山梨県の山あいにある西山温泉 慶雲館は、705年の創業とされ、「世界最古のホテル」としてギネス世界記録にも認定されている温泉旅館だ。1300年以上にわたって一族が受け継いできたこの宿が、2017年に一族の経営を離れていた——という話が海外の掲示板で注目を集めた。ところがコメント欄の関心は、すぐに「その52代、全員が血のつながった家族なの?」という方向へ向かっていく。 今日の知ってた? ♨️ 「世界最古のホテル」としてギネス世界記録に認定されている、山梨県の西山温泉 慶雲館。創業は705年(慶雲2年)とされ、1300年以上、52代にわたって同じ一族が受け継いできたと紹介されている。その一族による継承が2017年に途切れ、跡を継ぎたい親族がいなかったことから、宿は新しい持株会社のもとに移されたという。 背景:西山温泉 慶雲館とは 西山温泉 慶雲館は、山梨県早川町の山あいにある温泉旅館である。早川町は南アルプスのふもとに位置し、町としては日本でいちばん人口が少ないことで知られる。創業は慶雲2年(705年)とされ、宿の名前にもこの元号と同じ「慶雲」の字が入っている。開いたのは、天智天皇に仕えた人物の息子・藤原真人(ふじわらのまひと)だと伝えられている。 2011年には、ギネス世界記録から「世界最古のホテル」として認定を受けた。ただし、1300年前の建物が残っているわけではない。元の投稿のコメント欄で紹介されていた内容によれば、宿はこれまで洪水や火災、台風の被害を受けては建て直されてきており、いまの建物は20世紀後半のものだという。「世界最古」の中身は建物の古さではなく、この場所で営業を続けてきた歴史のほうである。 もう少し詳しく 2017年に何が起きたのか。元の投稿によれば、52代続いた一族による継承は2017年に途切れた。跡を継ぎたい親族がいなかったためで、宿は新しい持株会社のもとに移されたという。誰が経営を引き継いだのか、どういう経緯で決まったのかといった細かい事情は、元の投稿では語られていない。コメント欄でも「なぜ今回は養子を迎えなかったのか、紹介記事には書かれていない」という声が上がっていた。 「52代続いた一族」は、全員が血のつながった親子とは限らない。日本の家業では、跡取りがいないときに婿養子を迎えたり、成人を養子に迎えたりして「家」を継がせることが昔から珍しくない。重んじられてきたのは、血筋そのものより、家の名前と家業を絶やさないことだった。元の投稿のコメント欄でも、慶雲館の歴代にも養子が含まれているはずだという指摘が相次ぎ、「それでも同じ一族と呼べるのか」をめぐる議論に発展した。 長く続いた老舗が跡継ぎに悩むのは、慶雲館に限った話ではない。日本は創業100年を超える企業が世界でも際立って多い国として知られる一方で、地方の旅館や中小企業では後継者不足が長く課題になっている。1300年という数字の重さに比べると、途切れた理由そのものは、いまの日本のあちこちで耳にする話でもある。 海外の反応 1. 海外の名無しさん 調べていて面白かったところをまとめておく。創業は705年で、元号でいうと慶雲の時代。開いた藤原真人は、天智天皇に仕えた人物の息子とされている。ギネスに認定されたのは2011年だけど、今の建物は20世紀後半のもの。最初の湯は洞窟の中の湯だまりみたいなもので、木造の小屋を経て今の形になった。今は露天風呂も内湯も複数あって、どれも天然の源泉の湯らしい。 2. 海外の名無しさん(>>1への返信) 今の写真もきれいなんだけど、これだけの歴史があると聞いて『千と千尋の神隠し』の油屋みたいな建物を想像していたから、ちょっと味気なく見えてしまった。一族経営が終わったという話とは、ある意味で合っている気もする。 3. 海外の名無しさん(>>2への返信) ちなみに作中でも、千尋のお父さんはあの一帯を、バブルがはじけて潰れたテーマパークの残骸だと言っている。映画の中ですら、古い建物だとは思われていなかったわけだ。 4. 海外の名無しさん(>>2への返信) 油屋っぽい雰囲気を味わいたいなら、愛媛の道後温泉本館がおすすめ。