1: 七波羅探題 ★ qTp77gJt9 2025-11-15 08:09:59 定年は、人生における大きな節目。 特に現役時代を仕事中心に過ごしてきた男性にとって、退職後に「居場所がない」と感じる問題は深刻化しているようです。 ある男性のケースをみていきましょう。 ■毎日の日課は図書館通い…定年夫の戸惑い 大手メーカーで働いてきた木村修さん(63歳・仮名)。 60歳の定年で手にした退職金は2,700万円ほどだといいこれを機にきっぱりと仕事人生に区切りをつけました。 「再雇用の道もありましたが後進に道を譲るべきだと考えましたし、なによりも体力的な不安もありました。 退職金も人並み以上にもらうことができたし老後の蓄えは十分にあるつもりでした。 経済的な心配はありませんでした」 退職当初は現役時代は難しかった長期の旅行に妻・洋子さん(仮名・62歳)と行くなど、定年生活を存分に楽しんできましたがそんな非日常をいつもしているわけには行きません。 次第に時間を持て余すようになりました。 「趣味という趣味もなくて」と木村さん。 そこで目をつけたのが近所の図書館でした。 「朝、開館と同時に入館しまずはすべての新聞に目を通す。 経済紙からスポーツ紙まで。現役時代からの癖ですね。 それが終わると雑誌コーナーで週刊誌を読みふける。 昼は自宅に一度戻るか近くの蕎麦屋で済ませます。 午後はまた図書館で新書や歴史小説を読み夕方に帰宅する。 ほぼ毎日、この繰り返しです。どんなにいても、無料ですからね」 この数ヵ月で読んだ本は数え切れないといい、この年になってさまざまな知識を吸収することに充実感を覚えていたそうです。 そして何より、妻・洋子さんとの間に流れる気まずい空気を回避するのにも図書館通いはもってこいだったといいます。 「家に一日中いると妻がイライラしているのが伝わってくるんです。 私がリビングでテレビを見ていると、掃除機をかける音がやけに大きかったり、ため息をつかれたり。 私も手伝おうとしたんですよ。しかし『余計に時間がかかるからやめて』と……」 居心地の悪さを感じ図書館を避難場所にしていた木村さん。 しかし、そのささやかな居場所でさえも、脅かされる事態が起きます。 先日、洋子さんから真顔でこう告げられたのです。 「あなた、毎日図書館に行くの、やめてくれない?」 理由を聞くと「近所の人に木村さんのご主人毎日図書館にいらっしゃるわね」と言われて恥ずかしいからだといいます。 「家にいたらいたで『どこか行ってくれないか』というオーラを出され、やっと見つけた居場所でさえ、行くなと言われる。 どうしたらいいんですかね、私は……」 株式会社ハルメクホールディングス/ハルメク 生きかた上手研究所が全国の50?79歳・既婚の男女600名を対象に実施した『夫婦関係に関する調査2025』によると、夫婦関係の満足度は68.7%。 男女別にみると、男性69.3%、女性68.0%とほぼ同率です。 調査では配偶者との関係に「満足」「やや満足」と答えた層を「仲良し夫婦」、配偶者との関係に「どちらでもない」「あまり満足していない」「満足していない」と答えた層を「不仲夫婦」と定義づけています。 「一緒に過ごす時間が長すぎる」と感じる時間について尋ねたところ、「そう感じることはない」と回答したのは仲良し夫婦で75.0%、不仲夫婦で37.8%。 夫婦関係が悪いと、時間の長短が不満の要因となることが伺えます。 さらにどれくらいの時間で長いと感じるか尋ねたところ、仲良し夫婦では「5時間以上」が11.4%と最多。 一方、不仲夫婦では「2?3時間半未満」が13.8%と最多であったものの、「1?2時間未満」「30分未満」が10.6%。 当然といえば当然ですが、夫婦仲が悪いと、できるだけ時間を一緒にしたくないと思うようです。 また、内閣府『令和5年度 高齢者の生活と意識に関する国際比較調査』(60歳以上対象)見ると「家族以外の人(友人、近所の人、仲間など)との会話の頻度」について、「ほとんど毎日」と回答した日本の割合は38.7%と、調査対象国(アメリカ71.6%、ドイツ49.4%、スウェーデン71.3%)の中で最も低くなっています。 現役時代を仕事中心に過ごし、地域コミュニティや趣味仲間といった「会社以外のつながり」が希薄だった男性は、退職と同時に社会的な居場所を失いがちです。 その結果、「家庭」を唯一の居場所と捉え、妻との関係に依存しやすくなります。 一方、妻側は、夫が退職した後も、それまで築いてきた仕事先や友人関係、趣味などの「自分の生活ペース」を維持したいと考える傾向があります。 そこに夫が一日中在宅することで、「自分の時間や空間が侵害される」と感じ、夫の存在そのものがストレスになってしまう、ということも珍しくありません。 以下出典先で11.15…