活水準が下がって当然の環境に置かれている」という残酷な真実を直視しなければなりません。 円安が進行し、エネルギー価格が高騰している現在、日本の「交易条件」は著しく悪化しています。例えば今まで海外から1万円で買えていたエネルギーや食料に、2万円払わなければならない国になってしまったのです。 世界の潮流に完全に逆行する愚策 国全体として海外に支払う富が増えている以上、国民の生活水準が落ちるのは経済の摂理として当然の結果です。 ところが政府は、この「不都合な真実」を国民から隠そうと、生活水準を無理に維持するためのポピュリズム的な政策を乱発しています。その最たるものが「ガソリン補助金」です。 世界中がエネルギー危機に直面し、化石燃料への依存度を下げるための省エネ政策へと舵を切っている中で、日本政府だけが多額の税金を投入してガソリン価格を人為的に押し下げ、「皆さん、これまで通り安心してガソリンを使ってください」というメッセージを発している。これは世界の潮流に完全に逆行する愚策です。 石油備蓄の放出にしてもそうです。備蓄というのは、中東情勢の悪化などで物理的に原油が入ってこなくなった「有事」に備えるためのものであって、単に「ガソリン価格が高くなったから下げるために使う」というものではありません。政策の目的が完全にすり替わっています。 ◼みんなで我慢して省エネをしよう だからこそ、強いリーダーシップを持つ政府であれば、価格高騰はある程度受け入れざるを得ないと国民に率直に語るべきなのです。本当に生活に困窮している人にはピンポイントで現金を給付して助ける。 その上で、社会全体には「今は国難なのだから、みんなで我慢して省エネをしよう」と呼びかけるべきです。 例えば、車の利用を控えてカーシェアリングを推進する、高速道路の制限速度を下げて燃費を良くする。1970年代のオイルショックの時、日本は廊下の電気を消し、エレベーターを止めて階段をと使うという徹底した省エネ運動を行いました。 そうした「国民に痛みを伴う我慢をお願いする」ことこそが、真の政治の役割です。内閣支持率を気にして補助金をばらまくのは、政治家の怠慢でしかありません。 続きは↓ [集英社オンライン] 2026/4/20(月) 7:00…