1: ジオろぐ 2025/08/22(金) 09:15:11.06 ID:NzlfF7P0 日経サイエンス 2025年10月号 人類は大昔から夜空の星々を見つめ,過去数十年にわたって数々の探査機を宇宙へ打ち上げてきた。そのなかで,現在も機能する観測装置を搭載しつつ太陽の影響が支配する宇宙空間を何とか脱した探査機は2機だけだ。 この双子の探査機ボイジャーは外惑星を巡る壮大な旅に出るため,1977年に打ち上げられた。どちらも木星と土星のそばを通過し,ボイジャー2号は後に天王星と海王星ともスイングバイした。以降も2機はさらに遠くへ飛行し,経年劣化と電力供給の低下にもかかわらず,一部の計器は観測を続けている。ボイジャー1号は2004年に「末端衝撃波面」に達して,星間空間へ移動する数年がかりの旅を始めた。ボイジャー2号は2007年に同じ境界を越えた。 それ以来,両機は太陽圏(ヘリオスフィア:太陽風が及ぶ領域)の外縁部とさらに外側の星間空間にあるものを唯一直接にとらえて,私たちに見せてくれている。2機が見つけたものは,太陽圏外縁部と星間空間に関する多くの新たな謎をもたらした。これら象徴的な2機の探査機に残された時間は尽きつつあるが,科学者たちはこの未知の宇宙領域を調べる新たな方法を懸命に探している。 「判明したのは,私たちが太陽圏に関してごくわずかしか知らないということだ」と,ボストン大学の宇宙物理学者オファー(Merav Opher)はいう。「太陽圏は以前に考えられていたよりもずっと複雑で,はるかにダイナミックなのだ」。 まず,科学者が太陽圏について知っていることを要約しておこう。私たち地球の住人から見ると,太陽は遠くにある小さな光の球に思えるかもしれない。これは地球の大気が“防護服”の役を果たして,太陽の危険な悪影響から私たちを守っているのが一因だ。だが実際の太陽はプラズマと磁気が渦巻く塊であり,そこから宇宙空間へ放出された粒子が太陽風となって,何十億kmも離れたところまで及んでいる。太陽風とともに届く磁場も,惑星間空間に影響を与えている。太陽の活動は11年周期で変化しており,太陽圏はこれに応じて拡大・縮小している。 続きは日経サイエンス2025年10月号の誌面をどうぞ ソース …