1: 1ゲットロボ ★ HVdBmNI49 2025-11-26 10:04:21 インバウンドは一体どこまで増えるのか? 「4000万人目前」の現実、オーバーツーリズムと受け入れ体制のギャップを考える 訪日客数の回復遅延と次期目標 日本政府観光局(JNTO)によると、2025年10月の訪日外客数は390万6300人(推計値)となった。1月から10月までの累計は3555万人に達する。このまま推移すれば、2025年の年間訪日客数は4000万人に届く見通しである。 国は当初、2020年までに4000万人を目標としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で達成は5年遅れとなった。次の目標として、2030年までに6000万人を掲げている。 では、あと5年で6000万人は可能だろうか。2012(平成24)年から2024年までの訪日外客数の増加トレンドを回帰分析で推計すると、理論上は2030年に6000万人を達成できる見込みである。 ただし、これは2012年から2019年の急成長期のトレンドが維持されることが前提となる。この期間、 ・円安の進行 ・ビザ要件の緩和 ・国の積極的な訪日プロモーション ・航空路線の拡充 ・クルーズ船の寄港増加 などが訪日需要を後押ししていた。 インバウンド6000万人の国際比較 インバウンド6000万人とはどの程度の規模なのか――。 国連世界観光機関(UN Tourism)によると、2023年の国際観光客到着数ランキングで日本は15位(2506万6000人)である。2023年以降、多くの国で観光客数は拡大しており、単純比較はできない。 ただ参考として2023年のデータを基準に考えると、訪日客数が4000万人なら10位以内に入る可能性がある。さらに6000万人に達すると、フランスやスペイン、米国、イタリアの後に続く5位前後の水準になる見込みである(中国はコロナ禍の影響が残っており、本来は上位に位置する)。 日本は長年、観光立国を目指してきたが、現在でも世界的に見て観光大国の水準にある。6000万人を超える規模になると、世界屈指の観光大国と肩を並べるレベルに達する。こうした国々のなかには、オーバーツーリズムが問題化している都市もある。バルセロナやヴェネチアは歴史ある観光地であるにも関わらず、市民の反発が強まり社会的な混乱を招いた例もある。 インバウンド拡大の供給側対応 成田空港ではインバウンドの拡大を受け、10月26日に年間発着枠を30万回から34万回に拡大した。今後は滑走路を新設・増設し、2029年3月には50万回まで増やす計画である。各地でも ・大型クルーズ船の寄港促進 ・地方空港への国際便誘致 などが進み、海外からの需要はさらに拡大する見通しである。 拡大する需要を受け止める形で、地方へのインバウンド分散も進展している。地域が連携してファムツアーを開催し、成果を上げる都市が増えている。地方にはかつて観光が産業の基盤だった地域が多く、現在も観光インフラが残るが、一時期と比べて衰退している地域も少なくない。その復権を目指し、インバウンド誘致活動は活発化している。 地方での訪日客への期待は大きい。インバウンドは成長政策の柱であり、拡大路線には歯止めがかかりにくい状況にある。 国は拡大するインバウンドに対し、 「量より質」 を重視する方針を示している。 インバウンド6,000万人が現実のものとして視野に入るなか、観光系有識者の議論が活発化している。 富裕層のインバウンド市場を獲得するには、ドバイやシンガポールのように世界的な競争力を持ち、観光開発を積極的に進める新興国と対峙する必要があるとの意見もある。しかし、これらの国とは国家体制や開発のスピードが大きく異なる。改めて、 「日本観光の価値とは何か」 を考える時期にきている。 全文はソースをご覧ください…