物価高で「節約消費」…韓国4-6月期の世帯食料支出、9年ぶり最少(中央日報) 韓国では高物価の影響で、食料品や飲料などの食料支出(実質消費支出)が9年ぶりに最も少ない水準まで減った。猛暑・豪雨などの異常気象や加工食品の値上げが重なった影響とみられる。 9月1日、統計庁の国家統計ポータル(KOSIS)によると、今年4〜6月期の世帯の食料品・非酒類飲料への消費支出(名目)は、月平均42万2700ウォン(約4万4750円)と集計された。1年前より1.8%増加した。一方、物価上昇分を考慮した実質消費支出は34万1100ウォンで、前年より1%減少した。2016年4〜6月期(33万ウォン)以来、9年ぶりに最小規模となった。実質消費支出が減ったということは、高物価で食料に使った金額(名目支出)は増えたが、実際の消費規模は減少したことを意味する。 背景としてまず挙げられるのは高物価だ。4〜6月期の食料品・非酒類飲料の消費者物価は前年同期比2.9%上昇し、全体の消費者物価上昇率(2.1%)を上回った。昨年末に大きく上がった為替レートが輸入原材料価格に反映され、食品企業が出荷価格を相次いで引き上げた結果だといえる。 高物価の累積などにより、食料関連の実質支出は2023年10-12月期から4四半期連続で減少した。昨年10-12月期には1.8%増加して反発に転じたものの、今年1-3月期は増加率が0.4%に縮小し、4-6月期には再び減少に転じた。値上がりした加工食品などの価格を受け、消費者が安い商品を選ぶ「節約消費」に走った影響とみられる。外食費の支出もわずかな増加にとどまった。1-3月期に0.4%減少していた世帯の食事代実質支出は、4-6月期に35万3000ウォンで、前年より0.2%増加した。 (引用ここまで) 韓国が21世紀になって最大の不況を迎えているとの話はもう口が酸っぱくなるくらいしています。 第1四半期のGDP成長率はマイナス0.2%。 第2四半期は0.6%とされていましたが、0.7%に修正されました。 かつては「最低でも1年間で3%は経済成長しなければ」って言われていたものが、現在では「1%台を抜け出したい!」って叫んでいる状況です。 去年は2%ちょうど、23年は1.4%でした。23年は成長率で日本に抜かれたと大騒ぎでしたね。 今年の韓国銀行による予想値は0.9%。0.1%増やしています。 アジア開発銀行、ADBは0.8%。IMFも0.8%。OECDは1.0%。 ま、どんだけ悪いのかが見てとれます。 そんな中、消費が先細っているとのニュース。 消費者が韓国経済の先行きを心配して消費そのものを絞り、かつインフレに負けつつあるってことですね。 まあ……先行きはどう考えてもよくない。 内需の幹であった建設業が本当にダメ。もうどうにもならない状況です。 特に地方。 「1日に2カ所ずつ潰れる」相次ぐ倒産の恐怖···韓国、どうしてこうなったのか(韓国経済新聞・朝鮮語) 建設業従事者(6月末基準)は193万9000人で200万人以下に減った。 竣工後の売れ残り物量(2万7057世帯)の83%ほどが地方に集中している。 (中略) 昨年までは経営実績が良かった慶尚北道6位の洪城建設(施工能力評価167位)まで最近、企業再生の手続きに入ると、地域建設業界の危機感は広がっている。 洪城建設は直前の会計年度(2023年7月1日~2024年6月30日)に58億ウォンの営業利益を上げた会社だ。 しかし、工事未収金の回収遅延などでキャッシュフローが大きく悪化したと伝えられた。 全国各地で工事も止まっている。 今年5月、ヨンム土建(施工能力評価232位)の法定管理申請で、京畿道楊州市隠県面のマンション現場(644世帯)は、いつ工事が再開されるか分からない。 ここは住宅都市保証公社(HUG)の住宅分譲保証を受けた現場だ。 HUGは保証方案を検討中だが、法定管理結果が出てこそ継続事業可否が決定される。 江原春川市民間賃貸アパート「シオン森の中の朝ビュー」も工程率約80%で工事が止まった。施工会社のシオン建設開発と施工会社のシオン土建が昨年不渡り処理され、分譲保証事故が発生した。 2021〜2022年には1件もなかった分譲保証事故は2023年には16カ所、昨年は17カ所(1兆155億ウォン)に増えた。 (引用ここまで) 「悪性の売れ残り」とされる入居開始後の売れ残りが2万7000件オーバー。 うち、83%が地方にあるとされています。ということは首都圏にもまあまああるってことだわな。ソウルはほとんどないにしても。 中小の建設業は不渡り連続でがたがた。 かつては製造業と並んで雇用の雄であったはずの建設業従事者は200万人を割りこんだ、と。 ま、地方の建設業が活気を取り戻すことはないでしょ。かつてのようなにはもう戻らない。確実に。 あるていど建設企業の数が絞られて、規模が縮小したら……ってところかなぁ。 建設業以外に内需のネタを仕込んでおけばよかったのにね。 ずーっとIMFにも言われてたのにね。 note.comで楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 中味は長編記事。最新の記事は「 アメリカの基本防衛戦略を拒絶する韓国……米韓同盟に未来はあるのか? 」となっています。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…