「予約ほぼ無理」 不正乗車1日平均1460件の韓国高速鉄道に乗ってみた(朝鮮日報) 11月14日午後6時24分、水西発釜山行きSRT359号。乗務員が通路に立っていた10人の乗客の乗車券を確認し始めると、まずは30代の男性が近づいてきて「東大邱まで行くのに、切符が手に入らなくて」と言ってきた。当時、車内は車両間通路まで乗客でごった返していた。乗務員がもともとの乗車券の2倍に相当する7万3600ウォン(約7800円、運賃+追加金)を受け取って立席券を発券すると、隣にいた乗客たちも待ってましたと言わんばかりに財布を取り出し始めた。50代の会社員のイさんは「2日間、前売り乗車券を購入しようとSRTのアプリに何度もアクセスしたものの、乗車券は手に入らなかった」とし「家(釜山駅)には帰らなければならないため、お金をもっと上乗せする覚悟でひとまず乗車した」と理由を語った。 記者が水西駅から五松駅まで移動する間の約1時間、このように立席券を発券した乗客だけでもざっと30人に上った。 (中略) KTXやSRTなどの高速列車の乗車券がなかなか手に入らないことから、乗車券なしで「ひとまず乗車する」不正乗車が歴代最多水準に上っている。 (中略) 不正乗車の手口もさまざまだ。11月20日午後2時33分、ソウル駅を出発した浦項行きのKTXでは、乗務員に対して「自主的に申し出たので、立席券を少し安くしてほしい」と交渉する乗客も現れた。このほかにも、トイレに隠れていたのが見つかって「突然おなかが痛くなって言い出せなかった」という「言い訳型」、「座席が足りないのは鉄道運営会社の過ちなので運賃は払えない」という「盗っ人たけだけしい型」、他の時間帯の乗車券を購入して列車を間違えたふりをする「演技型」などの乗客がいるという。 (中略) 特に京釜線と湖南線が共に線路を共有する「平沢駅から五松駅」までの区間が飽和状態となっているのが最も大きな原因だ。現在、同区間は5分間隔で列車が通過するほど飽和している。新しい列車を用意したとしても、追加で投入するのは困難な状況だ。現在同区間に対する追加の線路工事を進行中だが、完工は2028年の予定だ。 (引用ここまで) 韓国の高速鉄道はすべて予約席となっていまして、立ったままの乗車は原則としてできません。 なので通勤等で使われる時間帯はもう予約合戦がひどいことになっているとの話。 それでも増便はできないんですよね。 記事中にあるようにソウルから釜山、ソウルから木浦に向かう路線が途中まで共有されているので完全にチョークポイントになっている。 当初から「便数増やすのにここはまずいのでは……」ってされていたのですが、コストを削減するために共有で行くって決定されてしまい、そのままずるずるとこんなことになっていると。 結果、不正乗車が多発しているのですね。 「高速鉄道に不正乗車……?」って思う人もいるかもしれませんが、韓国ではプラットホームへの出入りは完全に自由となっています。 こっから先が高速鉄道なんですが、出入り自由(笑)。もちろん、勝手に列車の中にも入れます。 紙詰まり等でまともに運営ができなかったので改札を撤去していますからね。 なので乗ろうと思えばいくらでも乗れる。 乗客側も「倍の料金払ってもこの列車に乗りたい」ってなっている。 結果、かつては1日に500件の不正乗車があったものが、いまでは1460件を超えるようになった……と。 システム設計がちゃんとできなかったからですわ。 高速鉄道敷設でも、韓国の「雑」は活きている、ってことです。 note.comで楽韓noteを開設しています。中味は楽韓Webを濃厚に仕立てた長編記事。最新の記事は「 迷走と株価乱高下を繰り返すウェブトゥーン、明日はどっちだ?(ないかも) あ、今回は個別コンテンツにも触れます 」となっています。 また、楽韓noteマガジンを発刊しました。月に6〜800円くらいになる有料記事が全部読めて月額500円。だいぶお得になってます。 Twitterで更新情報をお伝えしています。フォローはこちらから→Follow @rakukan_vortex…