出張先のホテルの朝食には、卵をその場で焼いてくれるコーナーがある。ただそれだけの話なのに、投稿者は出張4日目の朝、国際線に乗るときと同じ真剣さで目覚ましをかけていた。相手は同じ会社の同僚。そして二人は、この件について声に出しては一度も触れていない。にらみ合いも宣戦布告もないまま、朝食会場でだけ、4日間ずっと戦争が続いている。 ※注:海外のホテルの朝食バイキングには、料理人がその場で卵を焼いてオムレツを作ってくれるコーナーが置かれていることが多い。具材を選んで頼むと数分で焼き上がる、朝食会場の目玉のような一角である。この話は、そのコーナーだけで4日間続いた。 何をやらかした? 📌 中国・深圳(シンセン)への出張中、投稿者は同僚のカーラと、ホテルの朝食のオムレツをめぐる無言の戦争に突入した。2日目、先に来ていたカーラが2つ頼んだせいで卵液が底をつき、投稿者はボウルの底の残りだけを受け取る。3日目は目覚ましをかけて先回りし、4日目はさらに15分早めた。それでもカーラは、すでに座って食べていた。両者ともこの件について、声に出しては一言も触れていない。投稿者は明日この街を発つ。そして本人いわく、オムレツはそこまで好きではない。 事の発端 会社が押さえた、ごく普通の出張 投稿者と同僚のカーラは、仕事で深圳に来ていた。泊まっているのは深圳湾のそばにある、会社が手配したごく普通のホテル。出張そのものには何ひとつ特別なところがない。朝食は宿泊費に含まれていて、会場にはくだんのオムレツのコーナーがあった。焼いているのは一人だけ。手際がよく、味もいい。 初日に見た、ほんの一瞬のためらい どうやら、一人あたり何個までという上限がゆるく決まっているらしかった。というのも初日、カーラが2つ目を頼んだとき、その料理人が目に見えて一瞬ためらったからである。もっとも、投稿者はそのときは何とも思っていない。「同じ人が2回頼むと、ちょっと嫌な顔をされるらしい」——その程度の観察として、頭の隅に置いただけだった。翌朝までは。 やらかしの一部始終 2日目 ——ボウルの底に、ひとすくい分 投稿者が朝食会場に着いたのは、カーラの4分後だった。たった4分。それなのに、料理人が使っている卵液のボウルには、誇張抜きで底にひとすくい分しか残っていなかった。カーラは先に来て、2つ頼んでいたのである。投稿者の皿に乗ったのは、そのかき集めた残りだった。 そしてカーラは、2つ目のオムレツを食べながら、投稿者の目をまっすぐ見てこう言った。「もっと早く降りてくればいいのに」。早く降りてこなければならなくなった原因そのものが、目の前で2つ目を食べながらそう言っていた。 3日目 ——朝食バイキングのために、目覚ましをかけた その夜、投稿者は目覚ましをセットした。仕事の出張中に、ホテルの朝食のために、本物の目覚ましを。翌朝は先に会場へ降り、無事に自分のオムレツを注文する。勝利を噛みしめている最中にカーラが入ってきて、投稿者の皿を見た。彼女は何も言わなかった。ただ、小さくうなずいた。陣地を一つ取られたことを認める指揮官のような、あのうなずきである。 しかも彼女が来たのは投稿者の90秒後で、卵液はまだ残っていた。つまり彼女は、怒ってすらいなかった。ただ静かに、自分の基準を引き上げただけだったのだ。カーラは自分の分を頼むと、投稿者の真向かいに腰を下ろした。同じテーブルの他の面々が客先との打ち合わせについて話しているあいだ、二人は一言も交わさないまま黙々と食べた。 4日目 ——15分早めた目覚ましの、その先にいた 今朝、投稿者は目覚ましを前日よりさらに15分早めた。降りていくと、カーラはすでにそこにいた。すでに食べていた。投稿者が調整した時刻を、さらに上から抜いてきたのである。 夜中に計算していたのか、それとも生まれつきそういう人なのか、投稿者には判断がつかない。ただカーラはあまりに落ち着き払っていて、まるで1時間前からそこに座り、投稿者が入ってきて自分の食べている姿を目にするその瞬間だけを待っていたかのようだった。 その後 そして重要なのは、二人がこの件について、声に出しては一度も触れていないという点である。一度もだ。客先に出す資料の話はした。帰りの便の時刻の話もした。6階のエレベーターが何だか妙なにおいがする、という話までした。オムレツの件だけが、まるごと会話から抜け落ちている。この戦争は、視線と、朝食会場へ向かうときのわずかに速すぎる歩調だけで成立している。 投稿者は明日、この街を発つ。どう終わらせればいいのか、まるで分からない。そもそもオムレツがそこまで好きなわけでもない。「たぶん自分は、もう負けられなくなっているだけなんだと思う」と本人は書いている。夫にこの一部始終を送ったところ、返ってきたのは「きみ、誰?」の一言だった。もっともだ、と投稿者も認めている。自分でも、自分が誰だったのかよく分からなくなっている。 海外の反応 1. やらかし名無しさん 明日は彼女より30分早く行って、オムレツとはまったく関係ないものを食べながら座っていろ。向こうは「今日は何時に降りてくるか」しか考えていないんだから、こっちは戦う土俵ごとずらす。これが上級者の戦い方だよ。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) そのうえで彼女の皿を横目で見て「え、今日もオムレツ食べるんだ。