1: 七波羅探題 ★ 2025/07/17(木) 16:41:47.16 ID:Jqw/Exe+9 大阪・関西万博が"全面禁煙"をやめた背景 (前略) ■緩すぎる「喫煙目的店」と「喫煙可能店」の運用 筆者が問題と思うのは飲食店における喫煙問題だ。前述の「喫煙目的店」と「喫煙可能店」についての運用がルーズで「法の抜け穴」に映る。 まず、「喫煙目的店」とは特定飲食提供施設とされ、タバコを吸うこと自体が営業目的とされている店舗だ。要件は以下だ(すべての条件を満たす必要がある)。 ① 設備 加熱式たばこ・紙巻きたばこが吸える喫煙専用室または店内全体が喫煙可 ② 顧客 20歳未満の入店禁止(従業員も含む) ③ 形態 喫煙を主目的(葉巻バー、シガーバーなど)とし、タバコの販売を行う。したがって主食は提供できない。 ④ 表示義務 「喫煙目的店」との標識を店頭に掲示 重要なのは③だ。これは喫煙を目的としたシガーバーなどを想定して例外的に喫煙を認めたものなのだが、市街地を歩いていると普通の喫茶店や居酒屋が喫煙目的店として営業しているのが目立つ。普通の喫茶店や居酒屋等と同じでも、喫煙目的店となれば分煙すら必要がないのだ。 主食を提供しないことも喫煙を主目的とする「喫煙目的店」としての要件であるはずなのだが、ごはんや麺類を提供している店舗も目に付く。健康増進法を所管する厚労省は自治体の保健所の判断だといい、自治体に取材すると厚労省の規定があいまいで指導できないという。 ■「店内は煙たいですが、子どもも入店できます」 もう一つの例外は「喫煙可能店」だ。あくまで通常の飲食店だが、一定の要件を満たすことで喫煙が許容される「経過措置的」な店舗だ。要件は下記の通りだ。 ① 経営規模 資本金5000万円以下の中小企業が経営 ② 店舗面積 客席面積100m2 以下(一部自治体により異なる) ③ 開業時期 2020年4月1日以前に開業 ④ 喫煙可範囲 店内全体または一部が「喫煙可能室」 ⑤ 顧客 20歳未満は立ち入り禁止(標識掲示義務あり) ⑥ 表示義務 「喫煙可能店」などの標識が必要 以前、東北の焼きそばで有名な地域で、焼きそばのれん会加盟店舗がこの喫煙可能店だった。焼きそばを売りにしている店が分煙すらしていない全店喫煙可能な店舗であることに驚いた。また、甲府駅近くの有名な老舗喫茶店に行ったときも同様だった。 銀座にも喫煙可能店があった。ただ、平日は喫煙可能店、土日祭日は禁煙という表示があった。所管の保健所に尋ねたら、喫煙可能店として届け出はたしかにあるが、曜日等で禁煙として20歳未満の者を入店させることは許されてはいないということだった。店に確認してみたが、なんと平日の喫煙可能時間でも、「店内は煙たいですが、子どもも入店できます」という回答だった。明らかに健康増進法違反だ。 喫煙可能店は経過措置として定められたものだが、健康増進法で定められてから5年が経過するのに経過措置を終了する気配がいまのところない。健康増進法附則7条は施行5年後に同法の規定の検討と、必要な経過措置を定めている。このまま国が何もしなければ、経過措置と言いながら永久に続くことになる。東京都や大阪市など独自の条例を持っている自治体もあるが、国としての飲食店の対策はかなり甘い。 ■分煙を進めながらの対応にも理解できるが… 以上、現状を見てきた。望まない受動喫煙を目指すためにも、分煙を進めながらの対応になることは理解できるが、法の抜け穴と言えるような状況が放置されている。 喫煙する立場からすれば、むしろ喫煙目的店、喫煙可能店はタバコを吸わない者を実質追い出しているのだから分煙はできていると主張するのだろうか。しかし、タバコの健康被害は明らかであり、こうした店舗の存在自体が新たな喫煙者の増大、タバコを止められない者を増やしている側面がある。 万博会場の喫煙問題は、施設が大規模なだけに会場内全面禁煙という方針が転換されたことになるが、万博協会からすれば、結局、ルール違反者が増えて分煙すら危ぶまれるという判断だったのであろう。 東京オリンピックを契機に健康増進法が改正され、受動喫煙をなくすことが基本方針だが、最終的には屋内禁煙の環境整備を目的とし、現実的な移行策として段階的な分煙から禁煙へ進めていく形となっている。しかし、分煙でよしとする政治勢力も大きい。少なくとも脱法行為や規制のあいまいさに付け込んだ対応は許されない。この問題は引き続き注視が必要だ。 ---------- 細川 幸一(ほそかわ・こういち)日本女子大学名誉教授 ※全文は出典先で 2025/07/17 8:00 PRESIDENT Online 引用元: ・【禁煙】国会議員が作った「ザル法」のせい…日本全国にある「喫煙目的店」「喫煙可能店」の杜撰な実態 [七波羅探題★]…