李大統領「対米投資の方式・規模・日程、すべての部分で意見を戦わせている」(中央日報) 米国と韓国による3500億ドル(約54兆円)規模の投資約束をめぐり、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は「両国が主要な懸案のすべてで意見の隔たりを埋められていない」と明らかにした。 27日(現地時間)に公開された米経済メディア・ブルームバーグとのインタビューで、李大統領は「投資の方式、投資規模、日程、損失分担および配当金の分配など、すべての部分においてまだ議論を戦わせているところ」と述べた。 李大統領は「米国が自国の利益を最大化しようとするのは当然だが、それが韓国に破滅的な結果をもたらす水準であってはならない」という立場を示した。その上で「議論は続いており、見解の違いが一部残ってはいるが、遅延がすなわち失敗を意味するわけではない」と含みを持たせた。 ブルームバーグは「この投資約束は、7月に骨子がまとめられた両国の貿易協定の核心軸であり、交渉の遅れによって韓国自動車業界が競合国に比べ不利な位置に置かれている」とし「大統領が時間を求めている間、韓国の自動車メーカーは米国の25%の関税を負担している。一方、日本は先月ワシントンとMOUを締結し、15%の関税優遇を受けている」と説明した。 これに対して李大統領は、日本との比較を退け、「韓国もまた、EU(欧州連合)がトランプ政権と交渉した方式から学ぶべき点がある」と応じたという。 李大統領は「韓国は米国の同盟国であり友人である以上、すべての当事者が受け入れられる合理的な結果を導き出せると信じている。そうしなければならない」と強調した。 (引用ここまで) いわゆるトランプ関税の交渉について、イ・ジェミョン大統領は「対米投資の方式・規模・日程のすべてにおいて議論している」と言明。ふむ。 以前は「APEC前にも関税交渉妥結が発表できるだろう」とされていたのですよ。 それについで「トランプ大統領が訪韓する時にいい発表ができればよい」みたいになったのですね。 で、今回はイ・ジェミョン大統領へのインタビューで「まだすべてにおいて意見を戦わせている」と。 まあ、何度も書いていますがアメリカ的には25%の関税賦課で満足なんですよ。 4月にトランプ大統領が自らフリップ持って「韓国は25%、日本は24%、台湾は32%、EUは20%」ってやってたじゃないですか。 トランプ氏、相互関税を発表 最大50%で日本は24%(BBC) その後、8月まで効力発行を停止するってして、日本もEUも韓国も交渉に交渉を重ねて7月末までになんとか「対米投資をするのなら15%」で妥結ってことになっていたのです。 で、日本とEUについては対米投資で合意できたので実際に15%が賦課されている。 一方で現行の韓国に対する関税はその原案のまま25%。 原案のままなのだから、アメリカとしては「別にこれでよい」のですよ。 対米投資をアメリカの要求、もしくはアメリカの要求に近いものにするのであれば15%にしてもいいし。 韓国がそれに従わないのであれば25%。 「我々にとってなんの問題もないのでは?」ってアメリカ政府側は言ってそうですね。 ただ問題は7月末の交渉時に15%になるってことに加えて、半導体、鉄鋼、自動車で韓国は最恵国待遇を受けるって約束になっていたのですが。 現状のままだとそれが受けられない可能性が高い。 ちなみに関税が0%から25%にジャンプアップした自動車については対米輸出が9月まで7ヶ月連続で減少中。 アメリカにとっては現状が満足なものでも韓国にとってはそうではないってわけです。 しかし、関税を15%にするには韓国の体力にとってきつい対米投資をしなければならない。 だから条件をいろいろと出そうとしているのですが。 アメリカは「現状の25%ままでも構わない」ので、韓国からの条件を呑む必要がない。 通貨スワップ協定も拒絶するし、分割も拒絶。利益按分も「アメリカが9だ!」って言えてしまう。 ……有り体に言って詰みなのでは? note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 イ・ジェミョン大統領、意外と反日でも反米でもなかった? ……実はそこには大きな理由がありました 」となっています。 また、楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…