2001年3月6日、北海道室蘭市で、当時16歳の女子高生・千田麻未さんが行方不明になった。最後に確認されている通話で、千田さんはこう話したとされる。「今無理だから、後でかけ直す」それだけなら、何でもない日常の一言である。誰かと一緒にいる時、店に入る直前、移動中、周囲に人がいる時。電話に出られない理由はいくらでもある。だが、千田さんはその後、電話をかけ直すことはなかった。その日は高校入試のため学校が休みだった。千田さんはアルバイト先のパン店へ向かっていたとされる。ショッピングセンターに立ち寄り、友人と会い、バスに乗り、目的地近くの停留所で降りたとみられている。北海道警は、千田さんが2001年3月6日午後1時31分発のバスに乗り、午後1時40分ごろ「東通り」バス停で降りたものとみて、現在も情報提供を呼びかけている。足取りは、途中まで残っている。だからこそ、最後の数分だけが奇妙に浮かび上がる。…