1: 少考さん ★ 0jA/KGrk9 2025-10-05 13:14:01 増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?|ニューズウィーク日本版 2025年10月5日(日)06時30分 印南敦史(作家、書評家) <なぜ最近の親は子育てを丸投げするのか。中学受験指導に30年携わってきた専門家が、取材をして掴んだ実態とは?> 児童虐待のひとつとして取り沙汰されるネグレクトは、一般的に、保護者が子どもの養育を怠ることを指す。多くの場合、その原因は親の経済的困窮や社会的孤立、若年であるための知識やスキルの欠如、親の精神的な疾患、障害などだとされる。 しかし、『ネオ・ネグレクト――外注される子どもたち』(矢野耕平・著、祥伝社)のタイトルにもなっている「ネオ・ネグレクト」は、従来のネグレクトとは性質が異なるようだ。 この名称は、30年にわたって中学受験指導に携わってきた著者による造語である。 それは、「衣食住に満ち足りた生活をしていても、親がわが子を直視することを忌避したり、わが子に興味関心を抱けなかったりする状態」のことである。加えて、これが見られるのは貧困状態に喘いでいる家庭ではなく、むしろ富裕層といわれる家庭であっても見られると感じている。(16ページより) そのため外から見ただけでは判断しづらく、ネオ・ネグレクトを受けている子どもたちも、自身が親から興味関心を抱かれていないことをなかなか自覚できないようだ。 興味深いのは、著者がネオ・ネグレクトの具体的事例を探るために取材を重ねた結果、この現象が東京湾岸のタワーマンションが林立するエリアでよく見られることが判明したという事実だ。 小さな子どもが、一人、家でテレビを見ながら夕食 ある女性はタワマンに隣接するスーパーマーケットで、小さな子どもたちがばらばらにお弁当を購入している様子を見たという。この点が気になった女性が同じタワマンの住民たちの何人かにヒアリングすると、両親共働きで家をほとんど不在にしていて、たった一人、家でテレビを見ながら夕食をとっている子どもたちが予想以上に大勢いることを知ったという。そして、彼ら彼女らの中には、普段家族間の付き合いが皆無で、友人たちとの付き合いもほとんど希薄になっている子どもたちが何人も含まれていることを女性は突き止めた。(50ページより) これはよくないと考えた女性は、タワマン内にある共有スペースを使って「子ども食堂」を始めた。貧困家庭に暮らす子どもたちを支援するためではなく、孤立した子どもたちを、タワマンで構築された人的つながりに引き込もうとしたのだ。 ところが、来てほしいと感じていた子たちは顔を出さず、この試みは失敗に終わる。子どもたちはひとりで夕食をとることに慣れきっていて、寂しさなど微塵にも感じていなかったからだ。むしろ、動画を見ながら自由に過ごせる時間を選んだわけである。 また、駅からしばらく歩いたところにあるドラッグストアでは、21時ごろに店内でたむろしている小学生がよく見られたという。目撃したある母親が「ママはどうしたの?」と声をかけると、親たちは地下の居酒屋で集まって飲んでいることが分かったのだそうだ。 次のページ夜、ファミレスで親は飲み会、子どもたちは公園へ (略) ※全文はソースで。…