中国「韓国には原潜は必要ない……」「大国になろうと挑戦するのか」(MBN・朝鮮語) 中国の軍事アナリスト、宋忠平氏は22日に報道された国営グローバルタイムズとのインタビューで、韓米両国が核潜水艦の建造やウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理など、首脳間の合意履行に向けた分野別協議を来年から同時に進めることにしたとするメディアの報道に言及し、「核不拡散に深刻な脅威になり得る」と主張しました。 これに先立ち、ウィ・ソンラク大統領室安保室長は16~17日(現地時間)、アメリカのワシントンDCで米国務長官兼国家安保補佐官らと会談したあと、首脳会談の合意履行の観点から来年から分野別協議を開始することで韓米間で一致したとしました。 宋忠平氏は、「アメリカはオーストラリアとのオーカス(AUKUS=アメリカ・イギリス・オーストラリア安保同盟)原子力潜水艦プログラムを通じて悪しき先例を作り、韓国でも類似の事例が現れている」としたうえで、「アメリカが一部の同盟国に自国の核技術と核燃料の使用を認めることは、必然的に核兵器不拡散条約(NPT)を損なうことになるだろう」と主張しました。 中国専門家のこうした主張は、韓国の原子力潜水艦保有がアメリカの対中国牽制戦略に韓国をより深く組み込む契機になり得るという認識とつながっています。 中国の立場からは、北東アジアでアメリカの海軍力の影響力が拡大することに対する構造的な懸念が背景にあるという分析が出ています。 宋忠平氏はまた、「日本もやはり原子力潜水艦保有計画を浮き彫りにしているだけに、原子力潜水艦をめぐる軍備競争が触発される恐れがある」とし、「原子力潜水艦保有国が増えるほど、核技術流出と核事故の危険も大きくなる」と述べました。 韓国は原子力潜水艦は必要ないという主張もしました。 宋忠平氏は「韓国は海洋国家だが、海岸線が制限的なので、原子力潜水艦を運用する実質的必要が大きくない」とし、「核軍備競争は平和と安定を害するだけ」と付け加えました。 それとともに「韓国がいわゆる強大国になるために核推進潜水艦を利用して他国の利益に挑戦するのではないか疑問」としたと、グローバルタイムズは伝えました。 (引用ここまで) 中国が韓国による原潜取得の動きに警鐘を鳴らしている、とのニュース。 グローバルタイムズ、環球時報は中国の国営英字紙ですね。 つまり、基本的には中国政府、共産党の意向をそのまま反映した記事が掲載されるのです。 ちなみに当該記事がこちら。 Chinese expert warns proliferation risk as South Korea, US plan consultations on nuclear-powered submarines next year(Global Times・英語) まあ、かねてからイ・ジェミョンは「北朝鮮や中国の原潜に対抗するには、韓国も原潜取得しなければならない」としていましたからね。 これはトランプ大統領との米韓首脳会談でサプライズ的に発言した際の言葉。だからこそ、実際の気持ちが透けているわけです。 「北や中国側の潜水艦…」と言いながら原子力潜水艦を説得した李在明大統領…「特定国家を指すものでない」収拾(中央日報) その後、「特定国家を指すものではない」とか言い訳していましたが。 これ、基本的にはTHAADミサイル問題と同じなんですよね。 韓国がいくら北朝鮮に対応するものだと言ったところで、実際には中国にも向かっているものになるのです。 中国はあからさまにTHAADミサイル配備について圧力を加え続けていて、事前に「配備されれば中韓関係は一瞬で破壊されるだろう」まで発言していました。 なので、ムン・ジェイン政権が6基のランチャーを備えたTHAADミサイルの配備を認めた際に、「中韓関係は破壊された」と見なして韓国に圧力を加えて「三不一限」を実現させたのです。 中国にしてみれば「韓国が主権放棄するのは当然」くらいの気分だったわけですよ。 それと同じことが今回、韓国の原潜取得でも起きようとしているのです。 まあ、原潜取得が順調にいったとしても実際の調達は次政権以降になるでしょうから、中国の圧力に直面するのはその頃になるんですけどね。 さて、イ・ジェミョンは果たしてこうした中国側の圧力に耐えられるのか。 来年早々にもイ・ジェミョンが訪中して中韓首脳会談を調整しているとのことですが。 韓国大統領、年明け訪中調整 同時期に日本も(時事通信) その際になにを言われるか。どんな扱いになるのか。 ムン・ジェインのように扱われるのか。ちょっと楽しみにしておきましょう。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 中国の戦狼外交に揺るがない高市政権、主権を放棄してしまった韓国……その悲しき実例を見てみよう 」となっています。 また、楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…