1: 煮卵 ★ JyaivaUV9 2025-12-08 10:45:55 寺社建築を模した「屋形」が施された宮型霊柩(れいきゅう)車が、令和の今は姿を消しつつある。 【画像】高級車のルーフ上に白木に細やかな彫金が施された社(やしろ)がのった宮型霊柩(れいきゅう)車=東京都新宿区の東礼自動車車庫、森下香枝撮影 全国霊柩自動車協会(東京)によると、2003年には全国で2千台以上の宮型霊柩車が走っていた。その後、年々減少し、昨年は220台だった。 なぜ、消滅しつつあるのか。同協会事務局部長の勝基宏さん(64)によると、宮型霊柩車のルーツは「野辺の送り」にあるという。火葬場まで、親族や地域の人が葬列を組み、故人を弔う慣習のこと。かつては棺おけを担いだり、人力車にのせて移動させたりしていたが、大正時代から霊柩車が登場し、高度経済成長期に宮型が流行した。 衰退の原因の一つに「苦情」がある。目立つ宮型霊柩車が自宅近くを通ると「縁起が悪い」などと近隣住民から苦情が寄せられたことがあったという。 こうした苦情は、自治体の火葬場が宮型の乗り入れを禁止する動きにもつながった。1997年に山口県柳井市が市営火葬場を新設するにあたり、乗り入れ禁止にしたのを皮切りに、埼玉県越谷市では条例化の動きもあり、全国150以上の自治体で規制が相次いだ。 さらに2020年以降のコロナ禍で、葬儀の小規模化や低価格化が進み、宮型の需要は一段と減った。 代わって「主流」になったのが、一般車と見分けがつかないバン型だ。 以前は、病院の霊安室からの遺体の搬出はバン型、葬儀会場から火葬場へは宮型や洋型の霊柩車、と使い分けることが多かった。コロナ後は通夜をしない「一日葬」や火葬のみの「直葬」が増え、葬儀も少人数で済ませることが多くなったため、同じバン型でいずれの搬送にも使い回すことが多くなったという。 宮型と洋型霊柩車だと、10キロ以内の搬送で5万~6万円するが、バン型だけなら半額以下で利用でき、料金面から需要が高まっている。(森下香枝) [朝日新聞] 2025/12/8(月) 9:00…