
1: 名無しの旅人 2025/08/13(水) 08:02:57.65 ID:DSODe5089 茨城新聞 茨城県を含む全国で、公園などに展示されている蒸気機関車(SL)が老朽化し無償譲渡や解体処分になる例が相次いでいる。展示から半世紀が過ぎ、自治体や市民団体が「近代遺産」として保全に尽力するケースがある半面、清掃や維持をしてきた鉄道OBらの高齢化で活動が引き継がれない厳しい現実も見られる。専門家は、クラウドファンディング(CF)やSLの集約施設をつくるなど保存に向けての工夫を提言する。 「財政的に厳しいのが現状」 同県高萩市高浜町に設置されているSL「9600形」を市が撤去する検討を進めることについて、担当課は苦渋の決断だと漏らす。 SLは市と旧国鉄が1972年に無償貸借契約を交わし、展示を続けてきた。地元の国鉄OB有志が管理に携わり、その後、高齢化で断念した後も、愛好家団体が4年前まで維持を続けた。しかし、腐食の発生などで大規模な修繕が見込まれ、管理が難しくなった。 SLがアスベストを含有している可能性があるとの指摘もあり、市は無償贈与を受けた上での撤去を検討。アスベストを含まない貴重な部品があれば、展示も視野に入れる。 ■全国に500両 同様の例では、2006年、同県日立市のかみね公園に展示されていたSLが老朽化を理由に撤去された。解体処分前に青森県のリゾート会社から申し出を受け、無償で譲渡。その後はリゾート施設が閉鎖され、展示は中断された。 SLは1970年代に国鉄での運行が終了したのを機に、自治体に無償貸与され、全国で約500両が展示されている。維持する関係者の高齢化や塗装などの費用がかかることから、近年は全国で数十両が解体されたとみられる。 鉄道博物館(埼玉県さいたま市)の奥原哲志学芸員は「ブームに乗り、ゆかりのないところにも多く引き渡された。愛着が持たれにくく、維持しきれなくなった例もある」と指摘する。 ■保存へ工夫 茨城県内では高萩のほか、大子、水戸、笠間、筑西、つくば、つくばみらい、龍ケ崎の7市町にある。いずれも自治体や市民団体、企業が保存に関わり、状態は比較的良いという。 水戸市や龍ケ崎市などは文化財に指定。水戸では市民団体「デゴイチを守る会」(会員約70人)が清掃や維持活動を行う。中山隆一会長(72)は、やりがいや出会いをつくり、持続可能な活動にすることで会員確保につなげているとし「地域の遺産として次世代に引き継ぎたい」と語る。 各地で保存が続くよう、奥原学芸員は、CFで費用を募る例を挙げ「地域の象徴として捉えることが大事」と強調。鉄道文化財アドバイザーの笹田昌宏さんは、郷土史の教材に採用し学校行事に組み入れることや「産業遺産として、ブロック単位(広い地域)でSLを集約する施設をつくる」といった提言を通して、工夫の重要性を示した。 老朽化のため解体・撤去が検討されている9600形蒸気機関車=高萩市高浜町 引用元:…