運動すると食欲は抑えられる、という研究結果 運動すると食欲は抑えられる。 週末の夕方、ちょっと小腹が空いたタイミングでジョギングに出かけ、帰ってきたらアラ不思議。食欲がきれいさっぱりどこかへ消えちゃった。 そんな経験はないだろうか。でも、考えてみたら辻褄が合わない。運動でエネルギー消費したわけだから、カラダは欠損分を食事で補おうとするのでは? 運動医科学の専門家、森谷敏夫さんに疑問をぶつけると、「食欲は何もしていないときの方が強く感じます」という。「ラットの実験で適度に運動させたグループよりもまったく運動をしないグループの方がエネルギー摂取量が多く、体重も重いという報告があります。運動をすると、むしろ食欲は抑えられるのです」との答え。食欲の中枢は脳の視床下部にある。脂肪細胞や消化器から分泌されるホルモンなどの情報が中枢に届けられることで、食欲が増減することが分かっている。原因は「ホルモン」。たとえば、脂肪細胞由来のレプチン、腸管由来のPYYやGLP-1というホルモンが視床下部の満腹中枢に働きかければ食欲は低下する。胃から分泌されるグレリンが摂食中枢に働きかければ食欲が増すという具合だ。「こんな報告もあります。被験者に有酸素運動レベルと高強度レベルの運動を1時間行ってもらった後、ブッフェスタイルの食事で好きなものを食べさせる。すると、運動前に比べて食欲増進ホルモンのグレリンが一時的に減り、PYYやGLP-1といった食欲抑制ホルモンが増えて、食事によるエネルギー摂取量が減ったというものです」ジョギングに出かけて戻ってきたとき、カラダの中でこうしたホルモンの増減が起こっていたわけだ。…