壁の向こうから聞こえてくる鳴き声で毎朝叩き起こされる生活が数か月も続けば、たいていの人はどこかおかしくなる。投稿者が選んだ対抗手段は、鳴き返すことだった。ギャアと鳴かれたらギャアと返し、口笛には口笛で応じる。ただの八つ当たりのつもりで始めたこの2週間の応酬が、まさか隣人にドアをノックされ、頭を下げて頼み込まれる展開になるとは、本人も想像していなかった。 ※注:この話に出てくるような大型のオウムは、種類によっては50年から80年ほど生きる長寿の鳥である。野生では群れで暮らし、仲間どうしで鳴き交わして「そこにいるか」を確かめ合う習性が強い。人間の言葉や生活音をまねるのも、この「声で仲間とつながる」性質の延長にあるとされる。相手を失うと目に見えて弱ってしまうことがあるのも、そのためだと言われている。 何をやらかした? 📌 壁の薄いアパートで、隣室のオウムの鳴き声に数か月悩まされていた投稿者。腹いせに鳴きまねで応戦し始めたところ、わずか2週間でそのオウムが投稿者に完全に懐いてしまった。投稿者が数日だけ黙っていると、オウムはかごの中を落ち着きなく歩き回り、金切り声を上げ、エサにも手をつけなくなる。困り果てた飼い主が隣室のドアをノックし、「1日に数分でいいので、うちの子と話してやってくれませんか」と時間帯まで指定して頼み込んできた。投稿者は自分の意思とは無関係に、鳥との遠距離交際に突入することになった。 事の発端 テレビも、通話も、鳴き声も、全部聞こえる部屋 投稿者が住んでいるのは、壁の薄さでは相当な部類に入るアパートである。隣人がテレビで何を見ているかも、電話で誰とどんな話をしているかも、聞き耳を立てるまでもなく勝手に入ってくる。そしてそこに、もう1つ混ざっていた。オウムである。投稿者は本文で「とても美しい鳥だとは思う」とわざわざ前置きしたうえで、こう続けている——ただし髪をかきむしりたくなるし、口に出すのもはばかられるようなことを考えてしまう、と。この数か月、投稿者の目覚まし時計はその鳥だった。時刻を自分で決められず、音量も変えられず、そもそも止めるという選択肢が存在しない目覚ましである。 「じゃあ、こっちも鳴いてやる」 2週間ほど前、投稿者はついに一線を越えた。鳴き声をまね返すことにしたのである。向こうがギャアと鳴けば、こちらもギャアと鳴く。向こうが口笛を吹けば、こちらも同じ調子で吹き返す。数日でちょっとした型ができあがり、投稿者はその状態を「壁越しに鳥の鳴き声で連絡を取り合っている、仲の悪い同居人みたいなもの」と表現している。そのうち投稿者のほうから仕掛けるようにもなった。料理をしている最中に、何のきっかけもなく突然、思いきり大声で鳴きまねを始めるのである。本人も「自分でも変なことをしている自覚はある」と書き添えている。この時点では、あくまで一方的な嫌がらせのつもりだった。 やらかしの一部始終 隣人が、微妙な顔でドアをノックしてきた 昨日、隣室の女性が投稿者の部屋を訪ねてきた。何とも言えない、説明しづらい表情をしていたという。用件はオウムのことだった。投稿者が壁越しの鳴き交わしを始めて以来、うちの子があなたに夢中になってしまった、というのである。きっかけは、投稿者が数日だけ黙っていたことだった。単にそういう気分ではなかっただけなのだが、返事が返ってこなくなった途端、オウムはかごの中を落ち着きなく行ったり来たりしては金切り声を上げるようになったという。飼い主はご丁寧に、その様子を撮った動画まで見せてくれた。投稿者いわく、この上なく気まずい時間だった。 「この子、昔は友達がいたんです」 そこで飼い主が明かしたのは、少し切ない事情だった。何年か前まで、このオウムにはもう1羽の相棒がいた。その相棒は死んでしまい、以来ずっと一羽きりだという。飼い主は、この子は鳥の仲間を欲しがっているのだと思う、と話した。そのうえで彼女は、その場で鳴きまねをしてくれないかと投稿者に頼んだ。かごにエサを入れるので、それを食べるかどうか確かめたい、というのである。投稿者は当然ながら気が進まなかった。飼い主が目の前に立っている状況で、大の大人が本気で鳥の鳴きまねをするのだ。「もちろん屈辱的だった」と本人も書いている。それでも渋々やった。すると、あの憎たらしいはずのヤツが、エサを食べ始めた。そして、遊び始めたのである。 その後 こうして投稿者は、望んでもいないのにオウムの想い人になった。飼い主からの依頼はそこからさらに具体的になる。1日に数分でいいから話しかけてやってくれないか、というのだ。