398: 本当にあった怖い名無し 2020/06/05(金) 15:29:10 ID:OoJ3UOaj0.net 今年の二月、まだ全然自粛ムードじゃなかった頃の話。 旅好きの友人Kが一人行方不明になった。 そいつとは大学が一緒で仲のいい友達三人でよくつるんでた。行方不明だって知ったのはソイツの親から連絡が入ったからで、 「いつも通り旅に出たんだが帰ってこない、そちらに行っていないか?」 と聞かれたけど、うちは社宅なので当然来てるはずもなくて、 「こっちには来てないです」とだけ伝えて電話を切った。 もう一人の友人Fと飲む約束をしてたもんでKの親から電話が来たことを話すと、どうやらFにも電話が掛かって来ていたらしく二人で不思議だなぁなんて話ながらその日は解散した。 それから一週間たってまたFと飲みに行ったときにFがこんなことを言った。 「アイツはあしきりえんを探しに行くって言ってたよ」 KとのLINE画面を見せられた。 「どこだよ」と聞いては見たものの Fが場所を知ってるはずもなく、シンプルに知らんと言われた。 「変な名前だな」というと「足に添え木を当ててる人が多かったからこんな名前らしい」 それで脚木里か。 「あしきはわかったけども、えんはどういう意味なんだよ」 答えを期待したけども、またシンプルに知らんと言われた。 「理由がわからんが足の不自由な人が多かったのかもな」 「だとすると鉱毒でもあったのかねえ」 その後はくだらないマスクの話をしてから家に帰った。 Kの親から見つかったという知らせがないまま、気づけば三か月程してFから連絡があった。 「Kを探しに行かないか?」と。 大学時代のゼミの先生にその話をしたらえらく興味を持っていたみたいで、脚木里ついて調べてくれたらしい。 どうやら群馬県の避暑地にほど近いところにそれらしい土地があるらしく、 「どうせ暇なら二人で探しに行かないか?」 自分は先月辺りから碌に仕事がなかったし、Fは自営業なので時間はいくらでもあった。 男二人で某県に行くことになった。 五月の避暑地は想像以上に寒くって二人で驚いたのを覚えている。…