831: 本当にあった怖い名無し 2020/03/06(金) 22:27:43 ID:6xf0aU4y0.net 山登りが好きなオカンの話。 俺のオカンは霊とか絶対に信じない人種で、逆に霊とか怪談とか好きな俺への口癖が「オバケなんかより人間が一番怖い」。 その癖、若いときに人魂を見たとか、夜に外で変な動く光を見たとか騒いだりと、信じてない割に霊感あんじゃねえの?ってくらい霊体験してる。 そんなオカンは地元の山岳会に入って夏だろうと冬だろうと結構本格的な登山してて、歳も歳なのに冬山とか平気で行くから家族としては気が気じゃない。 これはもう10年以上前なんだけど、ある時オカンが「ちょっと見てくれる?」と言って1枚の写真(プリント)を差し出した。 それは、どこかの山小屋の前で、オカンやその仲間が出発の準備でもしてるような風景を撮影した、何の変哲もない写真。 ところが「ちょっとおかしいのよこの写真」と言う。 小屋の背景に顔でもあるのか、はたまた小屋の窓から誰かが覗いているのか いや、あまりにリアルで普通に写っていたので俺は気が付かなかったのだが、画面の真ん中辺りに横を向いて仲間と会話してるオカンの姿、その腰に、真っ赤な丸い物体がくっついてるんだ。 いや、見る限り、その色や形、質感もまさに風船でしかない。 だから俺は、オカンが登山に必要でそんなものを付けてたんだと思って気にも留めなかったんだ。 確かに、風船を腰に付けて山を登るなんて聞いたことはないが、俺は登山の専門家でもないのでそういうこともあるのかくらいにしか思わなかったのだが。…