1: 七波羅探題 ★ IggwCgBo9 2025-09-10 06:37:31 短期滞在で入国後に救急搬送、3倍の医療費請求は不当…外国人女性側「国籍理由の差別」と提訴へ 読売新聞 2025/09/10 05:00 短期滞在で入国後、救急搬送されて治療を受けた中国人女性が無保険の日本人の3倍にあたる医療費を請求されたのは不当だとして、女性側が国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)に、日本人との差額分450万円の支払い免除を求め、10日にも大阪地裁に提訴する。滞在予定が短期間の外国人は自由診療となるため、各病院の裁量で医療費を請求できるが、女性側は「国籍を理由とした差別だ」と訴えている。(林信登) 厚生労働省によると、医療費(診療報酬)の算定は通常、1点10円。患者が公的医療保険に加入していれば1~3割負担となり、1点当たり1~3円を支払う。一方、無保険の場合、法令の定めがなく、各病院で請求額を決められ、日本人だと1点につき10円で算定されるのが一般的だ。 女性はすでに死亡しており、提訴するのは日本国籍で大阪府在住の60歳代の長女。 代理人弁護士によると、女性は2019年11月、長女に会うため、短期滞在(90日)の在留資格で来日。コロナ禍で帰国できず、国の特別措置として90日間の在留資格の更新を繰り返した。 22年1月、左半身に違和感を訴えて救急搬送され、センターで脳腫瘍や大腸がんの診断を受けて同3月上旬まで入院。いずれも保険適用内の医療行為だったが、無保険の外国人であることを理由に、診療報酬を1点30円で算定され、675万円を請求された。女性は同月中に帰国し、23年に86歳で死亡した。 公的医療保険は、外国人でも、在留資格の期間が90日を超えれば加入が義務付けられているが、女性の場合、特別措置も90日間だったため、加入できなかった。 センターは長女に「自由診療の外国人には一律で300%負担としている」と説明。長女は今年5月までに、日本人と同じ1点10円で算定した225万円を支払ったという。 長女側は「『法の下の平等』を保障する国連の自由権規約に反した不合理な差別だ」と主張している。 長女は読売新聞の取材に「本来負担すべき分は支払った。国籍を理由に3倍の医療費を請求されるのは納得できない」と語った。センターは取材に「個別の事案には答えられないが、価格設定は周辺の病院に合わせている」としている。 外国人患者に対し、日本人より高額の医療費を請求する医療機関は少なくない。 患者は、入国後にけがをしたり、病気を発症したりしたほか、富裕層を中心に、日本の高度な医療を受ける目的で訪日しているケースも多いとみられる。 厚生労働省の2023年度の調査によると、短期滞在の外国人への自由診療について、5673の医療機関のうち、14%の794が1点10円を超えて請求していると回答。理由として、通訳を介するため診療に時間がかかることや、帰国されるなどして未払いとなるリスクが高いことを挙げた。 厚労省によると、1点20~30円で請求しているケースもあるという。担当者は読売新聞の取材に「無保険の外国人については、自由診療のため、国は病院側の算定に対し、指導する立場にない」と前置きした上で、「言葉の壁による負担など、必要経費を反映した算定を勧めている」と語った。 神馬征峰・東大名誉教授(国際保健学)は「日本国内で発症した際、医療費があまりに高額だと、『受診控え』につながり、重症化に加え、国内での感染症の拡大リスクがある。日本人との金額差をなくすための仕組みづくりが求められる」と指摘する。…