
1: 名無しのがるび 2025/12/07(日) 17:12:16.38 ID:I7HQl2w30● BE:582792952-PLT(13000) 啓発チラシに使われた、制帽をかぶったたま警視=県警提供 学生から餌をもらうたま警視(岡山市北区で) 岡山県警察学校(岡山市北区)にすみついている野良猫がいる。愛称は「たま警視」。子猫の頃から教官や学生らにかわいがられ、今ではすっかり警察学校のアイドルになった。自由気ままな校内での暮らしぶりなどを<猫目線>で紹介する。(小林沙世) 「今日はどこを探索していたのか、真っ黒になって帰ってきて、みんなで体を拭いてやったんですよ」 11月下旬の昼下がり、取材にやってきた1人の女性記者に、竹内浩一副校長(58)が説明している。そう、私は警察学校にすみついた雌の猫。ロビーやグラウンド、中庭などを歩き回り、校内の“治安維持”に日々努めている。記者は、そんな私に興味を持ったようだ。 思い返せば、警察学校に迷い込んだのは約10年前。当時を知る横山大徳教官(39)は「ガリガリの汚い子猫だった」と振り返る。あばら骨が浮かぶほどやせ細っていたそうだ。 規律厳しい警察学校でペットなど飼えるはずがなく、教官らは最初、「餌を与えないように」と学生らに厳命していた。しかし、私を見つけると、学生たちはこっそり駄菓子をくれた。喫煙所で談笑する教官らの足元にすり寄り続けると、いつしか彼らにも気に入られ、餌をくれるようになった。 それだけ 愛嬌あいきょう があったのだろう。そのうち、警察学校のある「 玉柏たまがし 」という地名から「たま巡査」と呼ばれるように。気づけば呼称は警視に“昇進”し、今や学校一番の古株。教官室に専用の椅子があり、ロビーには「たまホーム」と名付けられた寝床まで用意されている。教官たちはポケットマネーを出し合って養ってくれるし、元教官や卒業生も時折大量の餌を手に訪ねてきてくれる。すこぶる好待遇だ。 日々、厳しい訓練に励む学生たちは、なおさら私にメロメロだ。今春入校した竹久陽菜巡査(18)は「授業は厳しくて大変ですが、休み時間にたま警視を見つけ、その体をなでているだけで癒やされます」。もはや私は、なくてはならない存在となっている。 すっかり飼いならされているとお思いだろうが、野生の本能は忘れていない。狩りだってお手のもので、スズメは序の口。捕らえたハトをロビーで食べていたら、教官らが目を丸くしていたこともあった。不審者ならぬ「不審猫」が侵入すれば、追いかけ回して排除し、私の縄張りである校内の治安を取り戻す。 私の重要な職務の一つに「広報」がある。2019年には交通安全の啓発チラシに制帽をかぶって登場した。県警のインスタグラムにも「経験豊富な警察職員」として紹介されている。 正義感と高い誇りを胸に県民の生命・財産を守るのが警察官。県警では有為の人材を求めている。「県民に警察を身近に感じてもらい、警察学校と学生をつなぐ架け橋になってほしい」と竹内副校長。そんな期待を背に、今日も私は気ままに校内を巡視する。…