中間業者が変わり警備員の半分が解雇に……「10年間勤めた職場から理由も知らされずに追い出される」(ニュース1・朝鮮語) 3日、ニュース1の取材を総合すると、最近ソウル九老区のあるマンション団地の警備を担当する用役業者が変わる過程で、既存の警備員35人のうち15人が契約満了で職場を離れた。 新しい業者は先月26日、既存警備員全員に対する面接を行い、この内20人だけを継承して雇用することに決めたことが把握された。 面接は警備員の名前を聞き、履歴書に書かれた内容を確認するレベルで行われたという。 この過程で業者は班長級警備員2人に面接結果を通知し、個別警備員にはどんな便りも知らせなかった。 脱落した警備員の一部は契約が満了する前日の29日になって同僚を通じて再契約不可の便りを知ることになった。 該当アパートで10年以上勤めた警備員A氏は「何の理由も聞けないまま追い出され悲しい」として「突然クビになると今後どのように生きていかなければならないのか途方に暮れる」と長いため息を吐いた。 A氏のほかにも、再契約に失敗した警備員の大半が60代以上の高齢で、急に収入が途絶えると、途方に暮れる状況だ。 彼らの一部は、月30万ウォン前後の基礎年金のほかには生計手段がないという。 (中略) しかし最近、裁判所は既存勤労者の雇用継承権利をより幅広く認める判断を下している傾向だ。 5月29日、ソウル行政裁判所はアパート警備用役業者が変わっても「雇用継承に関する期待権」が認められると判断した。 (中略) 該当事件で新しい用役業者は既存警備員8人の内、自ら退職した1人を除いて6人だけを雇用した。 この過程で1人が再契約に失敗した。 当時、業者は特別な書類審査はなく、簡単な面接だけを経て警備員を採用した。 また、業者が変わっただけで、業務の内容と性格はそのままだった。 裁判所はこのような事情を考慮すれば既存警備員が雇用継承がなされると認識するのに十分であり、雇用継承に関する期待権が認められるので1人だけを採用しなかった決定が不当だと見た。 (引用ここまで) 何度かお伝えしている定番コンテンツとなっている韓国警備員哀歌。 マンションの警備員は韓国の高齢者にとって、「最悪の中では最良の選択肢」なのです。 少なくとも「雇用されている状況」ではありますからね。 12時間労働で実質休みなし。 住民から用があれば休憩時間中でも呼び出される。 常に住民からの視線を気にしながら働かなくてはならない、なんてレポートが上がっています。 「上からも見守って」「夜もゆっくり眠れない」···同じ労働他の苦情の警備員(アジア経済・朝鮮語) ただ、雇用側からしてみたら韓国の高齢者なんて湧いて出てくるくらいのもの。 冒頭記事は中間業者が変更されたために、35人いた警備員を20人残して残りは解雇とした……というもの。 警備事業を継承した中間業者は「とりあえず減らしてみた」のでしょうね。 「20人くらいでもやれるんじゃね?」って感じで。 最低賃金も上昇していますし、まあ一回減らしてみようと。 ダメだったらまた募集して雇用すればいいから。 だって高齢者なんていくらでもいるからね、ってところでしょう。 人の心ないんか、とも思いますが。 でもまあ、本当の意味で「代わりならいくらでもいる」状況ではある。 なので「警備員室にエアコンをつけてほしい」って要望すらできないわけです。 勤務評定に響いて、3ヶ月ごとの雇用が揺らぐので。 あ、ちなみに「3ヶ月ごとの雇用」が建前なので、冒頭記事のように10年勤めていても退職金はありません。3ヶ月雇用が40回続いただけですからね。 「高齢者をいたわる儒教の国」ですなー。 note.comで楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 中味は長編記事。最新の記事は「 「スマホ向き」「分業体制」「フルカラー」……で、そのウェブトゥーンは面白いですか? 」となっています。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…