<韓米FTAはどこへ>消えた13年の無関税…米「関税成績表」により復活の可能性(中央日報) トランプ米大統領が設定した8月1日の期限を目前にして韓国は劇的に関税交渉を妥結させた。競合国である日本と欧州連合(EU)は米国との関税交渉を妥結しており、「他国より不利ではないように」という交渉目標を設定した韓国の新政権は秒読みに追いやられた。妥結しなければトランプ大統領が一方的に通知した25%の相互関税をそのまま向き合わねばならない運命だった。血がにじむような時間的圧迫の中で韓国が確保した相互関税15%、自動車関税15%は、日本とEUより不利なものではないが、韓米自由貿易協定(FTA)のおかげで韓国がこの13年間米国市場で享受してきた0%の関税は失われた。韓米FTAはこのまま失われるのだろうか。 (中略) 韓米FTAは左派政権が始めて右派政権が完結させた合同作品だ。盧武鉉大統領は自身の支持者が街頭に繰り出し亡国的な韓米FTA交渉を中断しろという猛烈な反対にも最後まで交渉を推進した。彼が終えられなかった宿題を引き継いだ李明博(イ・ミョンバク)大統領もやはりすべてを懸けなければならないほど危険な瞬間に向き合った。政権初年度、米国産牛肉輸入反対ろうそくデモで国が割れた。崖っぷちの危機に陥りながらも李明博大統領は韓米FTA完成をあきらめなかった。牛肉問題を解決したら自動車が行く手を阻んだ。「韓国は数十万台の自動車を米国に輸出するが、米国が韓国に売る自動車はせいぜい4000~5000台にもならない」と韓米FTAを押し進める米国のオバマ大統領を相手にしなければならなかった。2010年12月、自動車分野の追加交渉が妥結した。 韓国内の批准過程は肉弾戦だった。国会の批准手続きは最初から最後の段階まで怒鳴り合いと小競り合い、暴力で汚された。最後の関門である本会議批准同意案の採決の場では催涙弾が放たれた。2011年11月22日は韓国国会が憲政史上初めての催涙弾テロを受けた日と記録された。そして2012年3月15日、韓米FTAが発効した。 (中略) そんな韓米FTAの巡航に立ちはだかったのがトランプ大統領だった。規範に基づいた自由貿易を、米国を蹂躪(じゅうりん)し労働者の人生を奈落に落とす悪魔だと宣伝してきたトランプ大統領にFTAは嫌悪の対象だ。トランプ大統領は第1次政権当時に韓米FTAを破棄すると脅した。韓国政府は交渉のテーブルに再び座り、ピックアップトラック輸出関税の無関税化日程を延期しFTAを守るのに成功した。だが第2次トランプ政権で押し寄せた「関税津波」は韓米FTAを無用の物にした。 (引用ここまで) 米韓FTAが実質的に終焉を遂げました。 まあ、何度か書いていますがトランプ大統領を産んだのはこの米韓FTAであるってのも事実。 当時、韓国側のFTA交渉団にキム・ヒョンジュンがいまして。 「意外とアメリカは韓国の市場開放に踏みこんでこない」と判断して、さらに無関税となる分野を広げていったとの話をしています。 キム・ヒョンジュンはその後、ムン・ジェイン政権下で外交を一手に牛耳っており、GSOMIA破棄宣言を主導したともされています。 そのキム・ヒョンジュンは現在の大統領室安保特別補佐官です。イ・ジェミョン政権の外交方針はこいつが決めているのだろうなぁと楽韓さんは考えています。 結果としてどのようなことが起きるかはこちらのnote記事で解説していますのでそちらもどうぞ。 いまのところ表には出てきていませんが、まあ日韓首脳会談、米韓首脳会談くらいからぽつぽつ顔を出してくるんじゃないかな。 トランプ関税で実質的に消滅した米韓FTAですが、その一方で先日あった「日本は関税が15%になったのではなく、2.5%に上乗せされた17.5%だ」って騒動の時に、韓国メディアは喝采を上げていました。 相互関税の現実化…韓国・EU15%、日は「混線」(ニューシス・朝鮮語) 「日本の足下に火がついた!」と大喜び。 ま、実際には赤澤大臣が訪米して「15%になるのが正しい。17.5%を取ったものに対しては還付される」と言質を取ったことで一段落。 米関税措置 “大統領令 適時修正と説明” 赤澤経済再生相(NHK) この後には「ちっ、15%になるのかよ」と総じて舌打ちをするような記事が連発されていました。 「自分たちはFTAを結んでいたのだから特別扱いされるべきだ」って意識が前に出てて面白いですね。 note.comで楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 中味は長編記事。最新の記事は「 「スマホ向き」「分業体制」「フルカラー」……で、そのウェブトゥーンは面白いですか? 」となっています。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…