
特集は、様々な疑問やニュースを深掘りする「tbc NEWS DIG」今回のテーマは「原付バイク」です。生活の足としても身近な乗り物ですが、2025年11月以降、メーカー各社が生産を終了する見通しとなっています。 多くの学生も利用するなど、需要はまだまだ高いにも関わらず、なぜ生産を終えるのか。東北オートバイ事業協同組合の髙橋新一郎理事長に理由を聞きました。 東北オートバイ事業協同組合 髙橋新一郎理事長: 「『排気ガス規制』が50cc原付バイクにもかかります。それをメーカーがクリアするためにはコストがかかる。(車体)があまり高額になると一般のお客さんから選ばれる商品にならない」 ■理由は「排気ガス規制」 今年11月以降、50ccの原付バイクに対する「排気ガス規制」が強化され、有害物質の少ないよりクリーンなガスを排出するよう求められます。しかし、車体の小さな原付バイクでは技術的に難しく、クリアしようとすると多額の研究・開発費用がかかってしまいます。 このため、メーカー各社は11月以降、原付バイクの生産を終了させる判断をしたということです。排ガス規制が理由のため、EV=電動モーターの原付バイクは引き続き製造が可能です。 11月以降、新車は製造されなくなりますが11月よりも前につくられた原付はこれまで通り乗ることができます。このため、ガソリン原付バイク市場は将来、中古車の流通に頼ることになります。 原付バイクの免許を持っている人は中古車しか運転できなくなるのでしょうか。 ■「原付免許」はどうなる? 原付バイクを運転できる免許「原動機付自転車免許」については、法律が改正され、今年4月1日以降、運転できる二輪車の対象が増えています。 東北オートバイ事業協同組合 髙橋新一郎理事長: 「メーカーが生産できなくなるので、それに伴って新たに追加された基準が『新原付』」 原付バイクは総排気量が50cc以下の二輪車です。これに対し「新原付」は、総排気量50cc超、125cc以下かつ「最高出力4.0kW以下」の車両です。 法改正に伴い、原付免許でこの車両も運転できるようになっています。メーカー各社は今後、原付バイクに代わる新しい車体として、この「新原付」を販売していくと見られます。 最高出力4.0kW以下というのが重要で、125ccのバイクでもパワーを抑えた車体となり、最高時速も原付同様30キロに規制されます。50ccの原付バイクが無くなっても、それに代わる新しい基準の原付が販売されるので問題ない、とも言えそうですが、バイク販売店からは切実な声が聞かれます。 ■125cc「新原付」いつ買える? 東北オートバイ事業協同組合の髙橋理事長は、仙台市内でバイク販売店を営んでいます。「新しい基準の原付は車体が大きくコストが高くなる」と話し、販売価格も高くなるのではないかという見方を示しています。 そのうえで「一番低価格で一番数の出る商品(原付)がお店のラインナップから消えてしまうので、 売り上げに直結する重要な問題」と話しています。 「新原付」と呼ばれる最高出力4.0kW以下の車両は、まだ販売されていません。どのような車体になるのか、価格帯はどうなるのかなど未知数となっています。間違って通常の90ccや125ccバイクを原付免許で運転してしまうと、無免許運転となるためくれぐれも注意が必要です。 最高出力4.0kW以下の「新原付」については、今後のメーカー側からの発表を待つ形となります。 …