1864年、アメリカ南北戦争のさなかに、ひとりの北軍兵士が軍の病院で息を引き取った。兵士は「ライオンズ・ウェイクマン」という男性の名前のまま葬られた。けれど、本当の名前はサラ。男性になりすまして軍に入った女性だった。この秘密が世に知られたのは、それから100年以上もあと。きっかけは、親族の家の屋根裏で眠っていた手紙だったという。 ※注:南北戦争(1861〜1865年)は、アメリカの北部の州と、合衆国からの離脱を宣言した南部の州とが戦った内戦。北部側の軍を「北軍」、南部側の軍を「南軍」と呼ぶ。 今日の知ってた? ✉️ アメリカ南北戦争で、サラ・ロゼッタ・ウェイクマンという女性が男性になりすまして北軍に入隊していた。名乗っていた名前は「ライオンズ・ウェイクマン」。1864年に軍の病院で亡くなったが、女性だったことは公にならないまま、男性の名前で埋葬された。この話が世に知られたのは1976年。親族の家の屋根裏から、本人が家族に宛てた手紙が見つかったことがきっかけだと伝えられている。 背景:南北戦争と、男装して戦った女性たち 南北戦争は、奴隷制などをめぐって対立を深めたアメリカの北部と南部が、4年にわたって戦った内戦だ。死者は60万人を超え、アメリカの歴史上もっとも多くの死者を出した戦争とされている。しかも、その多くは戦場で命を落としたわけではない。当時は衛生状態が悪く、戦闘で亡くなった兵士よりも、病気で亡くなった兵士のほうが多かったとされる。 女性が兵士として軍に加わることは、認められていなかった。それでも、男性の服を着て男性の名前を名乗り、入隊した女性たちがいた。入隊時の身体検査はごく簡単なもので、ひげの生えていない若い兵士も珍しくなかったため、見た目だけで見破られることは少なかったとされる。男装して従軍した女性は数百人、多い見積もりでは1000人ほどにのぼるとも言われる。ただ、記録に残るのは正体が明らかになった人だけで、最後まで気づかれなかった人がどれほどいたのかはわかっていない。 もう少し詳しく 男装したのは、家族のためだった。サラが男性の姿で家を出たのは、家族の負担にならず、家計を助けるお金を稼ぐためだったと言われている。当時は、女性を雇ってくれて、しかも暮らしていけるだけの賃金が出る仕事がほとんどなかった。男性として働くうちに入隊の勧誘を受け、報奨金が出ることもあって兵士になったとされる。 家族には手紙で打ち明けていた。サラは軍に入ってからも家族へ手紙を送り続けていて、自分が何をしたのか、なぜそうしたのかも手紙の中で説明していたとされる。軍の中では男性として過ごしながら、家族に宛てた手紙には本名で署名していたという。 最後の手紙に書かれていたこと。サラが家族に宛てた最後の手紙は、亡くなる数か月前、戦闘に加わったあとの戦地から出されたものとされる。その結びには、こんな一文がある。 「4時間ほど砲火にさらされ、その夜はひと晩じゅう戦場で横になっていました。私の中隊では3人が負傷し、1人が戦死しました。神様が私の命を助けてくださったことに感謝しています。どうか神様が戦場を無事にくぐり抜けさせてくださり、無事に家へ帰れますよう、お祈りしています。」 命を奪ったのは、弾ではなく病気だった。その戦場を生き延びたサラは、やがて慢性の下痢を患い、1864年6月19日に亡くなったとされる。息を引き取ったのは、ルイジアナ州ニューオーリンズの軍の病院だった。下痢や赤痢は、南北戦争で数多くの兵士の命を奪った病気のひとつだ。 秘密が明るみに出たのは112年後。女性だったことは長く知られないままだったが、1976年、親族の家の屋根裏から彼女が家族に宛てた手紙が見つかり、話が世に出たと伝えられている。手紙はのちに書簡集として出版され、南北戦争を戦った女性兵士の姿を本人の言葉で伝える、貴重な記録になっている。 海外の反応 1. 海外の名無しさん 「慢性の下痢にかかり、1864年6月19日にそれがもとで亡くなった」という一文が、いちばん胸にきた。病気で兵士がばたばた死んでいた時代って、みんなが思っているほど遠い昔の話じゃないんだよな。