あの人があんなこと言ってたのに」とだけ言う。何のこと?と聞かれても、はぐらかして絶対に答えない。これで一日中もたせられる。 3. やらかし名無しさん(>>2への返信) 朝からその悪知恵がすらすら出てくるの、いったい何者なんだ。クリスマスに家々を回って、こういうものを枕元に置いていってそうだよ。 4. やらかし名無しさん(>>1への返信) もっといいのがある。料理人が出勤してくる前にコーナーに立って、その人のぶんのオムレツを焼きながら待っていればいい。そこまでいくと、カーラは何時に降りてきても勝てなくなる。 5. やらかし名無しさん(>>1への返信) 自分ならまず料理人と名前で呼び合う仲になるな。家族の話でも聞いて、毎朝ちょっと世間話をする。ヨーグルトを食べて、友達を作って、そして支配する。オムレツは最後に向こうからやってくる。 6. やらかし名無しさん 3000円ぐらい包んで渡しておけばいい。彼女が来たら「卵液はもう終わりました」と一言だけ言ってもらう。この戦争、実は数千円で決着がつくんだよ。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) 勝てるとは思う。ただ、それをやった瞬間から、残りの出張中ずっと料理人と共犯者として目を合わせ続けることになる。朝食のたびに小さくうなずき合う関係、けっこうしんどいと思うよ。 8. やらかし名無しさん 無言でにらみ合って、歩く速度だけが日に日に上がっていく。これ、恋愛映画の前半30分でよく見るやつなんだよな。だいたい最終日の空港でどちらかが振り返る。 9. やらかし名無しさん(>>8への返信) 投稿者には夫がいて、その夫に実況まで送っているからね。これは色恋ではなく、混じりけのない純粋な戦争だと思う。むしろそのほうが怖い。 10. やらかし名無しさん そこは疑問なんだけど、数百人が泊まっているホテルで、朝食が始まって数分で卵液が尽きるのは普通におかしくないか。二人の到着時刻でその日の在庫が左右されるような規模の話ではないと思う。 11. やらかし名無しさん(>>10への返信) それだよ。これは二人の戦いじゃなくて、二人ともオムレツのおじさんに転がされているだけなんだ。卵は業務用の紙パックで届くはずで、無くなったら開ければ済む話でしょ。 12. やらかし名無しさん(>>10への返信) 提供時間内に卵が切れているなら、それは客が早起きで解決する問題ではなくてフロントに一言伝えていい話だと思う。とはいえ今の投稿者に、そんな冷静な判断ができる状態には見えないけど。 13. やらかし名無しさん 話がきれいに出来上がりすぎていて、正直ちょっと作り話を疑った。ただ、出張3日目あたりの人間の思考回路としては、悔しいけどリアルすぎるんだよな。 14. やらかし名無しさん(>>13への返信) 「朝食バイキングのために、本物の目覚ましをかけた」の一行で自分は信じたよ。作り話ならもっと格好のつく理由をひねり出すはずで、あんな情けない告白はわざわざ書かない。 15. やらかし名無しさん やっぱり「もっと早く降りてくればいいのに」の破壊力がすごい。自分が原因で相手が早起きする羽目になっているのに、それを完全に他人事として言い切っている。天性の素質を感じる。 16. やらかし名無しさん 出張って3日目くらいから、朝食バイキングがその日の唯一の楽しみになるんだよ。あそこで負けると本当に一日中引きずる。笑い話に聞こえるけど、経験者としては笑えない。 17. やらかし名無しさん(>>16への返信) 分かる。打ち合わせも客先の反応も自分の努力ではどうにもならないのに、朝食だけは早く起きれば必ず結果が出るからね。だから普段は温厚な人ほど、あそこで妙に熱くなる。 18. やらかし名無しさん 自分がいちばん怖いと思ったのは、90秒後に来て卵液がまだ残っていたので、彼女が怒りもせずただ翌日の基準を上げたところ。感情を挟まずに条件だけ更新してくる相手が、いちばん勝てない。 19. やらかし名無しさん 終わらせ方を一つ提案しておく。最終日の朝は誰よりも早く降りて、オムレツには目もくれず、ヨーグルトだけ食べて静かに立ち去るんだ。カーラの中でこの4日間は永久に終わらないまま残る。 20. やらかし名無しさん 旦那さんの「きみ、誰?」が的確すぎて笑った。でも大丈夫、これは出張という環境が一時的に人格をおかしくしているだけで、家に帰って自分の台所で卵を焼けば、たぶん元に戻れる。 まとめ ホテルの朝食のオムレツをめぐって、同僚と4日間の無言の戦争を続けてしまった投稿者。海外の反応は「30分早く行って別のものを食べていろ」「料理人と友達になれ」といった作戦会議で盛り上がる一方で、「そもそもホテル側の在庫管理がおかしい」「二人とも料理人に転がされているだけだ」という冷静な指摘も並んだ。出張先では、自分の努力でどうにかなるものが朝食くらいしかない。だから人はオムレツで本気になる。夫の「きみ、誰?」が、この4日間のすべてを言い当てている。 元ソース: ホテルのオムレツをめぐって同僚と無言の戦争を始めてしまい、もう4日目になる The post 「もっと早く降りてくればいいのに」2つ目のオムレツを食べながら言われて、翌朝から目覚ましをかけた話 appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…