シャワーの床に座り、熱いお湯を浴びながらぼんやり考えごとをする。ここまではよくある話だ。ただしタイルは硬い。そこでこの投稿者は、スーパーで3ドル(約450円)の浮き輪を買ってきて床に敷いた。プールにも水がある、シャワーにも水がある、だったらいけるはずだ——いけなかった。その日の朝、彼はシャワーの床に張り付いて動けなくなる。 ※注:「シャワービール」は、シャワーを浴びながら缶ビールを1本空ける欧米の習慣。仕事終わりの切り替え方として定番で、これ専用の缶ホルダーまで売られている。 何をやらかした? 📌 シャワーの床のタイルが硬いのが嫌で、3ドルの浮き輪を敷いて座ったところ、浮き輪と床の間に強力な吸盤効果が発生。床に張り付いたまま、約48℃のお湯を浴び続けるはめになった。しかも蛇口には手が届かない。 事の発端 タイルが硬い、悩みはそれだけだった 投稿者は、家で自分をいたわる時間を大事にするタイプだ。シャワーの温度をぐっと上げ、床に座り込んで湯を浴びながら考えをまとめる。シャワービールもよく飲む。要するに、風呂場が彼の避難所である。 唯一にして最大の不満は、シャワーの床のタイルが硬いこと。長く座っていると体が痛くなる。何か敷けるものはないか——本人の言葉を借りれば「回避策を探していた」。 3ドルで見つけた「これだ」 ある日、ウォルマート(アメリカ全土にある大型スーパー)でボート用の浮き輪が3ドルで投げ売りされているのを見つけた。ここで投稿者の頭に電球が灯る。プールにも水がある、シャワーにも水がある、だったら問題なく使えるはずだ。 結論から書くと、この理屈はまったく成立しない。浮き輪は水に浮かべて使う道具であって、硬い床に置いて上から体重をかける道具ではないからだ。 やらかしの一部始終 座った瞬間、人間サイズの吸盤が完成した 浮き輪をシャワーの床に敷き、その上に腰を下ろす。ここで何が起きたか。浮き輪の底の輪がタイルにぴたりと密着し、体重で内側の空気と水が外へ押し出される。逃げた分だけ内側の圧力が下がるので、あとは外側の水圧と大気圧が浮き輪ごと投稿者を床へ押さえつける。つまり、人間サイズの吸盤が一つ完成したことになる。 厄介なのは、この吸着が時間とともに強くなっていくことだ。普通なら縁の隙間から空気が入り込んで自然に剥がれるのだが、周囲を流れ続けるお湯が縁を塞いで空気の侵入を防いでしまう。しかも、もがけばもがくほど体は浮き輪の内側へ深く沈み込み、残っていた空気がさらに押し出される。抜け出そうとする動作が、そのまま吸着を強める動作になっている。投稿者いわく「水が流れるほど、そしてもがくほど強くなる」。 湯温は約48℃、蛇口には手が届かない くつろぐつもりだったので、お湯の温度はかなり上げてあった。華氏118度、摂氏に直すとおよそ48℃。日本の給湯器を最高設定にしてもまず出ない温度で、うっかり手を突っ込んだら反射的に引っ込めるレベルである。それが顔と体に降り注ぎ続ける。息継ぎのタイミングを計らないと、まともに呼吸もできない。 止めればいいという話なのだが、床に張り付いた姿勢からは蛇口に手が届かない。手を浮き輪と体の間に差し込んで密着を破ろうとしたものの、もがいたせいで体がチューブに深くはまり込み、腕を入れる隙間そのものが消えていた。あとから考えれば、上からではなく下から——床と浮き輪の間に指をこじ入れて剥がすべきだった。本人も「パニックと窮屈な体勢のせいで、判断が完全に鈍っていた」と認めている。 できることは笑うことだけだった。このまま消防を呼ぶことになったら、うちみたいな小さい町だと地元紙に載るんじゃないか。浮き輪に張り付いた男、救出される——と。 その後 投稿者を救ったのは、一つの事実を思い出したことだった。これは3ドルの、空気で膨らませただけのビニールである。つまり、壊してしまってかまわない。 