ソーラーシェアリング稲作で収益5倍も 東大教授が提唱「危機打開に攻めの農業を」研究概要: 東京大学大学院農学生命科学研究科の加藤洋一郎教授らの研究グループが、茨城県筑西市の水田で6年間にわたるフィールド実験を実施。 ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)では、太陽光パネルが水田の27%を覆い、食糧(米)と電力の同時生産を目指した。収量と収益の結果: 水稲の収量は平均で23%減少。ただし、発電収益を含む総収益は従来の稲作単作の5倍以上に達する可能性があると試算。 特に雨が多かった2020年と2021年には、収量低下が顕著だった(通常の水田を100とした場合、ソーラーシェアリング水田の収量はそれぞれ約70~80)。品質に関する課題: 太陽光パネルの下で栽培された米は、白濁した「白未熟粒」の割合が増加し、整粒歩合が低下する傾向。 玄米中のタンパク質含量やアミロース含量が増加し、食味が悪化する可能性が確認された。加藤教授の提唱: 低収入や担い手不足、食糧危機の懸念(「令和の米騒動」など)に対応するため、農業は現状維持ではなく「攻めの農業」を展開する必要があると主張。 ソーラーシェアリングは、農地の有効活用と再生可能エネルギー生産を通じて、収益の大幅増加と安定化を図る手段として有効。…