1: ネギうどん ★ dAx6OFbh9 2025-10-07 14:00:39 勤勉な日本人が、なぜ貧しくなったのか。労働生産性はG7最下位、ジェンダー平等も最低水準にとどまる。フランスで暮らす作家・林巧さんは「毎日利用しているパリの地下鉄やバスで目にする『車内風景』に、その答えのヒントがある」という。現地からリポートする――。 パリの地下鉄には「自由」と「ざわめき」がある 毎日、パリ市内をメトロ、バス、トラムで移動していて、それが日常になると車内風景が日本とは全く違うことに気がつく。 スマホで通話している人はいつもいるし、乗り降りに苦労する大きな手荷物や電動キックボード、自転車を持ち込む人もいる。飼い犬を連れて乗る人も多く、通路を塞ぐような大型犬でも遠慮なく連れてくる。一方、スマホをみる人だけでなく、紙の分厚い本を読んでいる人も必ずいて、そのうち半分くらいはフランス語でロマンと呼ばれる長編小説を読み耽っている。 白人、黒人、アジア人が入り交じって、車内にはある種の緊張感がある。他人と微かでも接触すると、必ず「パードン(ごめんなさい)」と挨拶する。老人や幼い子連れにはお互いの人種を問わず即座に席を譲り、赤ちゃんを乗せたベビーカーの乗降ではドアに近いところにいる人が必ず手を添えてサポートする。 人のファッションや髪型のセンスも千差万別で、車内はいつもわさわさとして、何かが聞こえ、ものごとが動いている。しんと静かで、皆一様の気配でものごとが止まってみえる、日本の車内とは決定的に異なっている。フランスと日本とのこの違いはどこからくるのか。 フランス人は「長く休んでも生産性が高い」 一定時間あたりの労働で経済価値がどれだけ生み出せるかを測る労働生産性という概念があり、G7の7カ国で比較すると、日本は50年間ずっと最下位で、6位になったこともない。1位を長い間、保ってきたのがアメリカで、そのアメリカを凌いで1位になったことがあるのはフランスとドイツの2カ国だけである(日本生産性本部 参照)。 フランスもドイツも日本とは違って“定時で帰る”国だが、有給で取れるヴァカンスでは7~8月に集中して4~5週間、連続でとるフランスに分があるようにみえる。つまり、フランスはそれだけ長く休んでもG7で1位になれるだけの労働生産性を培ってきた。 2023年の労働生産性(1時間あたりのGDP)をみてみると、日本は56.8ドルでフランスは92.8ドルである。少し差があるというレベルの違いではない。日本の労働生産性はフランスの半分よりも少し大きい(61.2%)という圧倒的な差が生まれている。 (略) 男女別の更衣室も、ブラック校則もない この夏、パリで何カ所もの市民プールに出かけてよく泳ぎ、ソラリウムと呼ばれる屋外エリアでからだを焼いた。 フランスのプールの更衣室は日本と違って男女にわかれていない。大きな更衣室フロアがあって、そこに並ぶ個室のひとつで男も女も着替えをする。男女別更衣室の“男の入室禁止(あるいは女の入室禁止)”がない。 (略) 高い生産性とジェンダー平等を支える“自由”の文化 労働生産性の向上が目指すのは、豊かで幸せな暮らしだ。ジェンダーバランスの均衡が目指すのも、すべての人たちにとっての、豊かで幸せな暮らしだ。 それはおそらく禁止と強制からは生まれない。そして責任のある自由が大きくかかわってくる。労働生産性の指数も、ジェンダーバランスの均衡の指数も、世界で最上位層に位置する国の多くは、目下のところ、北欧の諸国とアイスランド、アイルランドである。 前スレ…