夜11時に一人で駐車場まで歩く仕事を始めたきょうだいのために、投稿者は護身用の催涙スプレーを買った。ところが渡しそびれたまま3週間、それは車のダッシュボードの物入れに転がりっぱなしになる。そして甥の誕生日会に遅刻しかけていた地下駐車場で、投稿者はふと思った。「夏のあいだ車に置きっぱなしだった。いざというときに効かないものを渡すわけにはいかない」——ここまでは、悪くない考えだったのだ。 ※注:アメリカでは護身用のスプレーが薬局や通販で普通に売られていて、夜道を歩く家族に持たせるのもさほど珍しいことではない。日本では所持や携帯をめぐる扱いが違うため、気軽に買って贈り物にできるという感覚とは少しずれる。そこは前提の差として読んでほしい。 何をやらかした? 📌 夜11時に一人で駐車場まで歩くきょうだいのために買った催涙スプレーを、渡しそびれて3週間ダッシュボードに放置。使用期限が心配になった投稿者は、甥の誕生日会の直前、地下駐車場に停めた自分の車の中で中身を確かめようとした。窓は全部閉まったまま。噴射されたものは映画のように一直線には飛ばず、円錐状に広がって狭い車内を一瞬で満たした。投稿者は目を開けられないままドアから転げ落ち、コンクリートの上で四つん這いになる。誕生日会には40分遅れ、真っ赤な顔と涙まみれで到着した。 事の発端 夜11時、一人で駐車場まで歩くきょうだい 投稿者のきょうだいが、新しい仕事を始めた。彼女の勤務が終わるのは夜の11時ごろ。そこから一人で自分の車まで歩くことになる。身内としては当然、心配になる時間帯だ。そこで投稿者は護身用の催涙スプレーを買い、次に会ったときに渡そうと考えた。ここまでは、どこにでもあるきょうだいの話である。 3週間、物入れの中で転がっていた ところが、いざ渡す機会が来ると、そのたびに頭からすっぽり抜け落ちる。結局そのスプレーは、車のダッシュボードの物入れの中で3週間を過ごすことになった。しかも季節は夏。炎天下に停めておけば、車内の温度は50度を超えることもある。投稿者の頭の片隅には「あの缶、大丈夫だろうか」という引っかかりが、うっすらと残り続けていた。 やらかしの一部始終 甥の誕生日会に遅刻しかけていた、地下駐車場で 土曜日、甥の誕生日会の日。投稿者はすでに遅刻しかけていた。彼女たちの住む建物の地下駐車場に車を停め、さあ上がろうというところで、例の引っかかりが急にせり上がってくる。効くかどうか分からないものを、夜道を一人で歩く相手に持たせるわけにはいかない——このスプレーには使用期限があるし、しかも夏じゅう車の中で揺られていたのだ。 そこで投稿者は、その場で中身が生きているかどうか確かめることにした。車の中で。 「これでも一応、考えた上での行動だった」 本人が投稿の中でわざわざ強調しているのは、これが一瞬の思いつきではなかった、という点である。自分なりに考えた上での行動だったのだ、と。自分から遠い側、つまり助手席の足元に向けること。そして、ごく短く一度だけにすること。この二つを守れば大丈夫だろう——それが投稿者の立てた「計画」だった。ただし、その計画には決定的に足りていないものが一つあった。 そして投稿者は、こう書いている。「はっきり申し上げておくと、窓は全部閉まっていました。1枚下ろすという発想が、どういうわけか浮かばなかったからです」。 映画のように、一直線には飛ばない 実際に起きたことは、投稿者の想定とはまるで違っていた。映画で見るような、狙ったところへまっすぐ伸びていく細い線ではない。広がりながら進む円錐状の霧で、密閉された狭い空間なら一瞬で端から端まで届いてしまう。 投稿者の目は、自分の意思とは無関係に閉じた。そして開かなくなった。手探りでドアを開け、そのまま外へ転げ落ちる。そこからの数分間は、自分の車の脇のコンクリートに四つん這いになったまま、これまでの人生で出したことのない種類の声を出し続けていた、と本人は書いている。3台先で買い物を積み込んでいた夫婦が、救急車を呼びましょうかと声をかけてきた。 その後 投稿者が誕生日会の部屋に現れたのは、40分遅れてからだった。顔は真っ赤で、涙は止まらず、眉のあたりも見られたものではない。義理の母は投稿者を見るなり、とても優しい声で「家で何かあったの?」と尋ねてきたという。部屋にいた人の半分は、投稿者がひとしきり泣いてから来たのだと思っていた。そこから投稿者は、同じ説明を9回、別々の相手に繰り返す羽目になる。 車のほうも、いまだに元に戻っていない。5日間ずっと窓を全開にして走っているのに、段差で揺れるたびに何かが舞い上がり、喉の奥に来る。妻はもうその車に乗ろうとしない。 そして肝心の彼女は、結局そのスプレーを受け取らなかった。断り文句がまた効いている。「そのスプレーがちゃんとしたものなのか、正直、自信が持てない。だって効くという証拠が、あなたのその顔しかないんだもの」。効くことを証明するために身をもって確かめたのに、その証明そのものが、贈り主の判断力への不信につながってしまったわけである。 海外の反応 1. やらかし名無しさん 読みながら「ダーウィン賞」という言葉が頭をよぎった。あまりに間抜けなやり方で自滅して、自分から子孫を残す機会を手放してしまった人に贈られる、非公式のネタ賞のことなんだけど。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) あれって亡くなった方に贈られるものでは…? 