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) 戦争で、病気より戦闘で亡くなる兵士のほうが多くなったのは、20世紀に入ってからの話だと聞いたことがある。それまでは、弾よりも病気のほうがずっと多くの兵士の命を奪っていたんだ。 3. 海外の名無しさん(>>1への返信) 皮肉なのは、彼女の最後の手紙だよ。4時間も砲火を浴びて、ひと晩戦場で横になって過ごしたあとに「命を助けてくださった神様に感謝しています。無事に家へ帰れますよう祈っています」と書いている。その戦場は生き延びたのに、結局は病気に命を奪われたんだから。 4. 海外の名無しさん(>>1への返信) アフガニスタンにいたとき、バカみたいに自分の水を仲間に配ってしまって、仕方なく小川の水を飲んだことがある。その夜から吐いては下しての繰り返しで、2週間近くその場から動けず、ほとんど岩陰で過ごした。体重は9キロ近く落ちたよ。下痢で死ぬっていうのは、冗談でも何でもない。 5. 海外の名無しさん 戦時中の病院なんて大混乱だったとは思う。それでも、治療か埋葬のときに、誰かが彼女の秘密に気づいた可能性は高いんじゃないかな。黙って男性の名前のまま葬ったのは、ただの手抜きか、面倒を避けただけかもしれない。でも自分は、女性としての彼女と、兵士としての彼女の両方を見た誰かが、敬意を込めてあえてそうしたんだと思いたい。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) 実際には「こっちはそれどころじゃない」がほとんどだったと思う。「前線からまた負傷兵が600人です、うち599人は下痢でひどいことになってます!」なんて報告が次々に来る現場だよ。そこで何かに気づいても、自分なら「それは自分の仕事じゃない」で流す。 7. 海外の名無しさん(>>5への返信) 「あー……はぁ。これ、ちゃんと書類にまとめる? それとも、このまま彼女を埋葬しとく?」 「“彼”だろ」 「そうそう、彼を埋葬しとくって言いたかったんだよ」 現場はたぶんこんな感じ。 8. 海外の名無しさん(>>6への返信) そもそも解剖なんて誰もしないし、下痢で亡くなった兵士は着ていた服のまま埋葬されただろうからね。傷を負っていなければ、服を脱がされて体を拭いてもらう機会すらなかったと思う。 9. 海外の名無しさん この件って、たまたま手紙が見つかったから明るみに出ただけでしょう? だとしたら、同じような兵士は、わかっているよりずっと多かったのかもしれない。 10. 海外の名無しさん(>>9への返信) どこで読んだか覚えていないから話半分で聞いてほしいんだけど、南北戦争の兵士の1000人に1人くらいは女性だった、という推計を聞いたことがある。もし1日に10人の治療や埋葬をしていたら、3年目までには何人か見ていてもおかしくない計算になる。 11. 海外の名無しさん たしか、男装して南北戦争を戦った女性は400人くらいいたはず。戦場の状況を考えると、そんなことがまだ通用した最後の戦争だったんじゃないかな。 12. 海外の名無しさん(>>11への返信) しかもそれは、後から正体がわかった人の数だからね。最後まで気づかれなかった人は数えようがないし、本当はもっと多かったはず。事情も人それぞれで、戦争が終わってからもそのまま男性として暮らし続けた人もいたらしい。 13. 海外の名無しさん 英語版ウィキペディアに、南北戦争で兵士になった女性の一覧があるよ。冒頭には、南北両軍あわせて500〜1000人の女性が兵士として入隊したという推計が載っていた。上から20人くらい読んだけど、一人ひとり全然違うドラマがあって、読み始めると止まらない。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) ウェイクマン本人のページにも面白い話が載ってたよ。刑務所で看守の任務についていたことがあって、そこに収容されていた女性3人のうち1人は、男性になりすましたことで捕まった人だったらしい。つまり、自分がまさに今やっていることで捕まった人を見張っていたわけ。