1 名前:七波羅探題 ★:2025/07/23(水) 17:27:36.71 ID:LEKO2xyH9.net 東京新聞2025年7月23日 06時00分 大学院の博士課程を対象とした研究者支援プログラムを巡り、これまで留学生にも支給していた生活費の対象を日本人に限定するとした国の方針が「国籍差別」などと批判されている。参院選のさなかには「外国人が優遇されている」と、誤解を招く言説も拡散されたこの問題。大学の研究力を支えてきた留学生への支援切り下げに、教育現場からも疑問の声が上がっている。(福岡範行、太田理英子、安藤恭子) ◆本を買えた、会議にも参加できた 政府が留学生への支援見直しを検討しているのは「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(SPRING)。博士課程の学生の減少や日本人の進学の少なさを背景に2021年度に始まった制度で、博士課程の学生に生活費や研究費を支援してきた。ただし、審査に国籍による差はない。 当事者は何を思うのか。大学院博士課程で中国出身の30代女性は「こちら特報部」の取材に「ショックでした」と声を落とした。女性は2年間、SPRINGの支援を受けた。生活費分も研究費に回し「普段買えない書籍を買え、国際会議にも参加できた」と感謝する。周りの研究仲間も、現地調査の費用や家賃の捻出には苦労しているという。 ◆生活費支援を日本人に限定する案 SPRINGの見直しを巡っては、今年3月の参院外交防衛委員会で有村治子氏(自民)が、留学生への支給を問題視。「日本の学生を支援する原則」の明確化と、留学生は「極めて優秀なごくごく一部に限定する」ことを求めていた。 「研究に国境はない」などとプラカードを掲げて制度見直しに反対する学生たち=7月2日、東京・池袋駅前で(JST-SPRING国籍要件反対アクション提供) こうした意見も受け、文部科学省は6月26日、最大で年間290万円の支給額のうち、生活費支援(180万?240万円)の対象を「日本人」に限定する変更案を、有識者会議で示した。今月末の審議会で了承されれば、詳細な制度設計を進める。制度変更の時期について、同省人材政策課の高橋佑也課長補佐は、支援中の学生の不利益を避ける必要もあると説明し、2026年度内の変更は「何とも言えない」とした。 支援内容を国籍で分けるのはなぜなのか。高橋氏は博士人材を増やすためとする。「留学生はSPRING以前から増えていた」ことから、進学が少ない日本人に手厚い配分を目指すと説明した。 ◆「バイト詰めになり研究できない」 ただ、昨年10月から検討する中で大学側の意見は聞いたが、当事者の学生は「日本人も含め、ヒアリングしていない」という。在日コリアンなど日本で生まれ育った外国籍学生を生活費支援の対象とするかどうかについて、高橋氏は「(支援実施機関と)まさに相談している」と答えた。 留学生を巡る批判は、参院選でも起きた。東京選挙区で初当選したさや氏(参政)は演説で「外国人優遇政策」として「中国人の修士課程の留学生、290万円を1年間でもらっている」と訴えた。これがSPRINGであれば日本人への支給が全体の6割を占めて多く、誤解を招く主張だ。 排外主義の風潮への危機感から、東京・池袋で7月2日、日本の大学生らがSPRING見直し反対を訴えた。留学生たちからのアンケートには「生活支援がなくなり進学を断念する可能性が高い」などの声が届く。集計を担う東京大4年の金澤伶さん(22)は「生活費支援がなくなれば、バイト詰めになって研究ができなくなる。生存権の問題と思う。当事者の声を聞かない政治が許せない」と話す。 ◆「中国人への批判が強調されていた」 冒頭の女性も「社会を分断する言論」に危機感を抱く。東京暮らしは5年以上。コロナ禍も物価高も日本人と共に経験した。「優遇は求めていません。等身大の人間として見てほしい」 お茶の水女子大大学院博士課程の大室恵美さんは、3月の参院委の有村氏の質疑では、中国人留学生によるSPRING利用への批判が、特に強調されていたと指摘する。「アジアからの学生を下に... ※以下会員記事 引用元:…