何年も続いていた保存修理の工事が少し前に終わって、また全館で入れるようになった。行くならいい時期だと思う。 5. 海外の名無しさん(>>4への返信) 去年の春に道後温泉へ行ったけど、本当によかった。建物は外から見ても見事で、中もきちんと手入れされていて、お湯は体を雲で包まれるみたいな柔らかさ。ただ、湯婆婆はどこにもいなかったので、星をひとつ減らしておく。 6. 海外の名無しさん 詳しい事情は知らないけど、1300年も続いてきたこと自体がとんでもない話だし、それが終わったのはやっぱり惜しい。写真を見たら山の中のきれいな場所だったので、いつか行きたい場所のリストに入れておいた。 7. 海外の名無しさん 跡継ぎがいないときは、日本だと養子を迎えて家を継がせるのが普通なんじゃなかったっけ。今回はどうしてそうしなかったんだろう。 8. 海外の名無しさん(>>7への返信) 自分の知る限り、大人の養子縁組がこれほど多い国は日本くらいだと思う。家業も屋号もそのまま残るけど、今の経営者と先代のあいだに血のつながりはない、というのが普通にある。 9. 海外の名無しさん 「同じ家系が1300年以上」という言い方は、かなり誤解を招くと思う。日本の家族経営の老舗は、継ぐ人がいないときに成人した従業員を正式に養子にして家に入れてきた例が多いし、この宿もたぶん例外じゃない。養子は家族じゃないと言うつもりはないけど、20代30代の男性を養子にするのは赤ん坊を迎えるのとは違うし、「同じ血筋が続いた」とは言えないだろう。 10. 海外の名無しさん(>>9への返信) それは完全に文化の違いだと思う。大人になってから迎えた養子を家族に数えないなら、結婚して家に入った人はどうなるのか、という話になる。本人も家族も「うちの人間だ」と思っているなら、外から血筋を持ち出して「厳密には違う」と言う必要はないんじゃないか。 11. 海外の名無しさん(>>9への返信) 西洋の感覚だとそう見えるかもしれないけど、日本の養子縁組は戸籍に載る正式な親子関係で、名字も変わる。家業を継ぐという目的があってするものだから、軽い手続きじゃない。婿養子なら、その家の娘と結婚したうえで養子に入る。日本の感覚では、それで「家」はちゃんと続いていることになる。 12. 海外の名無しさん(>>11への返信) 法律の上で正式な家族になるのは分かった。でも、同じ屋根の下で暮らしたこともなく、たとえば47歳で養子に入った人まで含めて「同じ一族」と呼ぶのは、英語でいう家族とはだいぶ違う。家族というより、腕を見込まれた人が跡を受け継いでいく中世のギルドに近い気がする。 13. 海外の名無しさん 同じ話のもっと極端な例が金剛組だ。578年、四天王寺を建てるために大阪で始まった宮大工の会社で、1400年以上も同じ一族が率いてきた。それが2006年、バブル期に膨らんだ借金が響いて髙松建設の傘下に入った。社寺の建築は今も続けているけど、もう一族の会社ではない。上で出ていた婿養子も日本では珍しくなくて、スズキを40年以上率いた鈴木修も、生まれたときの名字は松田だった。だから今回の件で不思議なのは、養子という手がすぐそこにあったのに、それを使わなかったことだ。 14. 海外の名無しさん(>>13への返信) 仕組みがあっても、使うかどうかは別の話だと思う。養子に入るということは、名字を変えて、その家の跡取りとして人生を丸ごと預けることになる。しかも古い旅館なら、建物の改修や維持の費用まで背負う。そこまで引き受けたい人が見つからなくても不思議じゃない。 15. 海外の名無しさん ある意味、一族にとっては肩の荷が下りた面もあると思う。そこに生まれたというだけで、旅館を続ける義務を背負わされるべきじゃない。 16. 海外の名無しさん(>>15への返信) 一族で続けられたら素敵なのは確かだけど、52代というのはとんでもなく長い時間だ。むしろここまで途切れなかったことのほうが奇跡で、別の人生を選んだ人を責める気にはなれない。 