1 名前:ごまカンパチ ★:2025/06/24(火) 22:56:46.36 ID:HJqk+JTN9.net ■軍事経済化、当然、国民生活は苦しく 今のロシア経済を見る際には、軍事体制下にあるということをよく理解する必要がある。 ところが軍事経済化には一般に誤解があって、様々な軍需物資の生産が増えて、経済にプラスに働くのは当然みたいな見方が広がっている。 この見方は、資本主義には軍国主義を志向する傾向があると思わせたい、マルクス主義的な立場からのプロパガンダと見るべきものだ。 少なくとも、軍事経済化によって、国民生活は厳しくなるのが普通である。 資源は限られているので、軍事経済化すると、生活物資に向けられる分と軍需物資に向けられる分との間で資源の取り合いが生じる。 この段階で需要過多が生じてインフレ傾向が発生する。 軍需物資に対して優先的な資源配分がなされれば、その分だけ国民生活を支える生活物資に回される資源は減ることになる。 その減った生活資源を巡って、国民の中で取り合いが激しくなり、これまたインフレ傾向を持つ。 またロシア政府は、年金給付の拡充、子育て世代や公務員への現金給付などのバラ撒き政策を実施して、戦争状態での不満が高まらないようにしてきたが、 これらのバラマキ政策もインフレ要因として働いている。労働力不足に伴う賃金上昇も、インフレ要因となっている。 ■中国企業に取って代わられる民需 このように数多くのインフレ要因がロシア経済には働いているが、これを大きく緩和させているのは、中国からの大量の輸入だ。 製造業大国である中国がロシアに味方していることで、ロシアはかなり助けられていると見ることができる。 ロシア国内では資源の確保にかなりの制約が生まれている一方、中国にはそういうものがないから、 制約のない中国企業に制約の強いロシア企業がどんどんやられているというということが、恐らくこの裏で進行していると思われる。 つまり、ロシアの軍事体制化によって利益を得ているのはロシア経済ではなく、中国経済なのだ。 だから、戦争経済によって国内経済は万々歳だ、みたいな考えは現実とは全然合わない、戦争経済化で利益を得るのは戦争当事国に物資を売りつけられる外国である。 ロシア企業の苦境を理解するのに、一橋大学の岩崎一郎教授の研究は大いに参考になる。 岩崎教授は、中東欧企業15万7000社が2022~2023年に倒産・廃業によってどれだけ市場から退出したのかの調査を行った。 この結果、ロシア企業の市場退出率は12%に達する一方、他の中東欧諸国20カ国の企業の市場退出率は5%弱だった。 他の中東欧諸国と比べてロシアはざっと2倍以上、3倍近くの市場退出率になっているのである。 これはロシア経済がこの2年間に現実にはどれだけ厳しいものだったかを端的に物語っている。 岩崎教授は、2024年上半期の企業倒産件数は前年同期比で50%増との話があるということも日経新聞で語っている。 2023年よりも2024年のほうがロシア経済は苦しく、非軍事産業を中心に、ロシア実業界には市場淘汰の大波が襲っていたと見るべきではないのか。 ※略 ■もはやリセッションへ ※略 ロシアの鉄鋼大手セベルスタリのシェベレフCEOは、国内の鉄鋼需要の落ち込みで一部の鉄鋼生産業者が生産停止を余儀なくされる恐れがあるとの見方を示した。 シェベレフCEOによると、ロシア国内の鉄鋼需要は今年4300万~4500万トンレベルから3900万トンレベルにまで、10%程度低下するとの見通しだという。 鉄鋼という軍需の根幹を支えるような分野でも、1年間で生産量が1割減る見通しだというところに、ロシア経済の苦境が表れているのではないか。 ■戦争の、あまりに大きな負の影響 ロシアには経済が厳しい時の支えとして利用するために蓄えてきた国民福祉基金というものがあるが、これもかなり枯渇してきた。 一時期は日本円で30兆円ほどあった国民福祉基金は、ウクライナ侵攻後の3年間で5兆円レベルにまで下がっているのだ。 ※略 関連スレ ロシアはすでに景気後退の瀬戸際にある ロシア経済発展相が警告 中銀は過熱脱却と分析 [ごまカンパチ★] ロシア戦時経済の減速鮮明 プーチン氏、国際会議で「サウス」連携へ [ごまカンパチ★] プーチンにイランを助ける余力はない…「自分のことで精一杯」 ロシア経済が悲鳴を上げている"確かなデータ" [ごまカンパチ★] 引用元:…