転載元: それでも動く名無し 2026/07/23(木) 07:38:56.07 ID:iEs/diTXM 直樹さんは退職後に旅行へ行き、語学を学び、長く中断していた音楽も再開すると話していました。浩司さんも最後には、「自分で築いた金なら、自分で決めればいい」と受け入れました。 ところが、退職から3ヵ月後。連絡が途絶えがちになったことを心配し、浩司さんが長男の部屋を訪ねると、想像していた生活とは違う光景がありました。 昼過ぎまでカーテンは閉じられ、テーブルには弁当の容器が積まれていました。直樹さんは伸びた髪のまま部屋着で現れ、開口一番、「今日、何曜日だっけ」と尋ねたのです。 「旅行や勉強をしていると思っていた。ところが、昼夜が逆転して、ほとんど外にも出ていなかったんです」 浩司さんは、その姿を見て言葉を失いました。 退職直後、直樹さんは解放感に満たされていました。目覚ましをかけずに眠り、平日の昼間に映画を見に行く。会社から連絡が来ないだけで、心が軽くなったといいます。 しかし、1ヵ月ほどで外出は減りました。 旅行は宿泊費が惜しくなり、語学講座も「無料の動画で十分」と申し込みませんでした。友人の多くは平日に働いており、予定も合いません。最初は好きだった一人の時間が、次第に持て余す時間へ変わっていきました。 さらに、運用資産の評価額が一時100万円単位で減りました。売却しなければ損失が確定するわけではありません。それでも直樹さんは、一日に何度も価格を確認するようになりました。 「会社員のころは給料が入ったから、下がっても買い増せた。でももう収入がないと思うと、数字が減るだけで怖くなった」…