1: 名無しのがるび 2025/12/05(金) 17:38:10.15 ID:OZ8+V6n90● BE:194767121-PLT(13001) キャベツは「匂い」で虫を操る 普段はあまり匂いがしないような植物でも、草刈りをしたり、料理のために切ったりすると、その植物独特の匂いがします。塩尻かおり教授は「まるで植物が『切られた! 痛い!』と、悲鳴を上げているように感じませんか」と話します。 「植物は自分で動くことができず、声を出すこともできません。その代わりに『匂い』を巧みに操って、身を守っています」 塩尻教授が長年、研究対象にしてきたキャベツもその一例です。 キャベツは、モンシロチョウの幼虫(アオムシ)の大好物です。アオムシに食べられたキャベツは、アオムシの天敵のハチが反応する匂いを発して、「アオムシがここにいます。やっつけて」と、呼び寄せます。呼び寄せられたハチは、 アオムシに寄生し、退治してくれます。つまり、キャベツはハチと「匂い」でコミュニケーションを取って、アオムシから身を守っているのです。 一方、キャベツはコナガというガの幼虫の好物でもあり、コナガの幼虫に食べられた時にはモンシロチョウの幼虫に食べられた時とは違う匂いを発します。これはコナガの天敵となる別のハチが反応する匂いです。 塩尻教授が匂い物質を分析したところ、植物は自分を食べに来た相手に応じて「匂いのもととなる成分の配合」を変えていることがわかりました。つまり単に「からだを傷つけられた」という情報だけでなく、匂いを使い分け、 さまざまな虫からの被害を受けにくくするシステムを備えているというのです。 「こうした植物の能力はキャベツだけでなく、多くの植物に存在していることが明らかになってきました。ただし、植物が害虫の種類をどうやって見極めて、匂い物質を配合しているのかなど未知のことも多く、 研究が進められています。この特性を上手に活用すれば、農薬を使わない『天然の害虫防除システム』をつくれる可能性もあります」 >>…