手の届く範囲——頭の後ろにある仕切り壁の上——には、歯ブラシとスマートフォンが置いてあった。投稿者は歯ブラシをつかみ、浮き輪に突き立てて空気を抜いた。しぼんだ瞬間に吸着は消え、人間サイズの吸盤はただの3ドルのゴミに戻った。消防への通報も、地元紙の一面も回避された。 「謙虚な気持ちにさせられる出来事だったが、今の自分は自由だ。もう二度とやらない」と投稿者は締めくくり、最後に一行だけ教訓を残している。浮き輪をシャワーの床で使ってはいけない。座った瞬間、人間サイズの吸盤ができあがる。 海外の反応 1. やらかし名無しさん 題名を見た時点で、もっと取り返しのつかない方向の話だと身構えてしまった。まさか正解が「投げ売りされていた3ドルの浮き輪」だとは、誰も予想できないだろう。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) 分かる。シャワーで身動きが取れなくなった告白と聞いて、真っ先に浮き輪を候補に挙げる人はこの世にいない。実際は物理の話でしかなかったのが、かえってすごい。 3. やらかし名無しさん 去年体を壊したとき、薬局で6000円くらいのシャワー用の椅子を買った。おかげで好きなだけシャワーの下に座ってぼんやりできる。文句なしにおすすめしたい。頼むから3ドルで解決しようとしないでほしい。 4. やらかし名無しさん(>>3への返信) 大学のとき、寮のシャワー室が8人同時に浴びられる広い作りだった。感謝祭の休み(11月末の祝日で、学生はたいてい実家に帰る)に一人だけ残ったので、庭用の椅子とビールを一箱持ち込み、シャワーヘッドを全部出しっぱなしにして激しめの音楽を流した。妙に癒された記憶がある。 5. やらかし名無しさん 今後のために書いておくと、この手の吸着は空気を入れれば一発で解ける。浮き輪と体の間、あるいは浮き輪と床の間に手を差し込んで、手首をひねって隙間を作ればいい。道具はいらない。……とはいえ、その手が入らない状況だったんだろうな。 6. やらかし名無しさん(>>5への返信) 投稿者だけど、まさにそれをやろうとして失敗した。もがいたせいで体がチューブに深くはまり込んで、腕を差し込む隙間そのものが無くなっていた。今思えば下から剥がすべきだった。パニックと苦しい体勢で、完全に思考が止まっていた。 7. やらかし名無しさん 蛇口には手が届かなかったのに歯ブラシには届いた、という一点がどうしても引っかかっている。その浴室、いったいどういう配置になっているんだ。 8. やらかし名無しさん(>>7への返信) 投稿者です。歯ブラシとスマートフォンは頭の後ろの仕切り壁の上に置いてあって、そこには手が届く。蛇口は足元側の壁にあるので、体を起こさないと届かない。説明しにくいので、手描きの図を投稿しておいた。 9. やらかし名無しさん(>>8への返信) 冗談抜きで、この図には感謝したい。文章だけでは想像がつかなかった配置が一発で理解できた。 10. やらかし名無しさん(>>8への返信) いつものことだが、下手な手描きの図というのは話を10倍面白くする。これがきれいに描かれていたら、逆に台無しだったと思う。 11. やらかし名無しさん 昔、ぎりぎり住めるかどうかという古いトレーラーハウスに住んでいた。シャワー中、浴槽の中をムカデだかクモだかが歩いていたので、シャワーヘッドで排水口へ流そうとしたら、そいつが真っすぐこちらへ向かってきた。パニックで滑って浴槽から転げ落ち、シャワーカーテンを引きちぎり、床板を突き破って肘が下まで抜けた。頭は便器を数センチ外れたくらい。裸のまま息が詰まって、カーテンにくるまれて、水は出しっぱなしで、体の半分が床に埋まっている。一人暮らしで本当によかった。 12. やらかし名無しさん(>>11への返信) 落ち込まなくていい。