「背任罪廃止、9月の通常国会で処理目標」(朝鮮日報・朝鮮語) 共に民主党のキム・ビョンギ院内代表が21日「9月の定期国会中に背任罪廃止をすることが目標」と話した。 民主党はこの間「理事の忠実義務株主に拡大」「集中投票制」内容などが含まれた1・2次商法改正案を処理した中で財界は「経営上の判断にともなう背任罪」を廃止してほしいと要求してきた。 キム院内代表はこの日、就任100日の記者会見で今後の課題に対して「経済刑罰を合理化する」とし、「背任罪を廃止する」と話した。 キム院内代表は「背任罪に対しては2つの意見があった。 色々な経営判断の原則をはじめとして商法と刑法を段階的に補完しようということがあり、背任罪を廃止し廃止にともなう問題が生じれば法案を個別立法しようということだった」として「背任罪が明確に問題があり廃止しなければならないことが原則ならば原則に向かって進まなければならないということを一貫して申し上げる」と話した。 (引用ここまで) 韓国の大統領、イ・ジェミョンが刑事事件5件を係争中であることは皆さんよ区ご存じかと思いますが。 え、ご存じでない? イ・ジェミョン大統領は現在、こんな感じで訴追されている状況です。 ●14の罪、8つの事件、5つの刑事裁判中 1.テジャンドン開発不正 / 背任・利害衝突防止法違反 2.ウィレ新都市開発不正 / 旧腐敗防止法違反 3.ペクキョンドン開発不正 / 背任 4.城南FC違法後援金 / 第三者供賄・犯罪収益隠匿 5.偽証教唆 / (2020年の公職選挙法違反裁判での)偽証教唆 6.公職選挙法違反 / 虚偽事実公表(2020年のものとは別) 7.北朝鮮違法送金 / 第三者供賄・外為取引法違反・南北交流協力法違反 8.法人用クレカ私的流用 / 業務上背任 1〜4については同一の裁判でまとめて審理されています。 それ以降の5〜8については別途審理中。 ただし、これらの裁判すべてが「大統領に当選したことで審理棚上げ」となっています。 さらに6番目の公職選挙法違反、虚偽事実公表については大法院(最高裁判所に相当)が有罪前提の高裁差し戻し判決を出していまして。 審理が再開されればイ・ジェミョンの有罪はほぼ確実……なのですが。 現在、イ・ジェミョンが問われている「虚偽事実の公表」について、罪でなくそうとする法改正が行われようとしています。 これは裁判中の被告にも当てはめられて、現在公職選挙法違反の虚偽事実公表で裁かれている被告は「そもそも罪がなかった」ことになります。 現状で被告はイ・ジェミョン以外にはいないんですけどね。 こうした「法改正された場合は現在の被告にも利益を与える」ことは法律としては基本的なことなので……まあ、そんなにおかしいことではないのですが。 そして、同じ文脈で今回は「背任罪は廃止!」と言い出したわけです。 前述の事件一覧を見てもらっても分かりますが、8件中3件までが背任がらみです。 「公職選挙法改正案」が国会を通れば、なんとイ・ジェミョンの関わっている8つの事件のうち半分までが消えるのです! ……すげえな、K三権分立。 もうなんだってできちゃいますね。大統領になったら裁判すらなかったことにできちゃうんですよ。 note.comで楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 中味は長編記事。最新の記事は「 迷走をはじめた韓国のウェブトゥーン、果たしてどこへと向かうのか……自社IPを捨ててまで得たものとは? 」となっています。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…