1: 煮卵 ★ T0g6gKQl9 2025-09-05 09:04:37 (前略) ◼労働力激減による労働環境の劇的変化 労働市場の未来予測を、今から15年後の2040年に照準を合わせて考えてみましょう。 今後、日本社会はこれまでにない大きな変容期を迎えることになります。そこには「1100万人の担い手不足」という衝撃的な未来が待ち受けています。 日本の人口は少子高齢化の影響で急速に減少し、特に生産年齢人口(15歳から64歳までの労働可能な人口)の減少が深刻です。生産年齢人口の減少に伴い、労働市場は激しい変化にさらされ、企業の採用環境は劇的に変わろうとしています。 この変化がどのようなインパクトをもたらすのか、そしてそれに対してどのように対策を講じるべきかについて考察します。 労働供給の減少は、多くの企業に人材不足の課題を突きつけることになります。これにより、企業は優秀な人材を確保するために、これまで以上に採用活動に力を入れる必要が生じます。採用力向上と離職抑止が、給与水準を上昇させる圧力となり、結果として人件費が増加します。これに伴い、企業の利益率が低下するリスクもすでに現実化しています。 これまで長期にわたって「買い手市場」であった採用市場は、すでに「売り手市場」に移行しつつあります。特に、ITエンジニアやデータサイエンティストといった高度な専門スキルを持つ人材は、企業からの需要が非常に高く、引く手あまたの状況です。 厚生労働省の統計によると、2040年にはデジタルテクノロジーの領域だけでなく、建設業、医療・福祉、農業など幅広い分野で大規模な人材不足が予想されています。特に介護分野では、すでに2020年の時点で約30万人の人手が不足しており、2040年には70万人以上にまで膨れ上がると予測されています。AI技術者やデータサイエンティストといった専門職の年収は、現在の平均800万円から、2040年には1500万円を超える可能性があります。 その一方で、自動化やAIの進化により、単純作業や定型業務の多くは機械に取って代わられ、定型業務労働者の需要は減少していきます。世界経済フォーラムの報告書によれば、2025年までに現在の職業の52%が自動化される可能性があるとされ、日本でも製造業やサービス業を中心にこうした影響が見込まれます。これにより、定型業務労働者は低賃金職に就かざるを得なくなり、長期的には「買い手市場」に取り残されることになります。 介護分野では、厚生労働省の予測によると、2040年には約69万人の人材が不足するとされています。対照的に、事務職や製造業の単純労働は自動化が進んでおり、求人は減少し続ける見込みです。また、農業では担い手の高齢化が顕著で、就業者の平均年齢は現在67歳を超えており、次世代継承問題はすでに時間切れが迫っています。 さらに、都市部と地方での地域間格差も拡大します。総務省のデータによれば、2040年には東京圏の人口が日本全体の30%を占め、地方の人口は急速に減少する見込みです。若者が都市部へ流出し、地域の経済や産業が停滞することで、地方での就職機会が減少します。 また、労働力不足を補うために、外国人労働者の受け入れはさらに拡大する方向です。 法務省の統計によると、2021年時点での外国人労働者数は約172万人でしたが、2040年には300万人を超える可能性があり、特にITや介護分野でその存在感が強まると言われています。 この流れの中で、日本の人材サービス業界が産業としてどんな役割を引き受けるのかが注目され始めています。 ※この記事は『2040年の人材ビジネス大予測』(黒田真行、神宅謙一郎/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。 全文は↓ [ITmedia ビジネスオンライン] 2025/9/5(金) 8:50…