ベトナム中部に位置するフエ市が10月末、24時間で1000mmを超える記録的な豪雨に見舞われました。元々10月のベトナムは年間で最も雨の多い季節ではありますが、フエ市の10月の平年雨量が842.8mmなので、24時間で1か月の雨量を超えるほどの大雨が降ったことになります。その結果大規模な洪水が発生。市内の多くの街区が浸水し、深刻な状況となり、多くの住民が避難を余儀なくされました。そのような中、ある写真がベトナム国内で大きな話題となりました。その写真には、周囲の道路も住宅街も冠水している中で、日本企業が運営する「イオンモール・フエ」だけが浸水を免れ、ほぼ無傷の状態で佇んでいます。2024年8月に完成したこの「イオンモール・フエ」は、建設の段階から徹底した洪水対策が行われていました。ベトナムの情報通信省が運営する公式ポータルサイト、「Vietnam.vn」が配信した記事によると、フエの旧市街と新市街を二分して流れるフォーン川は雨季に増水しやすい川であることを把握していたため、開発前に過去70年の洪水データを分析し、設計に反映。建物の基礎自体を過去の洪水ピークよりも、1.5メートル高く設計したと伝えられています。なお、地下にも徹底した浸水対策が施されており、地下駐車場も完全に無事でした。さらに同記事は、イオンモール・フエが、自然災害による技術的課題を克服しただけでなく、「コミュニティ センター」としての役割も発揮したと指摘。フォーン川の水位が警報レベル2以上に達した時点で、自動車の浸水防止のため駐車場を無料で近隣住民に提供する、という方針が直ちに適用され、食料品や生活必需品の商品供給も継続。モール内には無料の充電エリアや、休憩椅子などが用意されていました。11月14日に日経新聞が取り上げたことで、日本のネット上でも大きな話題となったこの件を、現地紙は「イオンの奇跡」と大絶賛。関連投稿には、ベトナムの人々から称賛が相次いでいました。その一部をご紹介しますので、ご覧ください。「日本人は本当に特殊だ」 なぜ日本人はあんなにも災害に強いのだろうか?…