1: 少考さん ★ h0EPHjYH9 2025-08-27 10:30:01 ※弁護士JPニュース 室橋 裕和 外国人・国際 2025年08月27日 09:58 最近のSNSでは、外国人がルール違反や犯罪行為をしている動画を、映っている人を根拠もなく「クルド人」と決め付けて拡散する投稿が多く見られる。 一部の在日クルド人が犯罪に手を染める場合があることも事実だ。一方で、学校に通いサッカーに熱中しながら健全に生きている高校生が、強制送還のリスクと背中合わせの状況にいる現実も存在する。 本記事ではジャーナリスト・ノンフィクション作家の室橋裕和氏が聞き出した、とある在日クルド人高校生の胸の内、そして取材中に起こった強制送還の事例について紹介する(本文:室橋裕和)。 生まれて初めての記憶は入管 少年サッカーチーム「FCクルド」と日本人チームの試合を取材した後日、選手に改めて話を聞かせてもらった。いまは高校生のAさんだが、親に連れられて日本にやってきたのは2歳のとき。 「その頃のこと、少しだけ覚えてるんですよ。入管に行くときの場面だと思うんですけど、車に乗せられてるとことか、入管の建物とか」 (中略) 強制送還されてしまった友人 ところでこの日は、Aさんの友達Bさんも一緒にインタビューを受けてもらう予定だった。しかし、連絡が取れないのだという。電話も出ない、LINEも既読にならない。SNSにも動きがない。取材が終わってもBさんからの応答はないままだ。 「あ、そうだwhooがあったんだ」 位置情報の共有アプリを立ち上げる。登録している友人がいまどこにいるのか、リアルタイムで地図上に表示されるのだ。Aさんの友達のアイコンはほとんどが川口や蕨周辺に密集しているが、Bさんのアイコンは遠く離れた場所にポツンとたたずんでいた。 「え、これどこ」 拡大していくと、それは東京・港区にある東京出入国在留管理局、いわゆる東京入管だった。 「8時間前からここにいるみたい」 どうも収監されてしまったようだ。その後、Bさん一家がトルコに強制送還されたとわかった。 2024年に入管法が改正され、難民申請を3回以上繰り返している人は強制送還される可能性があると明示された。この法律がいま、運用されはじめている。クルド人もちらほらと強制送還される一家が出てきている。 「俺、学校のサッカー部じゃなくてFCクルドに入ったのは、そいつと一緒のチームでやりたかったからなんです」 BさんもFCクルドの選手だったのだ。小学校の頃からの親友だったという。がっくりうなだれながら、Aさんは言う。 「もし俺が強制送還になったら、向こうでは学校に行かないって決めてる。だって高校生のこの歳で、トルコの社会もぜんぜん知らないしトルコ語もそんなにわからないし、小学校1年生とかと同じっすよ。恥ずかしくてたぶん逃げちゃう」 行ったこともない国に「送還」される子供たち。アイデンティティに悩み、苦しむ子供たち。犯罪に走る子供たち。その原因をつくったのは、子供たちの幸せがどこにあるのか考えてこなかった親であり、難民申請という制度を本来とは異なる形で使ってきた人々であり、あやふやな立場の集団を増やし続けてきたこの国の方策だろう。 ■室橋 裕和(むろはし ひろかず) ジャーナリスト、ノンフィクション作家。1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住し、現地誌で10年にわたり取材。帰国後はジャーナリストとして、「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマに活動。現在は新大久保在住で外国人コミュニティと交流しつつ取材を続ける。著書に『カレー移民の謎』『ルポ新大久保』『北関東の異界』『バンコクドリーム』など。 ※全文はソースで。…