潜水艦と聞けば、たいていの人は20世紀の戦争や原子力の話を思い浮かべるだろう。ところが今から400年ほど前、日本では江戸幕府が開かれて20年ほどのころ、ロンドンでは木の骨組みに革を張った舟がテムズ川に潜ったと伝えられている。造ったのはオランダ出身の発明家コルネリス・ドレベル。しかもその舟には、時のイングランド王ジェームズ1世まで乗り込んだという話が残っている。 ※注:ジェームズ1世は、1603年にイングランド王を継いだ人物。それ以前からスコットランド王ジェームズ6世でもあったため、スコットランドの王としては「6世」と呼ばれる。コメント欄に出てくる「1世」と「6世」は同じ人物のこと。 今日の知ってた? 🌊 1620年代のロンドンで、オランダ出身の発明家コルネリス・ドレベルが、人を乗せて水中を進む潜水艇を造り、テムズ川で試運転したと伝えられている。舟は木の骨組みに革を張り、中からオールで漕いで進む仕組みだったとされる。さらに、イングランド王ジェームズ1世がこの舟に乗って水中を体験し、潜水艇に乗った最初の君主になったという話もある。ただし同時代の記録は少なく、どれほどの深さまで潜ったのか、王が本当に乗り込んだのかは、はっきりしていない。 背景:コルネリス・ドレベルとは コルネリス・ドレベルは、1572年にオランダ北部の町アルクマールで生まれた。若いころは、当時のオランダを代表する版画家のもとで銅版画を学んでいる。やがて機械や科学の研究に打ち込むようになり、1600年代の初めにイングランドへ渡って、ジェームズ1世の宮廷に仕えた。 宮廷での評判を高めたのは、ねじを巻かなくても動き続けるように見える「永久機関」と呼ばれた装置だったとされる。実際には、気温や気圧の変化を動力にしていたと考えられている。一時期は神聖ローマ皇帝ルドルフ2世に招かれ、プラハに滞在したこともある。 水に潜る舟というアイデア自体は、ドレベルが最初に思いついたものではない。それより前に、イングランドのウィリアム・ボーンが、潜って進む舟の構想を書物で紹介していたとされる。ドレベルは1620年ごろからこの難題に取り組み、テムズ川で試運転を重ねたと伝えられている。ただ、この潜水艇がイングランド海軍に採用されることはなかったとされる。 もう少し詳しく 水の中で、息はどうしていたのか。最大の謎は空気だ。閉め切った舟に何人も乗っていれば、中の空気はすぐに悪くなる。この点については、「ボイルの法則」で知られる科学者ロバート・ボイルが、のちに伝え聞いた話として「ドレベルは舟の中の空気が悪くなってくると、ある液体の入った容器を開けて、空気をふたたび呼吸できる状態に戻していた」という趣旨の記述を残している。ここから、硝石(火薬の原料にもなる物質)を熱したときに出る気体、つまり酸素を何らかの形で使っていたのではないか、という説もある。ただ、その液体の正体も仕組みも記録には残っておらず、確かめる手立てはない。酸素という物質が発見されるのは、それから150年ほど後の1770年代のことだ。 王様は本当に乗ったのか。ジェームズ1世が試運転に乗り込んだという話は、ドレベルの逸話としてよく知られている。しかし、それをはっきり書き残した同時代の記録は乏しく、伝承の域を出ないという見方もある。どれくらいの深さを、どれほどの時間潜っていたのかについても、後世に伝わる数字はあるものの、確かな裏づけがあるとは言いがたい。 潜水艇だけの人ではない。ドレベルは、炉やふ卵器の温度を自動で一定に保つ仕掛けを作ったことでも知られ、これは温度調節装置のごく初期の例とされる。ほかにも、顕微鏡の初期の作り手のひとりとして名前が挙がり、コチニール(虫から採る赤い色素)と錫を使って鮮やかな緋色に染める方法を見つけたともされる。夏に広間を冷やして人々を驚かせた、という話まで伝わっている。これだけの業績がありながら晩年は恵まれなかったとされ、1633年にロンドンで亡くなった。 海外の反応 1. 海外の名無しさん ウィキペディアを見てきた。