1: バイト歴50年 ★ cmqqOiaO9 2025-09-24 18:21:10 「へずまりゅうしか思い浮かばなかった」 その演説は、はじまりからやや唐突だった。 「高市早苗、奈良の女です。ヤマトの国で育ちました」 紺色のスーツに身を包んだ高市氏は、破顔一笑すると、「奈良の女としては、奈良公園に1460頭以上住んでいるシカのことを気にかけずにはいられません」と続けた。 さらに、奈良時代の歌人・大伴家持による鹿についての和歌を、独特な抑揚をつけて読み上げ、次のように語った。 「そんな奈良のシカをですよ、足で蹴り上げるとんでもない人がいます。殴って怖がらせる人がいます。外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷めつけようとする人がいるんだとすれば、皆さん、何かが行き過ぎている、そう思われませんか。 (中略)古い、古いものが大切に、大切にされているところに、そういう日本人の気持ちを踏みにじって喜ぶ人が外国から来るようなら、何かをしないといけません」 演説を聴いていた自民党の地方議員は、「へずまりゅうしか思い浮かばなかった」と振り返る。“へずまりゅう”とは、SNS上で外国人観光客から奈良公園の鹿を守るなどと訴えて、7月の奈良市議選で初当選した元迷惑系ユーチューバーの男性だ。 しかし、この問題を巡っては、公園を所管する奈良公園室が、今年6月の県議会で実態を説明していた。それによれば、関係団体が毎日パトロールをしているものの、意図的に鹿を傷つけるような、殴る、蹴るといった暴力行為は確認されておらず、そういった通報もないという。 さらに、報道によれば、昨年7月に奈良公園内で男性が鹿を蹴ったり、殴ったりする動画がSNS上で拡散されたことはあったものの、動画の男性が外国人であるか否かは未だに特定されていないという。 高市氏やへずまりゅう氏の「奈良公園で外国人からの鹿への暴力行為が常態化している」という主張は、根拠が不十分な面があるのだ。そもそも、奈良公園の鹿を巡っては、2021年にとび工の日本人男性が、オノのようなもので殺害し、文化財保護違反などで有罪判決を受けたこともあり、一概に「外国人問題」というわけでもなさそうだ。…