投稿者はちゃんと生きて帰ってきて、しかも誕生日会にまで出席しているんだが。 3. やらかし名無しさん(>>2への返信) 基本はそうなんだけど、生き延びた人向けに「特別枠」みたいなものがあるらしいよ。今回のはまさにそこ。あと本人の体感としては、たぶん数分間は本気で死を覚悟していたと思う。 4. やらかし名無しさん とっさの判断ミスならまだ分かるんだ。誰にでもある。この話がおかしいのは、投稿者が「自分には計画があった」と胸を張って書いているところだと思う。 5. やらかし名無しさん(>>4への返信) 「はっきり申し上げておくと、窓は全部閉まっていました」の一文で完全にやられた。自分から先に言いに行く正直さは嫌いじゃない。 6. やらかし名無しさん 彼女に小型のスタンガンを買った男の話を思い出した。あまりに小さいので、本気で襲ってくる相手を本当に止められるのか自信が持てなかったらしい。それでソファに座って、脚に軽く一発だけ当ててみることにした。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) その手の道具は全身の筋肉を固めるので、ボタンを押している親指まで固まって離せなくなるんだよね。その男性は気がついたときにはソファから転げ落ちていて、自分で漏らした水たまりの中に伸びていたそうだ。 8. やらかし名無しさん(>>6への返信) 共通点は「効くかどうかを、自分の体で確かめようとした」ところだよな。護身用の道具って、効くと分かった瞬間にいちばん困るのが自分だという構造になっている。 9. やらかし名無しさん 眉毛のあたりが見られたものではなかった、と書いてあるけど、催涙スプレーで眉って何かなるものなの? そこだけどうしても分からなかった。 10. やらかし名無しさん(>>9への返信) 物理的に無くなったわけじゃなくて、涙と鼻水と手のひらでぐしゃぐしゃにこすられて、原形をとどめていなかったという意味だと思う。目が開かない状態で、顔じゅう無意識にごしごしやっていただろうし。 11. やらかし名無しさん 車の内装は自力での消臭をあきらめて、専門の業者に出したほうがいい。あの手の成分は布のシートと天井、それにエアコンの吸気の通り道にまで入り込んでいるはず。窓を開けて走るだけでは何か月も抜けない。 12. やらかし名無しさん きょうだいの断り方がうますぎる。「効くという証拠がその顔しかないので、ちゃんとしたものを買ったのか自信が持てない」——理屈としては完璧に通っているぶん、余計にひどい。 13. やらかし名無しさん(>>12への返信) たぶん本音は「そもそも持ち歩きたくなかった」だと思うよ。渡しそびれたまま3週間放置されていたわけだし、断る理由が向こうから飛び込んできたので、ありがたく使わせてもらった感がある。 14. やらかし名無しさん せめて運転中じゃなかったのが救いだと思う。走りながら同じことが起きていたら、目を開けられないまま数秒進むわけで、ガードレールか対向車に突っ込んで終わっていた。停まっていて本当によかった。 15. やらかし名無しさん うちの国では、こういうスプレーは一般の人が持ち歩けないことになっている。今までは何となく厳しすぎると思っていたけれど、この投稿を読んで、規制している側の気持ちが少しだけ分かってしまった。 16. やらかし名無しさん 高校生のとき、授業が始まる2分前に車の中で同じものを誤って作動させたことがある。教室に入った瞬間、後ろの席から順番に咳が広がっていったあの光景はいまだに覚えている。 17. やらかし名無しさん 子どもの誕生日会に40分遅れ、真っ赤な顔と涙で現れて、義理のお母さんに「家で何かあったの?」と優しく聞かれる。その場面を想像しただけで、こちらの胃が痛くなってきた。 18. やらかし名無しさん(>>17への返信) しかも同じ説明を9回だからね。1回目はまだ笑い話として話せても、5回目くらいから確実に声が死んでくるやつ。本当の罰はそっちだったと思う。 19. やらかし名無しさん 一つだけ補足しておくと、噴射のかたちは製品によってけっこう違う。今回のように広がって出るタイプもあれば、細く直線的に飛ぶタイプもある。ただ、狭い車内でどちらを選んでも結果はあまり変わらなかっただろうけど。 20. やらかし名無しさん シャツのしわを伸ばそうとして、着たままアイロンをかけて火傷した人の話が過去にあったけど、今回はそれより上を行っている気がする。書き方もうまくて、読んでいるあいだずっとこちらの目までしみていた。お大事に。 まとめ 夜道を歩くきょうだいの身を案じて買った護身用のスプレーを、渡す前に自分で浴びてしまった投稿者。海外の反応では「計画があったと書いているところが一番おかしい」と笑う声が大半だった一方で、車の消臭方法を心配する現実的な助言や、自分も似たことをやったという告白、「運転中でなくて本当によかった」と胸をなでおろす声まで並んだ。善意で始まった行動が、いちばん近い人からの信頼をちょっとだけ削ってしまう——読後にじわじわ効いてくるのは、たぶんそこである。 元ソース: まだ効くかどうか確かめようとして、車の中で催涙スプレーを噴射してしまった The post 「窓は全部閉まっていました。1枚下ろすという発想が浮かばなかったんです」地下駐車場での数秒… appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…