スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を、坂口志文・大阪大特任教授など3名に授与すると発表しました。日本のノーベル賞受賞は、昨年平和賞に輝いた、日本原水爆被害者団体協議会に続いて2年連続。個人での日本のノーベル賞は、2021年に物理学賞を受賞した、真鍋淑郎氏に続いて29人目(うち米国籍は3人)で、生理学・医学賞では2018年の本庶佑氏に続き6人目となります。坂口さんたちは2003年、制御性T細胞(Tレグ)が、自己免疫疾患を引き起こすことを示唆する強い証拠を見つけ、アメリカの科学誌「サイエンス」に発表。マウスで自己免疫疾患を引き起こす原因遺伝子として知られていた「Foxp3」が、Tレグが機能する上で非常に重要となることを示しました。制御性T細胞は免疫のブレーキ役で体内の警備員ともいわれ、がん細胞の増殖やアレルギーなどの自己免疫疾患に関与しており、制御性T細胞を使った治療薬の開発に向けて、製薬各社が動いている状況です。坂口教授は30年以上前にその存在に気づきましたが、Tレグのように免疫反応を抑制する細胞の研究は、免疫学のコミュニティーから一度否定されており、当時の常識を覆すその考えに、世界の研究者の目は冷ややかでした。アメリカで研究を続けた坂口教授ですが、当時はスタッフを雇う金銭的な余裕がなかったため、実験に必要なマウスの世話を妻の教子さんと続けました。周囲からは「時代遅れの研究」との声が聞こえる中でも、「観察しているものが正しい」という信念で実験を続けたそうです。世界から否定されても、自身の信念を貫き通し、人類に貢献した坂口教授の偉業は中国でも大きく取り上げられ、コメント欄には称賛と羨望の声が相次いでいました。その一部をご紹介しますので、ご覧ください。「日本の勢いが凄過ぎる!」 ノーベル賞受賞者数ランキング120年の推移が話題に…