1: muffin ★ Loed+Pt+9 2025-12-03 16:34:28 12/3(水) 15:26 シンガー・ソングライター七尾旅人(46)が3日までにnoteを更新。高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言に端を発した日中関係の悪化にともない、日本のアーティストによる中国公演の延期・中止が相次いでいる状況を受け、あらためて思いをつづった。 七尾は先月20日、自身のXで「高市氏の軽率な自己アピールで、東アジアの安定が大きく損なわれた。その余波は文化交流にも及び、日本人音楽家の中国公演許可が続々取り消しになっている」と言及し、「信頼は相互に時間をかけて紡ぐものだが、壊れる時は一瞬。歴史を乗り越えながら親愛の情を示してくれた隣国の仲間たちに対して申し訳ない」と思いをつづっていた。 今回、noteでは「一体ここは、いつの時代の日本なのだ? 戦時翼賛体制へと後戻りしないために」と題した長文を投稿。先のX投稿に対して罵倒や恫喝のメッセージが自身の元に届いていることを明かした上で、「私のことは良いとして、少し意見を述べただけの同業者が誹謗中傷を超えた脅迫まがいのメッセージを受けとる事態が相次いでいる。しかし公演中止などの実害を受けながらも『(政治的な問題に)口を出すつもりはない』と語った者に対しては『ああ、それでいいんだよ』と侮蔑混じりの賞賛が集まる、なんともグロテスクな状況だ」と、ほかのアーティストの発信に対するネット世論について記し、「一体ここは、いつの時代の日本なのだ?」と嘆きを交えて疑問を投げかけ、「検閲/自己検閲を経て、内心の相互監視にまで至った日本帝国時代の轍を踏まないようにしなくては」と思いを新たにした。 各国政府間の対立が、文化やエンタメに限らず民間交流に負の影響を及ぼし、それぞれの国民が“尻拭い”をしてきたこれまでの歴史を振り返るとともに、今回の件について「まるで文化・エンタメの連中が『わがままを言っている』かのような奇妙な言説が支配的となっているが、今回たまたま私の同業者たちが、戦争の前段階的な表現ともいえる『経済制裁』の経験を、日本社会に向けて最初に伝える役割を担ったに過ぎない」と説明。中国公演の中止などの制裁であおりを食ったのはアーティストやそのファン、関係者だったが、「しかし今後、日本社会のより広範なセクションが甚大な影響を受けた場合も想定し、覚悟すべきだろう。経済制裁の応酬、防衛費の増大、武力衝突、考えたくもないが、自国と相手国のリソース、遂行能力すら勘案せず、同盟国とされている国の真意さえ把握せず、事のプロセスと着地点についてなんらのヴィジョンも持たないまま東アジアの緊張を高め、感情的な煽り合いを加速させてゆくことは、官軍民の大部分が時代を支配する空気に呑み込まれていった先の大戦と同様か、それ以上の惨禍をもたらす。叩きやすいものを相手に誹謗中傷を行なっている人々の生活も、ある段階を超えた時点で、一変することになる」と警鐘を鳴らした。 今回の件で政府への異議を申し立てる人々に対し、威圧的な声も投げかけられている状況に「同じ敵を憎まない者は敵、非国民、売国奴。そうした空気の醸成が平和に繋がると本気で思っているのだろうか。暴力の気配を掻き立て、それを顕在化させて行った先には何が待つのか」と問いかけ、「むしろ、ぜひとも守り抜くべきものを、これまで以上の危険に晒すことになるだろう」と指摘。「なんの正当性もない罵詈雑言に対して詫びたり、口を閉ざしたりする必要はない。君自身の実感に基づいた言葉を、愛するものを大切に」とメッセージをつづった。…