緒方孝市が分析する広島の急失速 昨シーズンの終盤と成績は似ているが「内容は違う」 ――9月11日の巨人戦での逆転負けが悪い流れを加速させてしまった? 緒方 あの負けでリーグ優勝が遠のき、モチベーションや集中力の維持が難しくなったのか、精彩を欠いたプレーが目立つようになりました。目標を見失ってしまうと、そこから立て直していくことは難しくなります。 一方、今年7月の場合は「投打がかみ合っていない」ということ。得点力不足という部分は昨季と共通していますが、今季は新外国人選手のサンドロ・ファビアンとエレウリス・モンテロがいて機能していますし、特にファビアンは、チーム唯一の二2ケタ本塁打をマークするなど期待どおりの活躍を見せてくれています。昨季は開幕早々にふたりの新外国人選手が離脱してしまったことを考えれば、戦力的には充実しています。ケガ人も少ないですしね。 投げるほうでは先ほどお話ししたように、先発3本柱の床田、森下、大瀬良が防御率2点台を維持していてもなかなか勝てない。つまり、投打の歯車がかみ合っていないというのが現状でしょうね。逆にいえば、歯車がかみ合えば勝機を見出せるのでは? というのが今の状態だと思います。 ――ちなみに、今季はビジターで大きく負け越してしまっています(15勝31敗2分け)。 緒方 興味深い現象ですよね。広島だけでなく、DeNAや巨人、中日もホームで勝ち越して、ビジターでは大きく負け越しています。(全文はリンク先) ・開幕当初は首位を覗っていたチームが、ある時期を境に急に失速、これって技術的問題なのだろうか。況してや精神論で克服出来る事だとも思えないけど。それが二年連続でこう言う事が起きている。もうこれは球団自体に問題提起されている現象だと思うし、プロ球団と言えどもプレイ環境を改善しないと、これに気付いた他球団との差が開くばかりの気がする。…