韓国の若者を遠ざける住宅政策、「家は後で買えばいい」との認識に隔たり [韓国記者コラム](KOREA WAVE) 「家を買って新生活を始める若者がどこにいるのですか」 最近、融資規制で苦しむ若者の事情を政府関係者に伝えたところ、こんな答えが返ってきた。結婚を機にソウル郊外で小さな家を購入しようとする若者は少なくないと説明したが、政府関係者は「私たちの頃は月払いの賃貸や保証金を預ける賃貸から始め、金をためて家を買った」と話した。 政府と若者の間にある認識の隔たりを感じたのは、これが初めてではない。 韓国大統領府のある参謀は5月の記者説明で、複数住宅所有者に対する譲渡所得税の重課猶予措置終了を前に、ソウル・江南の住宅価格が下落に転じたことを「異例」と評価した。一方、ソウル郊外の15億ウォン(約1億6500万円)以下のマンション価格上昇については、「これまで取引がなかった市場が動き始めただけで、大きく心配することではない」と答えた。 大統領の支持率が下落する中、特に30代の離反が目立つ理由はここにある。若者にとって政争より切実なのは、目の前の暮らしだ。 住宅価格の上昇や下落とは別に、「家は後で買えばよい」「15億ウォン(約1億6500万円)以下のマンション価格上昇は大きく心配することではない」という認識そのものが、若者の生活とかけ離れている。 20代前半でソウルに出て、アルバイトをしながら家賃を払い、就職後は保証金付き賃貸のための融資を受けて利息を支払う。毎年、家賃や保証金を引き上げるという家主からの電話を受け、さらに保証金詐欺の危険を乗り越え、ようやく30代になる。 結婚を約束した相手と、それぞれがためた金に返済可能な融資を加え、適当な家を1軒確保しようとする若者は、投機やぜいたくを望んでいるのではない。ただ、より良く暮らしてみたいだけだ。 「金をためてから家を買いなさい」という大人たちの言葉が、利息に苦しむ生活を避けてほしいという温かい助言であることは分かる。しかし、それが助言に聞こえないのは、現実があまりにも変わったからだ。 年収は運が良くても100万ウォン(約11万円)単位でしか増えないのに、住宅価格は平然と1億ウォン(約1100万円)単位で上昇する。売買価格、保証金、家賃が同時に上がる中で、「金をためてから家を買え」という言葉は、事実上「家を買うな」という通告と変わらない。 (引用ここまで) イ・ジェミョン政権から「別に家なんて買わなくても新生活をはじめて、そこからお金を貯めればいいだろう」なんて発言があったそうですわ。 韓国は伝統的な風習として「まず結婚するには不動産(マンション)が必要」との考えが根強く残っています。 「そんなものに囚われる必要はない」って話をしている、ってことですね。 さて、イ・ジェミョン政権の基本的な不動産政策は「融資引き締め」と「不動産取引許可区域の拡大」で行われています。 不動産融資には上限を定め、特にソウル(と京畿道の一部)ではこんな風になっています。 住宅価格 融資上限 15億ウォン以下 6億ウォン 15億ウォン超〜25億ウォン以下 4億ウォン 25億ウォン超 2億ウォン イ・ジェミョン政権はムン政権の「複数の不動産所有は悪」との政策を引き継いでいます。 不動産投資を行わせないって強い意志を感じさせますね。 その一方でソウルのマンション価格は平均で10億ウォンになっています。 それでも融資上限は6億ウォンで、頭金としてまず4億ウォンを手元に用意しなければならないわけです。 中古、狭めの8億ウォンくらいのマンションでも2億ウォンは必要。 30代までにそんな額が用意できるかって話になるわけです。 最近、イ・ジェミョン大統領の支持率は右肩下がりなのですが(サッカー協会への弾圧で一瞬だけ上がりはしましたが、基調は変わらず)、不支持の原因として1位が不動産政策になりました。 李大統領の支持率、3週連続下落で51%…「不動産政策に否定的評価」(中央日報) 不動産価格を抑制するとしているのに実勢価格は上がっている。 それをごまかすために「別に家を買わなくても結婚できるだろう」くらいに言い出してしまう。 現実問題として「結婚するなら不動産を用意する」って話はあるのに、「別にそんな決まりはどこにもない」くらいのことを言ってしまう。 まあ、お約束ですね。 ムン・ジェイン政権では住宅価格上昇をごまかすために統計の数値を改ざんして「4年間で17%の上昇に過ぎなかった(我々の政策は正しかった)」ってやったんですが。 少なくともイ・ジェミョン政権はそこにはまだ手を出していない、って違いがあるくらいか。 「政策は正しいのだから、現実が間違っている」って言い出すのは韓国の政権がどうにもならなくなっていく兆しの一歩目です。 順調に道を踏み外しているってわけですよ。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 サッカー韓国代表がW杯で敗退→イ・ジェミョン大統領「無能を指揮官に選んだからだ」→韓国国民「ホン・ミョンボのせいだ!」……そもそも弱いからでは? 」となっています。 また、楽韓noteメンバーシップを開いています。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 マガジンから移行していただけるようお願いします。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…