おまけに、在宅している日ならこの時間帯が望ましい、という希望まで添えられていた。相手の生活リズムに合わせて定期的に声を届ける関係のことを、投稿者は自分の言葉でこう総括している。「気づいたら、鳥と遠距離恋愛を始めていた」。 元の投稿の末尾には、こんな一行が添えられている。「要約:隣のオウムをからかっていたら、うっかりそいつの運命の相手になった」。数か月にわたって腹を立て続けた相手に、いつのまにか生活の一部として頼られている。追い出したかったはずの音は、いまや自分が出さないと相手が食事すらしなくなる音に変わった。断ってもいい。断ってもいいのだが、あの動画を見せられたあとで断れる人がどれだけいるだろうか。投稿者はこの日から、朝と夕方に壁へ向かって鳴くという予定を、生活の中に組み込むことになったのである。 海外の反応 1. やらかし名無しさん これ、構図としては完全に、敵だと思っていた相手と最終的に相棒になる映画のあれですよね。ざまあみろと思って嫌がらせをしていたはずが、気づいたら親友になっている。同情はしますが、同時に良かったねとも思ってしまいます。悪意を発揮したかっただけなのに友達が増えるのって、なかなかつらい。 2. やらかし名無しさん(>>1への返信) しかも今回は、相手のほうが本気度で圧倒的に上回っているのがきついところです。こっちは腹いせのつもりだったのに、向こうは人生を懸けてきている。この温度差で勝てる人間はいません。 3. やらかし名無しさん この話を微笑ましいと言っている人は、たぶんオウムと同居したことがないんだと思います。私は事情があって数年前から、大型のオウム2羽がいる家に住んでいます。1羽は口数が少ない代わりに、革の作業用手袋を貫通して噛んでくる。もう1羽は昔の飼い主の影響で古いテレビの主題歌や無線機の音を延々と再現してくるうえ、本気を出すと壁に向かって声を撃ち込むので、家の反対側でヘッドホンをしていても普通に聞こえます。数年住んでいますが、最初は「うるさいな」で済んでいたものが、だんだん精神的な拷問に変わっていく感じは本当にあります。 4. やらかし名無しさん(>>3への返信) 壁に向かって声を撃ち込むという表現で全部伝わりました。あの手の鳥は角に頭を突っ込んで反響を利用してくるんですよね。音量を稼ぐ方法を自力で発見しているという時点で、こちらに勝ち目がない。 5. やらかし名無しさん(>>3への返信) その環境で口笛の掛け合いに応じてあげているの、正直かなり優しいと思います。うちの子も、私の口笛が高い音で裏返るのを気に入って、わざわざその音でこちらを呼ぶようになりました。下手なりに返していると、ちゃんと専用の呼び方を作ってくれるんですよ。 6. やらかし名無しさん これは投稿者の問題ではなく、飼い主の問題では。相棒が死んで何年も一羽きりで、隣人の壁越しの鳴き声にここまで飛びつくというのは、単純に相手をしてもらえていないということだと思います。新しい仲間を迎えるなり、時間を取るなりするのが先で、隣人にタダで面倒を見てもらおうというのは順番が違う。 7. やらかし名無しさん(>>6への返信) 言いたいことは分かるんですが、動画を見せてまで頼みに来た時点で、この飼い主なりに相当悩んでいたんじゃないでしょうか。ちょっと厳しく見すぎな気もします。まずは仲間を探す方向に話が進むといいですね。 8. やらかし名無しさん(>>6への返信) そもそもこれだけ頭が良くて群れで生きる鳥を、かご1つで飼うこと自体に無理があるという話でもあります。かわいそうだと思ってしまう。ただ、それを今から投稿者の隣で言い出しても始まらないので、まずは目の前の一羽が元気になる方向で考えたいところです。 9. やらかし名無しさん うちの義兄が昔オウムを飼っていたんですが、ある日ドアを開けたら警察官が立っていたそうです。近所の人が「誰かが泣いている声がする」と通報したらしい。実際には、鳥が延々と「かわいそうなラリー」と繰り返していただけでした。ラリーが誰なのかは今でも分かっていません。 10. やらかし名無しさん(>>9への返信) ラリーが誰か分からないまま終わるのが一番こわいです。前の飼い主の家で、誰かが本当にそう言われ続けていたということですよね。オウムって前の家の空気をそのまま持ち込んでくるところがあって、たまにぞっとします。 