「指導者のほとんどが明日はわが身と感じているんじゃないですか」広陵の“暴力事案”が甲子園出場監督に与えたショックと覚悟「2年半は親代わり。選手1人1人のシグナルを見逃さない」 ~中略~ 就任7年目にして大阪桐蔭を決勝で破り、東大阪大柏原を甲子園に導いた土井監督も慎重に言葉を選びながら口を開いた。 「指導者のほとんどが明日はわが身と感じているんじゃないですか。私立の強豪校だろうが、普通の公立校だろうが、いじめや暴力事件は、起こり得る。生徒のことを365日、24時間目配せするのは無理だし、ときに子どもの行動は予想を超えてきますしね」 他人事とは思えない。これは指導者側としての偽らざる本音だろう。・未完成な子どもをたくさん預かって指導している人にとってはしんどい案件だと思います。・高校野球が密室化しやすいのは、別のチームに移籍をすることが容易ではなく、理不尽なことでも受け入れないと不利になる、ということがあるのではないですか?昔に比べて、子どもたちのあいだの上下関係、支配関係は指導者からは見えにくくなっています。指導者が責任をもつのには限界があります。…