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) 看守の仕事をしながら、どんな気持ちでその人を見ていたんだろう。「明日は我が身」どころの話じゃない。自分の正体がばれないように、いつも以上に気を張っていたんじゃないかな。 16. 海外の名無しさん 女性であることを隠し通すだけでも大変なのに、その上で兵士としての務めをきっちり果たしていた。とんでもない逆境の中での、本物の献身だよ。 17. 海外の名無しさん(>>16への返信) どうやら、家族の経済的な負担になりたくなくて男装したらしい。当時は、女性を雇ってくれて、しかも暮らしていけるだけの給料が出る仕事がほとんどなかったからね。家族思いで、責任感の強い人だったんだろうな。 18. 海外の名無しさん(>>17への返信) 最初は働き口を探すために男性の格好で家を出て、そのうち「入隊すれば報奨金が出る」という勧誘に出会って、年齢を偽って入隊したらしい。今と違って、女性が普通に働いて稼げる時代じゃない。生きていくための、ぎりぎりの選択だったんだと思う。 19. 海外の名無しさん 家族は、彼女がどうなったのか知ることができたんだろうか。遠く離れた土地で亡くなって、しかも別人の名前で葬られたわけでしょう。 20. 海外の名無しさん(>>19への返信) 家にはわりとまめに手紙を送っていて、その中で自分が何をしたのか、なぜそうしたのかも説明していたらしい。最後の手紙は亡くなる数か月前に戦地から出されたものだから、便りが途絶えた時点で、家族もある程度の覚悟はしていたと思う。 21. 海外の名無しさん(>>20への返信) ただ、覚悟はできても、正式に知らされたかどうかは別の話みたい。当時は、亡くなった兵士の家族へきちんと連絡する仕組みがまだ整っていなかったそうだ。知らせが届くかどうかは、部隊の従軍牧師や上官が出身地を知っていて、わざわざ手紙を書いてくれるか次第だったとか。 22. 海外の名無しさん これって、ディズニー映画の『ムーラン』より、元になった中国の昔話のほうに近いんじゃない? 家族のために男のふりをして軍に入る、という筋はそっくりだ。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) ムーランと比べるなら、セルビアのミルンカ・サヴィッチのほうがしっくりくると思う。家族が兵隊に取られないよう、男装して身代わりに入隊した女性なんだ。召集されたのは結核を患っていた兄弟で、その代わりに彼女が戦地へ行ったらしい。 24. 海外の名無しさん この話がヒントになったという小説もあるよ。レアード・ハントの『ネバーホーム』。農場で暮らす女性が、夫の代わりに男装して北軍に入り、戦地へ向かう物語なんだ。 25. 海外の名無しさん(>>24への返信) テリー・プラチェットの「ディスクワールド」シリーズにある『Monstrous Regiment』も、若い女性が男装して軍に入る話で、発想はかなり近いね。ちょうど今読んでいる最中だったから、このスレを見かけてびっくりした。 まとめ 南北戦争で男性になりすまして北軍に入ったサラ・ウェイクマンは、戦場を生き延びたあと病気で亡くなり、男性の名前のまま葬られた。秘密が世に知られたのは、屋根裏から家族宛ての手紙が見つかってからだ。コメント欄には、病院の誰かが気づいて黙っていたのではという想像や、家族のために男装を選んだ彼女への敬意、同じように戦った女性が数百人規模でいたことへの驚きが並んだ。「無事に家へ帰れますよう」と祈った一文が、いまも重く響く。 元ソース: サラ・ウェイクマンは男性になりすまし、アメリカ南北戦争で北軍の兵士として戦った。1864年に軍の病院で亡くなってもその秘密は明かされず、「ライオンズ・ウェイクマン」という偽名のまま埋葬された。この話が明るみに出たのは1976年、親族の家の屋根裏から彼女の手紙が見つかってからだった The post 「男性の名前のまま埋葬された北軍兵士は、実は女性だった」その秘密が明るみに出たのは112年後、屋根裏の手紙からだった appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…