11. やらかし名無しさん 実はオウムなんて最初から1羽もいなくて、壁の両側にいる2人の人間が、それぞれ「隣の部屋の鳥をからかってやっている」と信じ込んでいるだけだったら最高に面白いと思います。そして今日、ついに片方が対面してしまった。 12. やらかし名無しさん(>>11への返信) その場合、隣人が見せてきた動画に映っていたのは何なのかという問題が残ります。とはいえ、2年くらいお互いに鳴き交わした末に真実が判明する話のほうが、正直こちらより読みたい。 13. やらかし名無しさん 現実的な提案をすると、自分の鳴き声を何パターンか録音しておいて、気分が乗らない日はそれを流せばいいのでは。毎日生で対応していたら、そのうち本当に生活が縛られます。相手は最長で数十年生きるので、これは長期戦です。 14. やらかし名無しさん(>>13への返信) 残念ながら、あの手の鳥は録音とその場の声をかなりの精度で聞き分けます。うちで試したときは3日で飽きられました。むしろ「返事が返ってこない偽物」を毎日聞かされるほうが、鳥にとっては悪い可能性があります。 15. やらかし名無しさん 本気の忠告ですが、絶対に直接会いに行かないほうがいいです。壁の向こうの声と目の前の人間が同一だと結びついた瞬間、その鳥はあなたのものになります。飼い主が根負けして、そのままかごごとあなたの部屋に届く未来がはっきり見えます。 16. やらかし名無しさん 安心してください、オウムなんてせいぜい80年くらいしか生きませんから、そこまで重い約束ではありません。ちょっと長めの賃貸契約くらいの気持ちで構えておけば大丈夫です。あと、飼い主さんの遺言書にあなたの名前が入る準備もしておいたほうがいい。 17. やらかし名無しさん うちには昔、大きさの違う2羽がいました。体の大きいほうが小さいほうを噛みに行くんですが、口の回るほうが妻の口調をまねて「いい子にしなさい」と言い返すので、いつも言い負けて悲鳴を上げて終わるという構図でした。ある日、娘が兄とけんかして牛乳とシリアルを台所にぶちまけたんですが、妻が「誰がやったの」と入ってきた瞬間、鳥が大声で娘の名前を連呼したんです。娘が「あの鳥、何言ってるのか分かんない」と真顔で言った顔を、今でも覚えています。 18. やらかし名無しさん(>>17への返信) 家庭内に第三の目撃者がいる環境、子どもにとっては地獄ですね。しかもその目撃者は忖度も口裏合わせもしないうえ、大声で何度も同じことを繰り返す。証言としての精度が高すぎる。 19. やらかし名無しさん 屈辱的だと言いますが、あなたは口笛ひとつで、羽の生えた幼児みたいな生き物の一日を明るくする力を持っているわけですよ。そんなに悪いことでしょうか。私だったら毎朝コーヒーを淹れながら、壁に向かって元気よく挨拶しています。名前は聞きましたか。 20. やらかし名無しさん 科学者が離れた場所のオウム同士をビデオ通話でつないだら、双方がかなり喜んだという研究があったはずです。飼い主さんが同じ鳥を飼っている人の集まりを探して、通話相手を見つけるのが一番いい落としどころだと思います。投稿者は代役であって、本命ではないので。 21. やらかし名無しさん そして数年後、あなたは壁に向かって鳴いても返事が返ってこない朝に、自分がひどく落ち込むことに気づくんです。今は面倒に思っているかもしれませんが、この関係で先に依存するのはたぶん人間のほうですよ。 22. やらかし名無しさん(>>21への返信) やめてください、それは本当に起きる話なので笑えません。あと、この一連の流れを何十年か後に子どもへ話すときの第一声が「これがママと出会ったきっかけだ」にならないことを祈っています。壁の向こうにいたのは鳥だけとは限らないので。 まとめ 数か月ぶんの苛立ちを込めて鳴き返していたら、相手のほうが本気になってしまった話。エサを食べなくなるほど懐かれ、飼い主に時間帯まで指定して依頼される展開まで含めて、本人の想定はすべて外れている。海外の反応は微笑ましいという声だけではなく、「オウムと暮らす大変さを分かっていない」「これは飼い主の怠慢では」という厳しい指摘や、録音で代用する案、仲間を迎える案まで幅広く出た。腹いせのつもりで出した音が、いつのまにか誰かの生活を支える音になっていることがある。 元ソース: 隣のオウムを2週間からかい続けた結果、やらかした The post 「1日に数分でいいので、うちの子と話してやってくれませんか」隣人に頭を下げられた朝 appeared first on やっちまった!海外のやらかし告白.…