あなたの場合は少なくとも本物の虫だった。私はワインを2杯飲んだ夜に同じことをやっている。全身黒い制服の飲食店勤めで、帰宅して眼鏡を外してシャワーを浴びたら、足元に巨大な黒い毛玉のような塊が漂ってきた。悲鳴を上げて逃げようとしてカーテンに絡まり、泡だらけのまま尻もちをついた。正体は、おろしたての黒い靴下から出た毛玉だった。眼鏡がないと見分けがつかない。 13. やらかし名無しさん シャワービールという概念について、もう少し詳しく教えてほしい。48℃のお湯と冷えたビールの組み合わせ、どう考えても相性が良さそうには思えないんだが。 14. やらかし名無しさん(>>13への返信) 一日働き切ったあとに力を抜く手段としては最高だよ。熱い湯を浴びながら冷たいものを流し込む落差が良い。一度慣れると、もう戻れなくなる。 15. やらかし名無しさん 腰が悪いので熱い風呂に長く入るんだけど、風呂ビールという選択肢はどうだろうか。うちの湯温もたぶん48℃を超えている。ただし缶を開けるのは、湯がプールくらいの温度まで下がってからにしたほうがよさそうだ。 16. やらかし名無しさん 救急の仕事をしていたとき、浴槽から出られなくなった男性の要請で呼ばれたことがある。転んで立てないという話かと思ったら違った。体格と姿勢の関係で妙な吸着が起きていて、私と相棒、それに最初に到着した消防隊の人数を足しても、いつもの「持ち上げて引く」では歯が立たなかった。結局、浴槽を切断して救出した。とても感じの良い方で、気の毒だった。今もあの住所の近くを通ると思い出す。 17. やらかし名無しさん(>>16への返信) うちの母が私を妊娠していたときに同じことになったらしい。浴槽でうつぶせに寝そべっていたら吸い付いてしまって、姉は笑いすぎて漏らし、笑いが止まらないせいで父を呼びに行けなかったそうだ。母は20分ほど張り付いたままだったと聞いている。 18. やらかし名無しさん 私も背中で似た経験がある。腰の反りが人より大きい体質で、子どもの頃から「湯を抜きながら浴槽に仰向けで寝る」のが不安を鎮める儀式だった。ある日それをやったら、腕を頭の上に伸ばしたせいでいつもより反りが深くなっていたらしく、背中にゴボゴボという感触が走った次の瞬間には浴槽に吸着していた。浴槽が細くて腕を差し込めず、もがくほど引っ張られる。最終的に大声で夫を呼んで剥がしてもらった。剥がれるときの音がすごかったうえに、背中には三角形のあざが残った。翌年引っ越して最初にやったのは、浴槽に滑り止めシールを貼ることだった。 19. やらかし名無しさん シャワーの床に座るのが自分だけじゃないと分かって安心した。あそこは世界でいちばん落ち着ける場所だと思っている。ただし何も敷かない。硬さは硬さとして受け入れるのが正解だ。 20. やらかし名無しさん 自分が抱えていないことにすら気づいていなかった問題を、今日ここで知ってしまった。ありがとう、あなたの犠牲は無駄ではない。腹の底から笑えたおかげで、今日一日の機嫌がすっかり良くなった。無事に脱出できて本当によかった。 まとめ 硬いタイルの上に3ドルの浮き輪を敷く。たったそれだけの思いつきが、人間サイズの吸盤と48℃の湯という組み合わせに化けた。コメント欄には「吸盤は空気を入れれば解ける」という実用的な助言と、浴槽に吸い付いた人・靴下の毛玉に悲鳴を上げた人の告白が並び、最後は投稿者の手描きの図が全部さらっていった。風呂場でくつろぎたいなら、素直に椅子を買うのが安いという話である。 元ソース: シャワーの床に吸盤みたいに張り付いてしまった話 The post 「シャワーの床が硬いから」3ドルの浮き輪を敷いて座ったら、人間サイズの吸盤ができあがった話 appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…