1: 樽悶 ★ VRutubGU9 2025-08-23 23:47:39 1985年に起きた日本航空123便墜落事故について、「完全版ボイスレコーダー」と称する動画がXやYouTubeで拡散しています。機長が「2機の戦闘機が追い抜いていったぞ!」「被弾したぞ」「本当に撃ちやがった」などと発言したと主張していますが、根拠不明です。国の航空事故調査委員会がまとめ、全文を公開している事故報告書にそのような発言はなく、拡散した音声でも聞き取れません。根拠なく赤字のテロップが追加されているだけです。 ■検証対象 2025年8月13日、「凄いです、コレ。このVer. は初めて見ました。知らぬ間にここまでボイスレコーダー暴いていたのか」という投稿が拡散した。 8月18日現在、この投稿は2500件以上リポストされ、表示回数は601万回を超える。投稿について「やっと暴かれた」「国は絶対に真実を明らかにしなくてはならない」というコメントの一方で「無音部分に赤字で妄想書いただけ」という指摘もある。 投稿は「【40年追悼】封印された言葉を解き放つ─40年目の真実【日本航空123便御巣鷹山墜落事件】」というYouTube動画を添付している。8月18日現在、この動画は48万回以上再生されている。 ■検証過程 添付された動画は「ボイスレコーダーの全文」と主張 YouTube動画は38分あり、冒頭で「元キャビンアテンダントの凛子」と名乗る女性が自動読み上げ音声で「JAL123便のボイスレコーダーの全文を記した原稿です」「現在出回っているJAL123便のボイスレコーダーとされているものは編集されて継ぎはぎだらけのまがい物です」と説明している。 4分ごろから「123便のボイスレコーダー音声」として、航空機と管制官とのやり取りのような音声が再生される。音声が不明瞭な部分や音が無い部分に「Japan air 123, こちらPhantom X。現在貴機後方を追尾中」「あっ!被弾したぞ!本当に撃ちやがった!」といった赤い文字の字幕がつけられている。ファントム(Phantom)とは、戦闘機を指すと思われる。 ■日航機墜落事故とは 1985年8月12日、羽田発大阪行きの日本航空123便が、群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」と呼ばれる山中に墜落し520人が犠牲となった。単独の航空機事故としては史上最悪の事故となり、2025年で発生から40年になった(NHK.”【WEB特集】御巣鷹 520人に生ける花 日航機墜落事故40年”)。 国の航空事故調査委員会(現在の運輸安全委員会)が事故原因を調べ、1987年6月19日に航空事故調査報告書を公開した。 報告書は、事故の原因について、機体後部の圧力隔壁の不適切な修理によって隔壁が壊れ、流出した与圧空気によって尾部胴体・垂直尾翼・操縦系統の損壊が連鎖的に発生した結果、操縦が難しくなったと推定している(運輸安全委員会.”日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説”)。 報告書の309ページから343ページには、事故後に回収されたCVR(コックピットボイスレコーダー)の記録が秒単位で文字起こしされている(運輸安全委員会.”事故調査報告書(昭和62年6月19日公表)別添6”p.309-p.343)。 機長や副操縦士の会話が記録されているが、「Japan air 123. こちら Phantom X。現在貴機後方を追尾中」「あっ!被弾したぞ!本当に撃ちやがった!」といった会話は書かれていない。 ■赤字部分の根拠は示されていない そもそも、拡散した動画にある赤い文字のテロップ部分は、音声が途切れている。赤字部分の内容をどうやって確認したのか根拠は示されていない。 ■判定 日航機墜落事故のボイスレコーダーは、国の航空事故調査委員会が1987年から現在まで公開しているが、拡散した動画や投稿に書かれた発言はない。拡散した動画にもそのような音声は記録されておらず、根拠を示さずに赤字テロップが追加されているだけだ。よって、根拠不明と判定した。 ■あとがき 日航123便の事故に関しては、これまでにも撃墜説などの根拠なき陰謀論が存在しました。事故から40年となる2025年の節目には、これまで以上に多数の誤情報が拡散しています。 「闇の真相」「マスゴミが隠す事実」などと派手な見出しの投稿を見て、「知りませんでした」「こんな重要なことが隠されていたとは」と反応する人たちもいます。(以下ソース) 8/19(火) 17:56配信 関連スレ 【文春】「自衛隊員2名が射殺された」「火炎放射器が使われ証拠隠滅」…年々盛り上がる「日本航空123便墜落事故」の陰謀論を徹底検証★11…