【社説】「三権分立消えるだろう」という韓国裁判所の警告(中央日報) 韓国与党「共に民主党」が3日夜に国会法制司法委員会で内乱専従裁判所設置法案と法歪曲罪を新設する刑法改正案を通過させた。両法案は単純な政治争点を超え司法の独立と存在理由を揺るがしかねない事案だ。 5日に開かれた全国法院長会議でもこの問題が議論された。法院長らは会議後に報道資料を出し「裁判の中立性と公正な裁判を受ける権利を本質的に侵害し違憲性が大きい。これによって裁判遅延などの混乱がもたらされる恐れがあり深刻な懸念を表明する」との立場を明らかにした。法院行政処の千大燁(チョン・デヨプ)処長(最高裁判事)は3日の国会法政司法委で「87年憲法下で享受してきた三権分立、司法府独立が歴史の裏側に消えかねない」と警告した。千処長は「特定の個人や事件を対象にする処分的法律が原則的に許容されないように処分的裁判所構成も許容されないというのが先進司法の基本原則」と強調した。内乱事件だけ担当する裁判所を政権が設計し人選に介入する構造はこの原則に正面から逆らう。 (中略) ここに民主党は、内乱外患事件に対しては違憲法律審判が推挙されたとしても裁判をそのまま進め、憲法裁判所は推挙後1カ月以内に結論を出さなければならないという憲裁法改正案まで発議した。これもやはり違憲的要素が多い。特定の目的のためにできるだけ法律を作るというのは立法暴走と言うほかない。 民主党が特別裁判所に固執するのは、結局「好みに合う」判事を選んで使いたいという疑いを避け難い。野党ではこの法律が「尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の1審裁判長である池貴然(チ・グィヨン)判事を替えるための法律」という批判が出ている。特定の判事が気に入らないからと法律を作って裁判所を交代する慣行が定着すれば、次はまたどんな「特別裁判所」ができるかわからない。 法歪曲罪も同じだ。この法は判事・検事と捜査機関従事者が意図的に法を誤って適用したり事実関係を顕著に間違って判断した時に10年以下の懲役に処すようにする。しかし「法を誤って適用した」という基準はどこまでか。ここに民主党は非裁判官が多数を占める司法行政委員会に裁判官人事権を渡す法案も発議した。こうした一連の動きは「司法改革」ではなく執権勢力の司法統制の試みにすぎない。 (引用ここまで・太字引用者) おお、すげえな。 中央日報が社説で「内乱特別裁判所の設置と、法歪曲罪は違憲だ!」って述べているのですが、そうしたメディアの批判を与党・共に民主党は馬耳東風で受け流しています。 内乱特別裁判所の設置についてはこちらのエントリを参照。 法歪曲罪は「裁判官が法を歪曲して無罪判決等を出した際に、10年以下の懲役刑を科す」というもの。 少なくとも「先進国」とされている国でこんな法律がある国、ちょっと知らないですね。 途上国でもあるのかどうか。名目上だけでも「司法の独立」は謳っていますからね。 裁判官の行動に対して行えるのは「弾劾」くらい。 弾劾についてもかなりハードルは高いものとなっています。 それくらい「司法の独立」は民主主義国家として必要とされるものなのですよ。 まあ、韓国では「三権分立には序列がある」ってイ・ジェミョン大統領自ら言ってしまうくらいなので。 互いに牽制しあうって話ではない模様。 ムン・ジェイン政権時代には徴用工関連の判決について、「行政は司法の判断に関与できない」とか言い出していたのですが。 あれはどうなったんですかね。 かように韓国では政権交代があると三権分立の形、根本すら歪められるってわけです。 そして韓国では誇らしげなK三権分立が確立されようとしているわけですよ。 「戒厳令を破った韓国の成熟した民主主義」とか言ってた連中は全員、うちに三跪九頭叩するに値しますね。 戒厳令発令と同じことを違うベクトルでやっているだけですよ、これ。 「内乱裁判については憲法裁判所に訴えられても、裁判そのものは進行し、憲法裁判所は1ヶ月以内に結論を出さなければならない」って法律も用意されている、と。 いやはや、戒厳令発令で韓国の民主主義は死に、なんとか復活こそしたもののまた死のうとしているわけです。 K民主主義、K三権分立の爆誕ですよ。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 迷走と株価乱高下を繰り返すウェブトゥーン、明日はどっちだ?(ないかも) あ、今回は個別コンテンツにも触れます 」となっています。 また、楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…