1620年から1624年にかけて、ドレベルは改良版の潜水艇をさらに2隻造って、造るたびに大きくしていったらしい。最後の3隻目はオールが6本で、16人も乗れたと書いてある。想像していたより、ずっと大きい。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) そのへんの数字は、話半分で聞いておいたほうがいいかもしれない。この潜水艇はとにかく当時の記録が少なくて、何人乗れたか、どこまで潜ったかは、後から語られてきた部分も多いみたい。王様が乗った話も含めて「そう伝わっている」くらいが正確なところだと思う。 3. 海外の名無しさん この人の経歴を読んでいたら、ほとんど発明品の一覧になっていた。潜水艇に、温度を自動で保つふ卵器、顕微鏡、部屋を冷やす仕掛け……。しかも若いころは版画の職人だったって、1600年代のダ・ヴィンチか何かなの? 4. 海外の名無しさん(>>3への返信) これだけ色々作っているのに、自分は今日までこの人の名前を一度も聞いたことがなかった。でも、いかにもオランダ人らしいとも思う。黙々と手を動かして発明はするけど、それを大げさに言いふらしたりはしない。 5. 海外の名無しさん(>>4への返信) 宣伝を人に頼んだら、いくらかかると思ってるんだ。この人の家の裏庭に、金のなる木が生えていたわけじゃないんだぞ。 6. 海外の名無しさん(>>5への返信) お金といえば、ウィキペディアには、師匠だった版画家の妹と結婚したけど、その妻の金遣いが荒かったせいでいつもお金に困っていた、なんて書いてある。もしそのせいで発明に精を出していたのなら、奥さんの浪費が人類の役に立ったことになる。 7. 海外の名無しさん(>>6への返信) それを全部奥さんのせいにするのは、ちょっと気の毒な気がする。発明家なんて、材料だの道具だの実験だので、お金がいくらあっても足りない仕事だろうし。 8. 海外の名無しさん それにしても、潜水艦に乗ったことのある王様のリストなんて、どうせかなり短いんだろうな。そのリストが400年も前に始まっていたというだけで、なかなかの話だ。 9. 海外の名無しさん(>>8への返信) 少なくとも2人はいるぞ。イングランド王ジェームズ1世と、スコットランド王ジェームズ6世が、同じ舟に乗っていたからね。 10. 海外の名無しさん(>>8への返信) 今の王族なら、自分の国の潜水艦を視察したことくらいはあると思う。ただ、港に停まっている艦の中を見学するのと、実際に乗って潜るのとでは話が全然ちがう。自分も陸に上げてある潜水艦の中に入ったことがあるけど、あれで「潜水艦に乗った」とは言えない。 11. 海外の名無しさん 自分が調べた範囲では、現役の国家元首として潜水艦で実際に潜った人は、このジェームズ1世と、アメリカのセオドア・ルーズベルト大統領、ジミー・カーター大統領くらいしか見つからなかった。3人のうち、艦の中で何が起きているのかちゃんと分かっていたのは、海軍で潜水艦に乗っていたカーターだけだろうね。 12. 海外の名無しさん(>>11への返信) その「自分が調べた範囲では」が、けっこう大事な気がする。世界中の大統領や国王を全部たどったら、視察のついでに潜ってみた人はほかにもそこそこいそう。 13. 海外の名無しさん オールで漕いで進むなら、オールを外に出す穴があるはずだよね。そこからどうやって水が入らないようにしていたんだろう。一番すごいと思うのはそこ。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) 車のドライブシャフトについている、ゴムの蛇腹のカバーってあるでしょ。あれを革で作ったようなものを想像してる。穴よりずっと大きな革で覆って、オールを動かしても隙間ができないようにするとか。 15. 海外の名無しさん(>>14への返信) それでも、水の圧力がかかったらそこが弱点になるよな。しかもオールが6本なら、弱点が6か所もあることになる。 