全てのレス元スレ 2:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2019/02/02(土) 16:04:03.20 :n48ufXgR0 「快晴ですねぇ……」 よく晴れた冬の午後、抜けるような青空。 ふんわりと空気を含んだ雪に全て覆われ、辺り一面は透き通った銀白色に染まる。 そんな冴え冴えしい風景の中、俺は一人の女性と歩を共にしていた。 「そうね。本当にいい天気だわ……昨日の大雪が噓みたい。寒さは相変わらずだけれど……」 「放射冷却ってやつですね。しばらくは寒いのが続きそうだなぁ……くれぐれも体調には気をつけてくださいね、留美さん」 「あら、気遣ってくれるのはありがたいけれど……Pさんこそ、風邪引かないようにね。貴方ったらすぐ仕事に根を詰めて自分を蔑ろにしちゃうんだから……」 「う、耳が痛い……」 俺の担当アイドル、和久井留美。アイドルになる前は秘書をやっており、仕事が趣味と言い張るほど仕事に打ち込んだ人間だった。 それが職場の人間関係で上手くいかず、辞職して自暴自棄になっているところをスカウトした。 「って、私が言っても説得力がないかしらね。仕事は大事だし、没頭してしまう気持ちはよくわかるわ…… けれど、仕事ばかり見ていたら他のもっと素敵な物事を見逃してしまうかもしれないわよ?」 「……あの留美さんからそんなお説教食らう日が来るとは、といった想いですね」 「それは褒めてるのかしら、貶してるのかしら」 「さあどうでしょう?」 「もう。Pさんってそういうところあるわよね……でも、本当にそう。アイドルになる以前の私だったら、こんな言葉はどんなに絞っても出てこなかったと思うの。 最初はわからないことだらけで、とても不安だったけど……最近、アイドルになって幸せだって、心からそう感じるわ」 「留美さん……」 彼女の目元が、口元が、自然に緩む。切れ長の目と花のような唇が不意に生み出した、そのたおやかな微笑につい見惚れてしまい、俺は言葉を紡ぐことができなかった。…