生活保護が停止されれば、現在利用している約6万5千人が、次の日には生活できなくなるということです。国際的な人権保護ルールである国際人権規約などを批准している日本がしていいことなのでしょうか。2007年に北九州市で生活保護を打ち切られた男性が、「おにぎりが食べたい」と書き残して亡くなっているのが見つかりましたが、同様の事件がまた起きてしまうのではないかと危惧しています。現場のリアリティーを政治家たちが理解していません。 日本の経済・社会状況が不安定で先が見えない中、有権者でもなく声を上げられない、なされるがままの弱い立場の外国人をたたいているのでしょう。たたきやすい人を攻撃しているだけで、この先他のマイノリティーや高齢者にその矛先が向かうのではないでしょうか。 外国人が日本からいなくなれば、人手不足で成り立たない産業がたくさんあります。外国人を生活保護から排除して、日本人は助かったり、豊かになったりするのでしょうか。議論するのはいいのですが、正しいデータや情報に基づくべきで、デマや不確かなことを広めるのはやめてもらいたいです。一度立ち止まり、冷静に事実関係や数字を見てほしいと思います。 × × × 大澤優真(おおさわ・ゆうま) 1992年生まれ。一般社団法人つくろいファンド事務局長。著書に「生活保護と外国人」、共著に「外国人の生存権保障ガイドブック」など。 ※詳しくは下記リンクより 関連記事 「生活保護をプリペイドカード支給」 ←賛成?反対? 【画像】生活保護女性「これが私の今月の家計簿です。これのどこがいい思いしてるんですか?」 外国人に生活保護、なんでダメって言われてるの? 「生活保護をプリペイドカード支給」 ←賛成?反対? 毎日新聞「生活保護受給世帯の3分の1は外国人は誤り、実際に受給しているのは全体の3%未満で」 ←え?…