17. 海外の名無しさん これは慶雲館だけの話じゃなくて、日本の地方の旅館全体が抱えている問題だと聞く。お客さんは来ていても、継ぐ人がいないせいで看板を下ろす宿が少なくないらしい。山奥の温泉地ならなおさらで、若い人がまず地元に残らない。 18. 海外の名無しさん(>>17への返信) その意味では、一族が続けられなくても宿そのものが残ったのは、まだ幸運なほうだと思う。泊まる側からすれば、湯が湧いていて部屋があれば、経営している人の名字が何であっても構わない。1300年続いてきた湯に浸かれるなら十分だ。 19. 海外の名無しさん これってテセウスの船(部品を全部取り替えた船は同じ船なのか、というあの話)ならぬ、テセウスの旅館では?建物は何度も建て替わっていて、湯船も洞窟から始まって、ついに経営する一族まで替わった。どこまで替わっても「同じ宿」なんだろう。 20. 海外の名無しさん(>>19への返信) 日本はこの問いに、そもそも違う前提から答える国らしい。『銀河ヒッチハイク・ガイド』の作者ダグラス・アダムスが、絶滅危惧種を訪ねて回った旅の本の中で、昔日本で金閣寺を見たときの話を書いている。古いのに傷んでいないと感心したら、案内の人に何度も焼けて建て直していると言われた。「じゃあ元の建物じゃないのでは」と聞くと、「いつだって同じ建物です」と返されたそうだ。形と意図が受け継がれていれば同じ建物だ、とアダムスは納得している。 21. 海外の名無しさん(>>20への返信) いい話だけど、金閣が焼けたのは1950年の放火の一度きりのはずで、「何度も」はアダムスの記憶違いか、案内の人の話が大きくなったんだと思う。ただ、建て直しても同じ建物だという感覚そのものは本当にある。伊勢神宮は20年ごとに社殿をそっくり新しく建て替えていて、それでも誰も「新しい神社」とは呼ばない。 22. 海外の名無しさん ついでに言うと、ギネス世界記録の認定をそのまま信じるのもどうかと思う。企業がお金を払って記録の企画を依頼できるサービスもあるし、証拠が薄いまま認定されたと批判された記録もある。「ギネス認定」は学術的なお墨付きとは別物だ。 23. 海外の名無しさん(>>22への返信) ギネスの商売っぽさは分かるけど、705年創業というのはギネスが言い出した数字じゃなくて、宿の側で昔から伝えられてきた創業年だ。認定はそれを後から記録として載せただけ。もちろん、1300年前の話をどこまで裏付けられるかは、また別の問題だけどね。 24. 海外の名無しさん 51代かけて守ってきたものを、最後に手放すのはいつだって52代目なんだよな。 25. 海外の名無しさん(>>24への返信) 手放したと言っても、宿は新しい会社のもとで続いているし、潰したわけじゃない。跡を継ぎたい親族がいなかったのは52代目のせいでもないだろう。1300年分の重さを一代で背負わされた人にそれを言うのは、さすがに酷だよ。 まとめ 705年創業とされ、ギネス世界記録で「世界最古のホテル」と認定された山梨県の西山温泉 慶雲館。52代にわたって一族が受け継いできたと紹介されるこの宿は、2017年、跡を継ぎたい親族がいなかったことで新しい持株会社のもとに移ったという。コメント欄では「そもそも養子で家をつないできたのでは」「法律上も家族なら同じ一族だ」と血筋をめぐる議論が続き、金剛組の話や、建て直しても同じ建物だと考える感覚にまで話が広がった。湯が湧き、宿が開いている限り、1300年の歴史はまだ途切れていないのかもしれない。 元ソース: 世界最古のホテルとされる日本の西山温泉 慶雲館は、1300年以上にわたって同じ家系が営んできたが、いまは一族経営ではない。2017年、跡を継ぎたい親族がいなかったことで52代続いた一族の継承が途切れ、宿は新しい持株会社に移された The post 「跡を継ぎたい親族がいなかった」705年創業・ギネス認定の“世界最古のホテル”で、52代続いた一族経営が途切れていた appeared first on みんな知ってた?【海外の反応】.…