16. 海外の名無しさん(>>15への返信) そもそも「水が漏れなかった」とは誰も言っていないからね。普通に水が入ってきていて、短い距離しか進めず、しょっちゅう水をかき出したり直したりしていたんだと思う。 17. 海外の名無しさん(>>15への返信) 伝わっているように水面から数メートルくらいの深さなら、そこまで心配しなくていいと思う。水圧は深さ10メートルでやっと1気圧ぶん増える程度だから、深海みたいな話じゃない。1700年代には、革のパッキンでかなりの高圧を閉じ込めた空気銃もあったらしいし、当時の技術でもそこそこ水を防げる継ぎ目は作れたはず。 18. 海外の名無しさん 自分が一番引っかかったのは空気のほう。何人も乗り込んで閉め切った舟の中で、しかも酸素という言葉すらない時代に、どうやって息を続けていたんだろう。 19. 海外の名無しさん(>>18への返信) ボイルが書き残した話が本当なら、ドレベルは酸素の正体も知らないまま、空気を吸える状態に戻す方法だけは見つけていたことになる。ただ正直なところ、案外そんなに長くは潜っていなくて、苦しくなる前に浮き上がっていただけ、という可能性もあると思う。 20. 海外の名無しさん ドレベル本人は、生きた心地がしなかったと思う。よその国から来た身で、雇い主の王様をテムズ川でうっかり溺れさせでもしたら、発明どころか国際問題だよ。 21. 海外の名無しさん(>>20への返信) もし沈んでいたら、「世界初の潜水艇」じゃなくて「王様を沈めた舟」として歴史に名前が残っていたところだな。 22. 海外の名無しさん 当時のテムズ川って、ほとんどトイレ代わりに使われていたんでしょ。潜っている間じゅう、流れてきた「何か」が舟に当たるゴツン、ゴツンという音が聞こえていたんじゃないか。これで窓なんかついていたら地獄だよ。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) テムズ川は、人類の歴史で見ればわりと最近まで、垂れ流しの下水として悪名高かったからね。テリー・プラチェットのファンタジー小説『ディスクワールド』シリーズに出てくる、とんでもなく汚いアンク川のモデルになったとも言われている。 24. 海外の名無しさん(>>23への返信) プラチェットが、アンク川の汚さを毎回ちがう言い回しで書くのが大好き。「地元の人は、アンク川の水こそ国でいちばん清らかだと自慢した。なにしろ、たくさんの腎臓を通って濾されてきたのだから」とか、「この川の水は飲んでも安全だと思われていた。こんな水の中で生きていける細菌がいるはずがないからだ」とか。 25. 海外の名無しさん ドレベルの故郷のオランダ・アルクマールでは、毎年6月のお祭りのときに、彼の潜水艇のレプリカを見学できるらしい。チーズの街として有名なところだけど、こういう形で地元の発明家を大事にしているのはいいね。 まとめ 400年ほど前、ドレベルの潜水艇がテムズ川に潜り、ジェームズ1世まで乗り込んだと伝えられている。ただ同時代の記録は少なく、王が本当に乗ったのか、どれほど潜れたのかは確かめきれない。コメント欄では、伝わる数字は話半分に聞くべきだという声が出る一方で、オールの穴をどう塞いだのかという技術談義や、当時のテムズ川の汚さをめぐる冗談で盛り上がった。これだけ多くの物を作りながら、ほとんど名前を知られていないことに驚く声も目立った。 元ソース: 400年以上前、オランダの発明家コルネリス・ドレベルは実際に動く潜水艇を造り、テムズ川の水中を進んだ。1620年ごろにはイングランド王ジェームズ1世を乗せて水中を案内し、ジェームズは潜水艇に乗った最初の君主になった The post 「雇い主の王様をうっかり溺れさせたら国際問題だぞ」400年前、国王を乗せてテムズ川に潜ったと伝わる潜水艇の話 appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…