
医師が明かす「アフターピルを処方した女性の1割強は性被害者」 加害者に父親も…望まない妊娠、リミット72時間なのに日本だけ…(中略)▽海外では既に「必須医薬品」、無料で提供も アフターピルは、排卵を抑える働きがある飲み薬。性交後72時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を防ぐことができる。 海外では1970年代半ばから使われていて、世界保健機関(WHO)の必須医薬品リストに入っている。必須医薬品とは、安全性や効果、品質が裏付けられていて、「いつでも誰もが手頃な価格で入手できるようにすべき」とされているものだ。 現在では、アジアやヨーロッパなど90以上の国・地域では処方箋なしで購入できる。費用は数千円程度。学校や医療機関で無料提供される国もある。フランスでは2023年から、全ての女性が無料で入手できるようになった。一方、日本で初めて製造販売が承認されたのは、13年前の2011年。ただし、手に入れるには病院で医師に処方箋を出してもらう必要がある。費用は公的医療保険の対象外となっており、診療代と薬代を合わせて1万~2万円ほどが全額自己負担となる。 一番の問題は、時間だ。性交後72時間以内に、なるべく早く服用しなければならないが、病院には休みがある。夜間や休日ではすぐに手に入らず「時間切れ」となりかねない。さらに、価格も高い。若い世代や困窮している人にとっては苦しい。全ての女性が自らの健康と権利を守るために必須な薬なのに、日本では入手にいくつもの高いハードルがある。理不尽というしかない現状が続いている。(中略) ▽アフターピルが必要な人の1割強は性被害 プロジェクトを始めてから2年余りが経過した。アフターピルを求めて来た人は1500人以上。上村さんはこのうち2023年3~5月を抜き出して約300人を分析したところ、驚くべき状況が分かった。 受診理由の多くは性的同意がある恋人同士の行為で「コンドームが破れた」「外れた」「避妊対策をしなかった」という結果だった。一方で、性被害に遭った人が1割強に上り、10代では4分の1を超えていたのだ。その相手も、父親、母親の彼氏、部活の先輩がいたほか、駅のトイレで被害に遭った人も複数いた。 上村院長はこの現実を冷静に受け止めている。 「この結果は特別なものではない。性被害の割合は、ほかの時期でも大体同じ傾向だ」 性暴力を受けた上、妊娠の不安を抱える女性たちが非常に多いことが分かる。 このためプロジェクトでは、薬の服用を見届けただけで終わりにしない。性被害と分かれば、本人の意向を尊重した上で警察や福祉機関につなげている。上村さんも「いつでも気軽に無料相談できる」と伝えている。(全文・続きはソースにて)…