元スレ 全てのレス 2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2016/01/15(金) 21:48:22.25 :ft438Vl90 風の鳴く音が聞こえる。 その風に導かれ、薄い綿のような雲が月光を遮り、月を隠した。 部屋の灯りを無くした私は、冷たい暗闇の中で覚えたばかりの詩を口ずさむ。 「…つれづれと、空ぞ見らるる、思ふ人」 「天降り来むものならなくに…」 「はぁ…」 独りよがりのこの想いは、私の胸を締めつける。 なぜ、あの人を好きになってしまったのだろう。 終わらない自問自答を繰り返し、冷たい布団の中へ身を潜らせる。…